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【映画批評】#51「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」 ラストに提示される"戦う理由"が大事!
黒社会が覇権を争う九龍城砦で男たちが繰り広げる死闘を描き、香港で大ヒットを記録したアクション映画「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」を徹底批評!
まさしく九龍城砦の取り壊し前のトワイライト=暮れを、向こう見ずの男たちが壮絶アクションバトルでハデにブチあげるスーパーエンタメ作品。今年ベストといった感想が大挙するのも納得!
鑑賞メモ
タイトル
トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦(125分)
鑑賞日
1月22日(水)18:40
映画館
T・ジョイ梅田(梅田)
鑑賞料金
1,300円(水曜サービスデー)
事前準備
特になし
体調
すこぶる良し
点数(100点満点)& X短評
90点
#トワイライト・ウォリアーズ
— 近鉄太郎 (@egoma_senbei) January 24, 2025
マーベラス!素晴らしい!
香港のならず者たちの抗争を元にド派手アクションとデタラメなキャラと演出で観客の気持ちを乗せに乗せてゴリゴリ進めていくが、一番デタラメな九龍城砦という舞台の再現度に驚嘆。
ラストに示される彼らが戦う理由の提示が涙を誘う。傑作! pic.twitter.com/m2n25Ry3TA
あらすじ
九龍城砦(きゅうりゅうじょうさい)――かつて無数の黒社会が野望を燃やし、覇権を争っていた。
80年代、香港へ密入国した若者、陳洛軍(チャン・ロッグワン)は、黒社会の掟に逆らったことで組織に追われ、運命に導かれるように九龍城砦へ逃げ込む。そこで住民たちに受け入れられ、絆を深めながら仲間と出会い、友情を育んでいく。やがて、九龍城砦を巻き込んだ争いが激化する中、陳洛軍たちはそれぞれの信念を胸に、命を懸けた最後の戦いに挑む――。
ネタバレあり感想&考察
香港本格アクションこそ最崇高!
九龍城砦の再現度もエグすぎ!
バカみたいに楽しいアクション映画!これこそ映画だ!最崇高だ!
正直言って、批評などない。観りゃいい。終わり!
まぁコイツの思いはさておいて…(猪木)
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筆者は香港映画はそんなに観ていない。
ただジョニー・トーの「ドラッグウォー毒戦」と「奪命金」が異常なぐらい好きだ。ちなみに前者は韓国でリメイク版「毒戦 BELIEVER」が製作された。もちろん、トー版の方が圧倒的に好きだが、こちらもかなり面白かった。
本作に出演しているルイス・クーは「ドラッグウォー毒戦」での熱演がスゴかった。生への異常なまでの執着を見事に表現していた。このルイス・クーも最高だ。この映画はアクションも潜入捜査サスペンスも良いが、渇いたガンアクションであっさりバタバタ倒れていくのがやけに良い。DVDで何度も観ているぐらい、好きな映画だ。(聾唖の兄弟のガンアクションシーンが1億回観ても飽きないぐらい最高なので、Youtubeリンク貼っときます!)
