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「この世界で“普通こうでしょ”なんてない」パーソナルデザイナー、久住薫という生き方

「次の一手が見えない」「未来の見通しを立てたい」

そんな“さらに一歩先へ成長したい”人の自己理解をサポートする活動をしているパーソナルデザイナーの久住薫さん(以下、カオルさん)。インタビュー前半では「そもそも“コーチング”とは何なのか?」について語ってもらった。

自分を活かす生き方を求めて20歳から独立を志してきた。彼女は“内省オタク”と自称するほどまでに、「自分を活かすには何をすればいいのか」「そもそも自分はどういう人間なのか」を一種の癖のように徹底して問い続けてきた。

取材中、絶えず溌剌とエネルギッシュにインタビューに応じてくれた彼女の言葉からは確かな「自分軸」があることが窺える。そのエネルギーの源は何なのか。後半では、そんなカオルさんの人生観を掘り下げていく。

大手カーディーラーの「採用担当っぽくない採用担当」

——いまは独立して個人で活躍されていますが、会社員時代はどんなことをされていたんですか?

カオルさん:大手カーディーラーで人事の採用担当をしていて、研修を数多くやっていました。

その当時から、なぜだか人から相談を受けることがすごく多くて、「自分を活かせるのはこれだ」ってなんとなく思っていたんですよね。人のモチベーションを上げることがすごく楽しくて。それが、いまの仕事の形にもつながっています。

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久住 薫(くすみ・かおる)パーソナルデザイナー
1987年、新潟県生まれ。2007年、大手カーディーラーに新卒入社。営業部に勤務し優秀営業スタッフ賞を3年連続で受賞。2012年より6年間、採用・研修・企画担当に従事。2018年にライフコーチに出会い、ライフコーチ養成スクール「ライフコーチワールド」にて認定資格を取得。2019年5月、独立しライフコーチとして活動を開始。現在(2020年6月)は、パーソナルデザイナーとして活動する。

完全に採用担当者の枠を越えたような相談が多くて、大半は人間関係の話でした。みんな誰にも言えない悩みを私に話してくれて。

それも、過去に私が採用に関わった人たちが相談に来るならまだわかるのですが、担当していない人や、私が担当になる前に入社している人、さらにはうちの面接で落ちた人までが、私に相談しに来ていたんです。

——担当していない人からも相談を受けていたと......。

カオルさん:私自身もびっくりしましたね。その中でも、本当に嬉しかったなって思うエピソードがあって。

ある合同説明会で、内定が決まらなくてすごく困っていた学生がいたんです。

私は採用担当として説明会に登壇する立場で行っていたんですけど、その子が私の目の前に座っていたんですよね。そこで「就活大丈夫ー?」って聞いたら「全然決まらなくて...」ってすごく不安そうな顔をしていたので、「どうやって進めてるの?」って質問しながら話を聞いていたんです。

聞けば、その子は親御さんから「銀行を受けろ」とか「あの企業を受けろ」と堅実そうに見えるところを受けるように言われていたらしくて。友達もそういうところを受けるから、それが正しいと思って動いていたんです。

だけど、“本人”はまったく気持ちが乗っていないんです。要するに、流されて就活していたから全部落ちていた。その子は完全に自信がなくなっていました。

でも、聞けばその子はインテリアが好きで、本当は自分でやりたいことがあるのに気づかずにいただけだったんです。

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だから、「やりたいことと違ったなら落ちて良かったんじゃない?」って問いかけていったんです。思えば、私はすでにそのときからコーチングっぽいことをしていたんですよね。

その子は誰にも話せなかったことをようやく人に話せたみたいで、目の前で号泣しちゃって。結局、うちの会社は向いていないと思ったので、合同説明会にブースを出していた別の会社を勧めて、そこに行かせました(笑)。

——他社を勧める採用担当者は聞いたことないですね......。

カオルさん:そうですよね。だから、よく「採用担当っぽくない採用担当です!」って言ってました(笑)。

あきらかに、うちの会社は受けないのに、私に相談しにくる学生とかもいたんです。でもそれが楽しかった。私は人の話を聞けるし、人も私に話しやすいんだとわかりました。

みんなの心の奥にある“ここだけの話”を毎日のように聞いていたことが、私の自信になっていたんです。

「普通こうでしょ」なんて言えるほど世界は狭くない

——お話を伺っていると、薫さんは本当にフラットでオープンなので、多くの人が相談したくなる気持ちがわかります。どうしてそこまでオープンになれるのでしょう?

