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短歌.長月


2024.9.1 単語で短歌 お題「8月32日」

「行かないで」貴方が涙、流すから
夏がついた優しい嘘の日

「もう少しゆっくりしなよ」と引き止める
タオルケットをそっと掛けながら


2024.9.1 毎日短歌 どこかに「ささやかな」を入れて

「ささやかなお土産ですが・・・」と言いながら
あなたが好きなバタークッキー


2024.9.2 単語で短歌 お題 「泣く」

どうしたの?何かあったの?大丈夫?
聞かれて気づく私泣いてたの

泣くのはね悪い事だと思ってた
「泣いてもいいよ」呪いが溶ける


2024.9.3 単語で短歌 お題 「大人」

大人ってどうしたらなれるものなのか
お酒が飲めるだけじゃダメみたい


2024.9.4 単語で短歌 お題「ノート」

新しいページを捲るあの瞬間
幾つになっても微笑んでしまう


2024.9.5 単語で短歌 お題「香り」

鼻が利く君が「降るよ」とその途端
私の頬に空の涙が


2024.9.6 単語で短歌 お題 「歌」

初めての小さなアリアはゆっくりと
不思議な色の絨毯に溶ける


2024.9.7 単語で短歌 お題 「嘘」

たべれるよ!わたし、にんじんたべれるよ!
祖母についた初めての嘘


2024.9.8 単語で短歌 お題 「青」

宝物、海と空の青半々に
硝子へ流したビー玉いっこ


2024.9.8 素敵な上の句のツイートに心が動いて

通り雨、僕らの街に空が降る
ハンカチにくるみそっとポッケに


2024.9.9 単語で短歌 お題 「朝」

とびきりの笑顔で君が振り向いた
まるで朝日が差し込んだみたい


2024.9.10 毎日短歌
お題 「どこかに浴びながら」を入れて詠んで

泣いていた。いつもシャワーを浴びながら
そしたら涙、ごまかせるでしょ


2024.9.10 単語で短歌 お題 「バイク」

スロットル捻れば身体浮く気して
あの日のバイクが最初で最後


2024.9.10
美術館横を運転中イチョウが色づき始めていたので

今もなお日差しが照りつく空の中
秋がノックして少し目が合う

オレンジの淡いチークでめかし込む
秋のスカート裾が視界に


2024.9.11 単語で短歌 お題 「命」

零れゆく命を前に出来ること
柔らかなシーツ皺なく伸ばす

亡くなった人を想うと花が降る
迷信だとて私は倍じる


2024.9.12 単語で短歌 お題 「化粧」

お砂糖とスパイスでできた私たち
とびきり美味しく可愛く仕上げ!

紅さすと空の心が満たされる
おばあちゃんには、この色だよね


2024.9.13 単語で短歌 お題「髪」

大好きなあなたに触れて欲しくって
金木犀の香りを纏う


2024.9.14 単語で短歌 お題 「神」

大好きなあなたに触れて欲しくって
金木犀の香りを纏う


2024.9.16 単語で短歌 お題 「泡」

泡立てて黄色いスポンジ真っ白に
お風呂で作る特別なケーキ


2024.9.17 単語で短歌 お題 「ふわふわ」

ふわふわはいつも私の味方なの
移る体温ぽろりとなみだ。


2024.9.17 次世代短歌 「月や星の短歌」

お団子の"きいろ”は何より特別で
それをあげるの、とびきりの愛だ

月を見て涙が出るのは何故だろう
脳裏をよぎる黒髪の君

月に行きお餅をつくのに困らぬよう
優しく爪切る十五夜の夜


2024.9.18 単語で短歌 「眼鏡」

毎日が”鮮明”だけじゃ疲れちゃう
たまには霞む世界も愛そう

額縁に収まる世界は鮮やかで
外は涙でぼやけたみたい


2024.9.19 単語で短歌 お題 「終電」

なまぬるい空気を運ぶ終電車
このまま私も今日に溶ける


2024.9.20 単語で短歌 お題 「パフェ」

パフェに乗るイチゴはまるで思春期の
自分みたいな酸っぱいイチゴ


2024.9.21 単語で短歌 お題 「叫び」

凪いだ海その群青に諦める
押し殺しかけた心が叫ぶ


2024.9.21 宮沢賢治の命日によせて

ほんとうにいいことをしたらいちばんの
幸せと言った小さな鐘の音


2024.9.22 単語で短歌 お題 「好き」

虹の写真、ケーキのいちご、好きな本
ながーい方のポッキンアイス


後半中々詠めなかったけれど、日常にかなり短歌が溶け込んできた月でした。

来月も楽しもう。

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