陰陽道閑話~【番外編】 安倍晴明 (7)-2 [最終回]その2
もういい加減に終わらなければならない「陰陽道閑話」番外編の「安倍晴明」特集。足掛け3年目という過去に例を見ない大長編になってしまっており、読者の皆様には誠に申し訳ありません。
ただ、「安倍晴明」という人物を見ていく際、晴明ひとりだけの人生を見ても彼の存在意義、何故に突出した存在となったかを考えるのは難しいなぁ、と思うのです。
安倍晴明という人物を見るには、彼の活躍した平安時代中期における陰陽道の実情や、それに従事する陰陽師がそういった状況下に置かれていたかを押さえなければ、晴明という人物の行動の真意や、何故「安倍晴明」という人物が現在にまで語り継がれる”伝説の陰陽師”となったかを探る事が出来ない…一応、平安中期陰陽道を専門分野として長年研究してきた当方として、これだけは断言してもいいと思います。
これまで晴明の個人的な行動やプロフィールやディスコグラフよりも、晴明の活動した平安中期の陰陽道と陰陽師の実情が内容の中心となっていますが、要は「そういう視点」から安倍晴明を概観していかないと、彼ほどイメージばかりが突出して実像が見えない陰陽師はいないと思っているからなのです(賀茂保憲もそうかもしれないが、まだ保憲のほうが行動がハッキリしていると思います)。
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