カオルさん:どうしてだろう......。たぶん、自分のことを人に隠す必要がないって思っているからだと思います。だからみんなも普段は人に言わない話を私にしてくれるのかなって。

あとは、その人にしかない部分を大切にしているのはありますね。「普通こうでしょ」とか「それはない」とか、相手を否定するようなことは、ほとんど言いません

それは、私自身が散々言われてきて嫌だったことだからです。

周囲の人に「普通はこうでしょ?」とか「だいたいこうでしょ?」って言われることが本当に嫌で、今でもそういう話をされると泣くほど嫌です。本当にそういう世界が嫌で。

簡単に型にはめられるほど、世界は狭くない。そんな世界を変えるために私はいるって思ってます。だから、私ひとりが関わることで、ある人がそんな縛りから抜け出せたらいいじゃんって。

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▲カンボジアを訪れた際に現地の子どもたちと。

「普通こうでしょ?」って言われたら、なんとなく「いやだなあ」って思ってもみんな我慢して、やるじゃないですか。でも私は「嫌だ」って思ったことは絶対にやらないんですよ。

でも、嫌だと思ったことをやらない分、すごくエネルギーを使ったり、たくさん傷ついたりもしたと思います。

そのときに、「それでいいんだよ」って言ってくれる人がいたら、どんなに助かったことか。

ライフコーチっていう仕事を通せば、私が欲していた安心感を人に提供できるんじゃないかって思いました。それが仕事にできればいいなって。

だから、ライフコーチのスキルを使いつつも、「パーソナルデザイナー」という肩書きで私を活かした仕事をしているんです。

肩書きで生きない

——やっていることがライフコーチに近く、社会的にも認識されやすいから名刺代わりにしてきたという感じなんですね。

カオルさん:そうです。「ライフコーチ」になりたくてなったわけじゃなくて、ちょっと失礼かもしれませんが、私がやりたいと思っていたことが、“偶然にもライフコーチに近かった”というだけです。

私は「ライフコーチ」としてではなく、「久住薫」として、私の特性を提供していきたいんです。

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ライフコーチもする、イベントもする、料理もする、美肌でいる、運動もする。それらの要素をすべて合わせて「久住薫」として認知してもらいたい。

今年(2020年)それに気づいて、私のしたいことは「ライフコーチ」という枠には収まらないと思ったんですよね。

——すでに世にある肩書きで生きるのではなく、「何をするか」が生き方の指標になっているんですね。

カオルさん:そういうことですね。実際に私は肌の相談や食事の相談もすごくたくさん受けています。採用担当時代の話を聞きたいとか、プレゼンを見てほしいとか、自信を持って話すにはとか、ライフスタイルの相談とか。

自分軸で生きてきたことで、とにかくありがたいことに「カオルさんのアドバイスが欲しい」「経験を知りたい」と言われることが本当に増えました。

そうなってきた時に、「ライフコーチ」っていう名前だけで生きていると、自分も動きづらいし、相談してもらえたはずのこともされなくなるんじゃないかなって。

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だからベースはライフコーチングでも、その人が私に求めることに対して思いっきり答えられるように「パーソナルデザイナー」という肩書きにしようと思ったんです。

そういう生き方の方が、自分をフル活用できるじゃないですか。せっかく久住薫なんだから、久住薫をフル活用したい

そんなふうに思って、私はいまの仕事をしています。

自分が一番ぶっ飛んでいたほうがいい

——どうしたら、カオルさんのように自分の芯を持ちつつも、人の気持ちに寄り添えるようになるのでしょう?

