「『万葉歌』味変・落語風味」
「鰻は滋養に好いらしいですよ?
貴方(「あぁた」)なんざ大層お痩せでいらっしゃるから、
夏痩せで、この上に目方が減って無くなっちまわないに、是非とも召し上がったがよろしい」
「いやいや、いくら痩せ返ってたって、これでもちゃあんと生きてますからね。
大体貴方、滋養に鰻…なんぞと言って、鰻を捕ろうと川に嵌って溺れでもしたらどうします?
そんな苦労までして鰻を喰らうよりは、あたしゃこのまんまで充分結構ですよ」
歌二首の流れを見た時に、
何となくですが
やや「『いぢわるぢいさん』タイプのご隠居さん(たまに棲息する「因業大家」風) × 二人」の会話が思い浮かんだもので。
(少々以上に皮肉混じりの部分が特に。
ちなみに、元の歌二首は、両方とも大伴家持の作とされています)
「京都人」でなくても、
「いにしへの大宮人」とは、元来「イケズ」なものなのだな…と。
まあ、「体型イジり」は、元来あんまり趣味の良いもんじゃありませんしね…。
「石麻呂に我れ物申す夏痩せによしといふものぞ鰻捕り食せ 」
(出典:https://manyoshu-japan.com/9725/)
「痩す痩すも生けらばあらむをはたやはた鰻を捕ると川に流るな」
(https://manyoshu-japan.com/9724/)
(『万葉集』第16巻 3853・3854番歌 大伴家持「嗤咲痩人歌二首」)
文末までお読み下さいまして、有り難う存じます。
m(_ _)m