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連絡帳にメモさせるのは時間の無駄です。たぶん。

「Googleサイト」はご存じでしょうか。簡単に説明すると、自由にWebサイトを作ることができるGoogleのアプリケーションです。Googleを導入している自治体の先生は絶対に使うべきと考えています。
今回はGoogleサイトを学級経営に持ち込むことで起こった私のクラスの変化についてお話ししようと思います。


「連絡帳にメモする時間」いらなくない?

クラスサイトを立ち上げようと思った最初のきっかけはこれです。皆さんの学校にもあるのではないでしょうか。お昼休みや帰りの会の時間に連絡帳に「宿題」や「明日の時間割」を子ども達に書かせるあの時間です。私は以前からこの時間に大変なストレスを抱えていました。
私の学校は、給食の時間➡︎お昼休み(15分)➡︎掃除の時間という流れでお昼の時間が進むのですが、この「お昼休み」の時間に明日の連絡を連絡帳にメモすることになっています。下校時刻が早いため、帰りの会で書かせることはできないのです。様々な特性を持つ子どもたち「全員」に確実に連絡をメモさせるのは至難の業でした。書くのがゆっくりな子もいますし、支援が必要な子もいます。しかし掃除の時間は迫ってくるため、お昼休みなどと言うものはないに等しい状態でした。プリントを渡すという手もありますが、これはこれでなかなかの負担です。
この状況をなんとかできないかと思っていたところ、ようやくタブレット持ち帰りの許可が出たのです。情報を一括管理できるタブレットというツールを毎日持ち帰れるのです。

「じゃあ、あの“メモ”する時間…消せるんじゃないか?」

連絡なんて帰って家でゆっくり確認できる

「連絡帳にメモをする」の目的を考えてみます。
私が昼休みに行っていた連絡帳のメモは「宿題の連絡」が主でしたので、ここでは「宿題を忘れずやってくる」ためという目的を設定してみます。
私の反省点でもあるのですが、「宿題を忘れずやってくる」という目的が達せられるならば、極端な話メモをしなくても良いわけです。大切なのは目的を達することであって、「メモをすること」ではないからです。そう考えるようになってから、「メモの時間無駄だなぁ」と考えるようになってきたのだと思います。
メモの時間さえなくなれば、あの慌ただしいメモの時間が丸ごとフリーになるので、何とかして無くせないかと考えました。

タブレットの持ち帰りが開始された時、「子どもたちが家で連絡を確認できる!」と胸がワクワクしたのを覚えています。私自身以前にGoogle教育者認定資格(レベル2)を取得していたこともあり、Googleサイトを使って何かしたいという思いは常に持っていました。

教員が朝のうちに今日の連絡を設定し、あとはそれを家で子どもが確認する。

このシステムを作ろうと考えました。
以下、具体的な手順です。

クラスサイトの作り方(基本編)

完成イメージ

はじめに~クラスサイトはクラスの成長とともに大きくなる~

完成イメージは、クラスのトップページ「だけ」のサイトです。トップページ「だけ」です。はじめからたくさんの機能は必要ありません。
クラスサイトはいきなり完成形を目指さないほうがいいと思います。クラスの成長と共に、クラスサイトも大きく成長していく…そんなイメージで作っていくと良いと思います。

「タイトル」と「学級目標」を載せよう

まずはChromeの右上の点々からGoogleサイトを選択します。
見当たらない場合は「その他のソリューション」から見つけ出せるはずです。

右上に9つの点々があります。
「その他のソリューション」にもあります。

Googleサイトが開いたら、「空白」を選択します。

「空白」をクリックします。

「クラス」というテンプレートがありますが個人的にはお勧めしません。「ゼロ」から作っていく方が愛着があるという理由もありますが、単純に自分と子どもが使いやすいサイトにするために、はじめはシンプルなサイトのほうが良いというのが大きな理由です。

