【映画批評】#46「ビーキーパー」 ステイサムはステイサムであれ!!!
ジェイソン・ステイサムと「スーサイド・スクワッド」のデビッド・エアー監督がタッグを組んだリベンジアクション「ビーキーパー」を徹底批評!
記念すべき新年一発目の映画は最高に景気の良い痛快娯楽作。
ジェイソン・ステイサムが範馬勇次郎ばりの一人国家戦闘力と真っ当すぎる大義を引っ提げ、国も最強民間人も問答無用になぎ倒す!超面白い!!!
鑑賞メモ
タイトル
ビーキーパー(105分)
鑑賞日
1月3日(金)11:10
映画館
なんばパークスシネマ(なんば)
鑑賞料金
1,400円(購入特典クーポン)
事前準備
特になし
体調
すこぶる良し
点数(100点満点)& X短評
85点
あらすじ
ネタバレあり感想&考察
ステイサムがステイサムする
そのインフレを止めるな!
最高!!!
年明け一発目に見る映画としては最高としかいいようのない気持ちよさ。景気がいい!こういう映画を年末年始に観るというのを恒例にしたい。
痛快であればそれでいい、という痛快さ。
良くできているし、あんまり言うことがない映画だ。笑
正直細かいところはちゃんと覚えてないんだけど、ビーキーパーという国家とはまた別の秘密組織の特殊部隊出身、そこを引退して本当にビーキーパー(養蜂家)として生きている理由もよくわからなくて好き。
人里離れた場所でカタギのフリをするにはもってこいとはいえ、本当に養蜂家である意味は全く感じない。そういうところが良い!
ミツバチ自体の特性が本作の根底に通ずる意味性を孕んでいるのも面白い。そこは単なる勧善懲悪痛快アクションとは一線を画す。
以下、Google AI が教えてくれたミツバチの特性だ。
なんでアンタがそんなことすんのよ!?とかそんな野暮な疑問なぞお構いなし!社会に根付きマジメに生きる人間たちを守るべき群れの仲間として捉え、そのために動くというシンプルかつ真っ当な動機が素晴らしい。最初「Mr.ノーバディ」っぽい話かなと思っていたが、あれは自分のためがほとんどだったから全然違う。
特殊部隊を抜けてからなかなか定職にありつけなかったステイサム。そもそも一般社会という群れに加わることすら難しかった。そんな彼に手を差し伸べてくれた善良な隣人、エロイーズの無念を晴らすために国家や巨大組織が相手だろうと問答無用、身一つで報復する。かなり無理のある設定だが、すんなり受け入れられたのはやっぱりステイサムだからであり、重要な大義を背負っていたからだろう。
毎年ステイサムが大立ち回りする映画を1本観れたら嬉しい。
そんな気持ちにさせてくれる良作。
単純明快×大義があるから痛快がインフレ
中身スカスカの巨悪もナイス!
アクションは観れば楽しいので、特に語る必要はない。
最後の実質ラスボスの大男が良かった。アイツも市井の真っ当な職業人であり、気の毒な存在だ。
本作の不条理は全て、青年実業家もとい特殊詐欺集団のボス、デレクに起因する。
大統領のドラ息子というトンデモ設定ながら、ほとんど国家総動員でこんなカスでも守らなければならないという悲しさが背景にある。多くのFBIやSPが仕事として体を張るわけだけど、守るべき対象の内実が本当に空虚であることを観客とステイサムだけがわかる仕組み。詐欺集団の連中は有無を言わさず殺ってしまうが、それ以外はとどめを刺さない良識がステイサムにはある。
蓮舫など比べ物にならないぐらいの的確な仕分けっぷりで頭が下がる思いだ。今までも倒すべき相手はしっかり分けるタイプの主人公はたくさんあったと思うが、ここまで明確なのは初めてかもしれない。とはいえ、マジメに懸命に生きる市民を群れの仲間として守る、という大義があるからこの不自然さも気にならない。
最終的にこのバカ息子のお守りをしていた元CIAのおじいと大統領は仕留めていない。直接的な加害者でないだけでなく、特に大統領に関しては息子が犯した罪を認め、世に説明しようとする姿勢が見られた。
ステイサムはそのシーンを見ていないはずだが、大統領には危害を加えずにその場を去った。こういうところもおそらく調査済みで、真っ当な人間には手を出さない姿勢を崩さないあたりも気持ちよさを増した。
映画のメッセージも主人公も本質はクリーンさを保っており、そこが観客をアツくさせる要素なのだと思う。
それもこれも不条理さを増す一方の現実世界があってこその痛快さなのは言うまでもない。本当にこんなヒーローがいればなぁと思ってしまう。
まとめ
2025年1本目は見事な良作映画でした。
バイデンが息子のために恩赦を出した直後という、すごく良いタイミングでの公開なのも面白いですね。それに拍車をかけるようにUSスチールの買収阻止など、やりたい放題でマジでブチギレしてます。そらトランプに負けて当然だわ、と。
アメリカという国は良くも悪くも本当に身勝手です。
これは共和党だろうが民主党だろうが、あまり関係ないです。
平気で国民や外国に負担を強いて当たり前だと思っている節があります。
だからこそ、本作の大統領の描写は意外性がありました。
最後の最後に追い詰められての良心が、本作から託された希望のように映りました。実はそこが一番好きなポイントかもしれません。
最後に
ロマンティック2025、スタートです!!!
ありがとうステイサム!