カオルさん:そんなふうに言われると恐縮ですが、強いて言えば、“心の制限を外す”ことが大事だと思います。

たぶん、私は相手に気持ちを解放させやすい雰囲気があるのかなとは思っていて。多くのコーチは相談者の方に「胸襟を開いて、気兼ねなく話して」って言うんですけど、相談者から胸襟を開くなんて、なかなかできるものじゃないじゃないですか。

だから、まず生き方として、私が一番ぶっ飛んでいたほうがいいと思っていて。そのほうが相手はすごく楽だなって思うんですよね。

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やっぱりビジネス書とかノウハウ本とか、多くの人が自分の“外側に”目を向けてしまっているものです。自分と向き合っていたつもりでも、気付くと外にいってるじゃないですか。

そこに自覚的になれるのがセッションだと思うんです。

人は自分ひとりでは気づけないことだらけなんです。だって本人はやってるつもりなんだから。

そこを破るためには、まず私が胸襟を開いていないと本音でさらけ出して話せない。私が気持ちに制限を掛けていると、相談してくれた人にも制限を掛けちゃいます。

一番初めに殻を破っていくことが実は人の助けになるんです。

「久住薫が生きればそれが仕事になる」

——率先して殻を破っていくことをセッションの中でも意識しているんですね。

カオルさん:はい。だから私は「ガツガツ仕事をしない」ようにしていて。

私はTwitterやInstagramもやってるんですけど、SNSを見ていると、いまの時代って「効率効率ー!」「動け動け―!」って、朝から晩まで一秒たりとも無駄にしない生き方が正しいとされる風潮があるじゃないですか。

そんな効率主義とは真逆をいく生活をしています。

私が、朝から晩までセッションで忙しく過ごしている様子とか、キレイな写真ばかりあげて完璧に見えるような生活を発信しすぎてしまうと、相談者さんがそれを見たときに、わずかでも「それが正解なのかな」「それを目指さないといけないのかな」って思っちゃうかもしれないじゃないですか。

だからちゃんと仕事もしている中でも、あまりそこは見せすぎず、ゴロゴロしたり、本読んだり、運動もしたり、旅したりして「ちゃんと仕事しているの?」って心配されるくらい暇そうに見せるようにしてるんです。

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というか、実際にそういう生活をしています。だから「仕事で忙しい」っていうことがまったくない

それくらい常に余裕のある姿で生きていくことで、クライアントさんが自分のペースを崩さずに相談できて、人と比べない生活ができるんじゃないかと思っていて。

——なるほど。でもそれって難しくないですか?

カオルさん:全然難しくないですよ。

「見えないところで苦しんでるからできるんじゃないの?」って思われるかもしれませんが、それこそ、「自分の強み」を理解したから無理なく余裕を持って、そんな生活スタイルができるようになったんです。

強みを活かすと、そんな生き方が誰でもできます。おかげで、ある意味すごく効率がいいとも言えますね(笑)。

実際、私は仕事も十分にしているし、だけど苦しい働き方はまったくしていません。

今の仕事は私にとって「頑張る」ことじゃなくて、久住薫が生きていると、これが仕事になるっていう感覚です。

相談してくれる方も、クライアントさんっていうよりは「仲間」っていう感じ。だから“頑張る”感覚は全然ないし、努力とも違う。

それくらい好きなことで、私のすべての仕事は私の自然な所作なんです。

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「久住薫が生きていると、これが仕事になる」

この言葉を聞いた時、この人は本当に人生を達観して生きているんだと思えました。誰もが言えることではないと思います。

なかなか他人には言えないような、人知れず抱える悩みは尽きないもの。

「本当にしたい生き方ができていない」

「もっと人に心を開ける自分になりたい」

「進むべき道を見つけたい」

心の奥に抱えた悩みを晴らしたい人は、一度、久住薫さんに相談してみてはどうでしょうか。

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ライター 金藤 良秀(かねふじ よしひで)

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