短歌.神無月
2024.10.5 単語で短歌 お題 「蜘蛛」
先日は助けてくださりありがとう
ピンチな貴方に銀鼠の糸を
2024.10.6 単語で短歌 お題 「魔法」
灰被り呼ばれた少女は包まれる
いつか流した涙色の青
2024.10.7 単語で短歌 お題 「薬」
ひとつぶの小さな白に縋り付く
お願いだから元に戻して
2024.10.9 単語で短歌 お題 「デート」
これまでは一杯だった冷珈琲
今日は双子の冷珈琲に
2024.10.12 笑顔があまりにも素敵だから、
澄み切った秋の空気で肺満たす
君がイチョウの色で笑う
2024.10.12 毎日短歌 お題 「音楽を感じる短歌」
黒鍵を跳躍するよな足取りで
水溜まりの窓越えるローファー
葉に落ちる疎雨と重ねるピチカート
全ての音が吸い込まれてく
2024.10.13 単語で短歌 お題 「日曜日」
夕暮れの藍と茜につつまれて
明日の予感とそっと手繋ぐ
2024.10.14 単語で短歌 お題 「黄」
イチョウの葉お芋の餡に月明かり
秋は黄色が好きなんだよね
2024.10.21 単語で短歌 お題 「死」
「ベニクラゲ、死んだら海に溶けてくの」
海に歩いてく君の手掴む
選択に紛れる程の小さな生
どこよりも死に近い世界の
遠境で誰かが命を返す時
ぼとり、と庭の椿が落ちる
薄暗い何にも救われない日には
夜に身を任せ死を優しく抱く
2024.10.23 単語で短歌 お題 「穴」
母の手にキラリと光る指輪見て
羨ましくてポテコをはめる
2024.10.25 単語で短歌 お題 「靴」
手に入れた鮮血のような赤い靴
どんなに悔いても止まらぬ踊り
2024.10.26 誕生花が金木犀なので
さば雲に貴方が吐いた偽りを
金木犀が近くで見てる
2024.10.28 単語で短歌 お題 「灰」
ザラザラと手からこぼれる微粒子は
悔しいくらいに美しくって
2024.10.29 単語で短歌 お題 「骨」
噛み砕く音と歯触り快感に
まるで君の骨を食べてるみたい
2024.10.31 大切な利用者さんに向けて
まんまるな木漏れ日のように柔らかく
薫衣草に似た可憐な貴方
死の短歌。まだゆっくりと詠みたい。