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わたしは誰かと問われた日
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2019年11月の記事一覧

切り売りの恋人

切り売りの恋人

花屋の恋人がいた。
誕生日には齢の数だけ薔薇が贈られる。

けれど、或る年の誕生日は違った。
一匹の海月。
 

それは満月の夜だった。
今宵に漂う花のように、拙い日々を巡る。

あなたの望みをひとつ叶えます。
お伽噺のような日だ。

月光

月光

波に砕かれた光りのながく、ながくある。
可惜夜とはこのように出来上がるのかと随分とながく思い遣ったような気がします。

母は産まれました。
父は死にました。
 
 
 
繰り返される満ち潮に、引き潮に随分と思い悩んだことも畢竟、わたしが生まれたに過ぎず。ただ倦まず弛まず、それにあれたことをいまは思う限りの月光。