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わたしは誰かと問われた日
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喪失

喪失

失っちまったものを考える背中は、錯覚に生きるようなものです。
 

どぜう喰いし、おもふところありて。
泥寧とは流れを遮る。

鴨なら飛びますので、

鴨におなりなさいよ、といふものありて。
であるなら未来は葱とif。
 
 
 
どちらにせよ、ろすとなり。
隣人を愛せよ。

それは匂ひ喪失である。

切り売りの恋人

切り売りの恋人

花屋の恋人がいた。
誕生日には齢の数だけ薔薇が贈られる。

けれど、或る年の誕生日は違った。
一匹の海月。
 

それは満月の夜だった。
今宵に漂う花のように、拙い日々を巡る。

あなたの望みをひとつ叶えます。
お伽噺のような日だ。

月光

月光

波に砕かれた光りのながく、ながくある。
可惜夜とはこのように出来上がるのかと随分とながく思い遣ったような気がします。

母は産まれました。
父は死にました。
 
 
 
繰り返される満ち潮に、引き潮に随分と思い悩んだことも畢竟、わたしが生まれたに過ぎず。ただ倦まず弛まず、それにあれたことをいまは思う限りの月光。