持続可能な学び方を求めて
昨日、23日(土)は学校公開日でした。
そして、午後は今年度始めの校内研究全体会がありました。
今年度も研究主任を仰遣うこととなり、プロジェクト型学習を取り入れた研究にしていこうとスタートしています。
管理職からは、『持続可能な社会の担い手を育てる』という大きなテーマを昨年度の12月あたりからお聞きしていました。
確かに今、流行り出している(ただ『流行り』に終わってしまってはダメなのだが)SDGsもあるわけだから、時代の流れの中での研究なのかな〜とも感じてしまってはいました。
でも、私は『ただESD的な』、『ただSDGs的な』パフォーマンスの研究にはしたくはありませんでした。
子どもが募金活動していればSDGsみたいな、そういうのは絶対にダメだなと。
一旦、ESDとかSDGsとかを置いておいて、私の中で『持続可能な社会の担い手の育成』に学校はどれだけのことができるのかと、狭く硬い頭で考えてきました。
そんな中絞り出せたのが、次のことでした。
①まず教師集団が子どもたちの『持続可能な学び方』の道を示してあげたり、伴走してあげたり、設計してあげたりできることが大切なのではないか。
②学校生活の中で、そこに向き合える教科領域は「生活科・総合的な学習」がよいのではないか。
③自分自身も関心のある“プロジェクト型学習”を取り入れることで、これまで教科指導と同等に扱われ計画され、とりあえず体験させておこう的にされてきた総合的な学習が見直されるのではないか。
そんなようなことを考えて、スタートをしました。
しかし、
「今年の研究は何がしたいんだ!?」
「総合は〇〇をやらなければいけないのに」
「年間指導計画に則っていかないと」
「子どもの願いや思いも大事だけど、やらなければいけないことがあるわけだから」
などなど、胸が苦しくなる声もいくつか聞こえてきました。
どことなく、「総合」を研究し切ったような言い回しで、指摘してくる職員もいました。
ちょっと話がはずれますが、教員の多くは、本当に学びが浅いなぁと感じてしまうことがあります。
私自身も、全然学べていない方ですが、そんな私が感じてしまうほど、学びの浅い教員が実は多いのが現状です。
いくらでも愚痴は出るけど、教育の本質的な話は一向に出ないといった状況です。
多くの教員が、自分が歩んできた様々な学校での『経験』がいつしか『学び』へと誤変換されてしまっているのではないかと、最近痛感しています。
その経験してきた学校のやり方が『普通』だから、『正解』みたいな、すぐに正解を求める多くの教員の悪い癖が出てきてしまっているのです。
そういった現状も踏まえ、やはり教員の学び直しへの必要感も痛烈に感じてきています。
そんなこんなあったこともあり、正直なところ、私の信じてやろうとしていることは、現状の学校現場には邪魔なのかな。混乱させてしまうのかな。
そんな思いが湧き、自信をなくし始めていました。
でも、うちの学校は子どもたちの学びについて熱意を込め、真剣に学び続けている、主に若い職員たちの存在の力を信じて、昨日の研究全体会を迎えました。
講師は、軽井沢風越学園の村上聡恵さんです。
村上さんには、新年度の研究推進部の打ち合わせにもオンラインで入っていただき、一職員のような存在で関わってくださっています。
村上さんからは、プロジェクト型学習の概要、風越学園におけるプロジェクト型学習について(実践例も含めて)、プロジェクト設計についてお話いただきました。
パワーポイントでのとても分かりやすい資料とお話、さらに詳細に実践のご説明もしていただきました。
私たち職員がこれから動き出すにあたって、たくさんのヒントが散りばめられたお話でした。
研究会が終わると、校長室に村上さんを囲んで私を含め7人の職員が「もっと話を聞きたい!」と集まりました。
それはそれは充実した時間でした。
「こういう時間、本当に俺らにはないよな〜。こういう時間が“教師”という仕事には必要なのに・・・」と感じるほど、有意義な時間でした。
集まってくれた同僚を見て、
「プロジェクト型学習を取り入れた研究、始めてよかった。」と、感動していました。
職員の「もっと子どもが楽しく、前のめりになれることってなんだ?」といった声に期待をかけた甲斐があるかもしれないと、ちょっと元気をなくしていた私にエネルギーを湧かせてくれました。
うちの学校の職員たちは、本当に素晴らしいな。尊敬するな。
そんな思いになる、また、それを確認できる時間でした。
ただこれからが大切です。
お世話になる村上さんや6月からご指導にいらっしゃる成田喜一郎先生のお力もお借りし、よりよい研究を進めていこうと思っています。