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思索メモ #08 受け手の疑問を想像する

マーケティングなんかを勉強すると必ず出てくる6W2H。

When(いつ) Where(どこで) Who(だれが) Whom(だれに) What(なにを) Why(なぜ) How(どのように) How much(いくらで)

これは文章のチェックにも役に立つのでよく使っている。一文一文のチェックでも使えるし、記事全体の方向性チェックにも有効。

特に「Why(なぜ)」を他の「W」に結び付けて考えるのが重要。


たとえば、あまり慣れ親しんでいない人からこんなメールが届いたらどう思うか。

今度、でかけよう。


親しい仲なら良いかもしれないが、「何をしにいくの?」「急にどうしたんだろう?」と考えてしまうと思う。ちょっと怖い。

でも、これならどうだろう。

今度、映画を見に行かない?


「相手は映画が見たいのだな」と目的が伝わる。

だけど、さほど仲が良いわけでもなければ、 “どうして” 自分を誘ってきたのか、とまた考えてしまう。疑問や不審を抱かれてしまう。相手のWhyを想像していない。

それが、次のような文面ならどうだろう。

このまえ、僕と同じでミュージカル映画が好きだって言ってたよね。先週、新しい映画が公開になったから、今度一緒に行かない?


なんだかデートのお誘いみたいになってしまったけど、「なぜ “この人が” “私を” 誘ってきたのか、なぜ “今” なのか、“どこで” “何が” したいのか、“どのくらい” の時間やお金がかかるのか」、このあたりの情報がおさえられて、疑問や不審さが払拭された文章になったのではないかと思う。

理解できたことを言葉にするとこんな感じ。

「この人は私と趣味が一緒で、私の言葉を覚えていたから新作公開のタイミングで映画に誘ったんだな。まあ映画に行って、ついでにご飯に行く程度かな?」といった具合に、疑問に思っていた情報が伝わる。

最初の例「今度、でかけよう」のように、理由のわからない言葉は疑問だけでなく時に恐怖を与えるもの。

文章をわかりやすくするには、受け手の疑問を想像して書くこと。そのわかりやすさを点検するための1つの手段として6W2Hが有効。わかりやすい文章が書ければ一発で相手に意図が伝わるし、やり取りも少なくて済む。


記事やメールなどを書いていて、「うーん、何が言いたいのかわかりづらくなってるな......」と思ったら、受け手の “疑問” を想像しながら、6W2Hに当てはめて考えてみるのがおすすめ。


マーケティングの知識は幅広く使えるので大事にしています。今回の話も、記事やメールだけでなく、企画やシナリオ、コンセプト設計などでも広く活かせるのではないでしょうか。

この記事も読者の疑問が少ない文章になっていればいいのだけど。



ライター 金藤良秀(かねふじ よしひで)


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