同じくリッチー・レンも「奪命金」の方に刑事役で出演していた。
金融危機時にマンションを購入しようとする妻がいるという役どころ。
10年以上前に観たので細かい部分は覚えていないが、カネに翻弄される者たちの群像劇としてド級の面白さがあった。ジョニー・トー作品にしてはアクションはほぼなかった記憶だが、強烈に印象に残っている。
あとは中国映画だと「薄氷の殺人」が好きなだけで、ほぼほぼ香港・中国アクション映画は通っていない。学生時にテレビ大阪でやってる「ポリスストーリー」を観てみよかレベルで軽く観ていた程度。
もうそろそろ本作の話に入るが、「もっと香港アクション観とけばよかった…泣」となるぐらいの傑作だった。公開館数少ないが観られる人は観といた方がいい。観れば、今年ベスト級と言われる理由がわかるはず。自分も楽しくて爆笑しながら鑑賞していた。
こりゃスゴイ!としか言いようがない。
話自体はならず者たちの縄張り争いだからシンプル。ただ舞台設定とキャラの強さや重力一切無視のアクション表現がデタラメすぎる。(これは予告編で結構みせてます)
しかし、本作の舞台となる九龍城塞は過去に実在した建物らしい。こんなワケわかんない建物が実在していたのが一番デタラメすぎて笑ってしまう。
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建築法など無視して、あらゆる民間人がある一帯に建てたいように各自増築していって縦にも伸び続け、手のつけようがなくなった異様な建物群。93年ごろに国によって取り壊されることになるが、詳しい成り立ちやその実態などは調べていただくとかなり面白いはず。住人たちが各自好き勝手しているので、電線はくちゃくちゃで引きたい放題、フロアなどの概念はなく高さがバラバラで意味なく大小の段差がある。こんなめちゃくちゃな建物群なのになぜか、崩壊することなく維持できていたらしい。本当に不思議な建物だったのだ。
この九龍城砦がデタラメアクションとなぜか相性がいい。香港という国家と呼ぶべきかわからない特別行政区という立ち位置にも意味がある。こういうところが良かった、とかいちいち挙げてられないほど、熱のこもったアクションの連続。ロッグワンという一人の難民であり、異分子が過去の因縁を越えて住民に受け入れられ、仲間となっていく友情物語も美しい。実質、九龍城側の大師匠にあたるルイス・クーがまさかの中盤で撤退。これにはビックリした。もはや、やや若め理容師の松平健にしか見えない風貌で、手に職を持ちながら九龍城の治安も同時に維持する男の責任を少ない言葉と行動で示す。
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それは敵側のサモ・ハン・キンポーもそうだ。
これは何となく示唆されてはいたものの、ルイス・クーとサモ・ハンなしでクライマックスに突入するのだから大丈夫か?とは思いつつも、序盤も序盤でロッグワンを中心とした一大アクションシーンを観ている観客は安心してラストを迎えられる。
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そして今回は敵側の王九(ウォンガウ)がハンパない強さのデタラメキャラで観ていて気持ちがいい。本作を観たX民が「硬直!硬直!」と騒いでいる理由がわかるはずだ。吉川晃司の「モニカ」歌うシーンとかバカすぎてサイコー!カラオケテロップまでつけてマジにバカバカしい!ホンマに好き!こういうのを映画館で観るっていいなと思う。
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とにかく、典型的な「オモロイから気にせず観に行きゃいい」だけの映画。言うことなし!いきなり荻野目洋子の「ダンシングヒーロー」が流れるのもいい。昔の日本、勢いあったんだなぁと思います。笑
男たちが戦い守りたかったものを示す
祭りのあとが味わい深くて泣ける
批評というより映画紹介に徹したくなる映画=良い映画ということですな。
ただ一つ振り返りたいところがあるとすれば、ラストの描写。壮絶な戦いを終えてエンドロール前に映し出される映像がこの物語の本質だと示される。
そこでは九龍城で暮らす市井の人々の仕事・生活・何てことはない暮らしの風景の連続をエモい曲と共に映し出す。ただ単なる反グレ同士の抗争ではないことがここで開示される。
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たしかに作中でも十分伝わると言えば伝わるが、九龍城側の男たちが守りたかったものがこの暮らしそのものだったのだ。そこに「たとえ極めて近い将来、取り壊されるのがわかっていたとしても」がダメ押しされる。
こんなにわかりやすいシーンで泣くのはひねくれ者の自分としては不覚中の不覚であった。この"祭りのあと"シーンが味わい深くてイイのだ。壮絶で楽しいアクションの先にある、各人のトワイライト=暮れを感じさせる素晴らしい演出だった。
まとめ
しつこいようですが、何も言うことなしのエンタメ作品です。
公開館数少なすぎますって!!もっと動員して本作の輪を拡げましょう!!
自分もそのうちYouTubeでもやろうかなと考えてはいますが、顔出しはしないつもりなので、もし変装するとしたら8の字型のマーブルチョコを使いたいと思います!笑
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最後に
人生の諸問題って一気に降りかかってきますね。泣
今日は疲れたので、良く寝ることにします。