はじめにクラスサイトの「タイトル」を付けましょう。
「◯年◯組」でも良いでしょうし、学級通信のタイトルを付けても良いでしょう。

左上にもしっかり名前を書いておくと後々便利です。

次に、学級目標を載せましょう。
子ども達は毎日のようにクラスサイトのトップページを見ることになります。そのページに自分たちのクラスの目標があり、それを目にするということは結構大切じゃないかなと思っています。
右にある「テキストボックス」をクリックして、学級目標を打ち込みます。

テキストボックスを挿入後、マウスカーソルを合わせるとパレットマークが出てきます。
そこからちょっとおしゃれな変更もできますよ。

あとは、トップページの写真をクラスの集合写真にしても良いでしょうし、担任からのメッセージを載せるのも良いでしょう。皆さんのクラスのカラーに合ったデザインにしてみてください。

画像を変更し、「テーマ」を「レベル」の「青色」に変更してみました。
どうせならおしゃれな見た目にしておきたいですね。

「連絡事項」を埋め込もう

さて、次はいよいよ宿題などの「連絡事項」を埋め込んでいきます。
学級目標のようにサイトに直接書き込むこともできるのですが、これはお勧めしません。理由は単純に「面倒」で「見にくい」からです。クラスサイトに文字を打ってもサイトは自動で更新されることはないため、毎回右上の「公開」ボタンを押さなければなりません。小さなストレスです。そしてこの小さなストレスから、「クラスサイトは面倒だからやめよう…」となっていきます。

毎回「公開」ボタンを押すのは面倒…。

そこで、「Googleスライド」を使用します。Googleスライドをはじめ、多くのGoogleアプリには自動保存の機能が付いています。このGoogleスライドをGoogleサイトに埋め込むことができれば、連絡事項を自動保存できるトップページの完成です。

Googleスライドも右上の点々から開けます。

まずは、Googleスライドで連絡事項のスライドを作ります。
「1ページ」で作ると良いです。
「宿題連絡」の1ページのスライドと、「明日の連絡」の1ページのスライドの2種類を作ってみましょう。

宿題のスライドです。
連絡のスライドです。当然カラーなので赤字で強調もラクラク。

続いて、GoogleスライドをGoogleサイトに埋め込みます。
Googleサイトの「挿入」タブから「ドライブ」を選択します。

「ドライブ」をクリック。

右側に先ほど作成したGoogleスライドのデータが出てくるので、クリックして挿入します。(もし出てこない場合はドライブ内を検索して下さい)

ダブルクリックで挿入できます。

2つのスライドを挿入し、位置と大きさを調節して見やすくすれば、完成です。

完成!横に2つ並べると見やすくていいですね。

「プレビュー」を押すと、このサイトが公開された後どのように見えるかを確かめることができます。

「プレビュー」を押して、変なところがないか確かめておくと安心です。


クラスサイトを公開する

完成…と思いきやこのままではクラスサイトを子ども達が見ることはできません。「公開」する必要があります。ただし、公開するといっても全世界に向けて公開するわけではありません。「公開設定」をしてクラスのメンバーだけがアクセスできるようにします。

これです。

最初はアドレスを決めるよう求められるので、適当につけます。
私は単純に「yonennikumi」みたいに付けてます。
最後に「公開」を押せば完了です。

恥ずかしくないアドレスなら何でもOK。

児童にクラスサイトを見せる際には、GoogleクラスルームにURLを載せてアクセスさせます。いつでもすぐにアクセスできるよう、そのまま「お気に入り」登録させておくのがおすすめです。

私はこんな風にトップページを使っています

私は朝早めに出勤するので、出勤簿にハンコを押したらすぐに自分のChromebookを開いて、連絡事項のスライドを編集します。色々試しましたが、朝がベストでした。「あ!あの連絡忘れてた!」ということが後々起こりませんし、「明日の連絡のことを今日はもう考えなくていい」という安心感があります。(もちろん、急な連絡が入れば追加しますが)

このトップページをクラスに導入してから、お昼の時間がとても余裕のあるものになりました。時間があるので、掃除も丁寧になってきています。
今の学校に圧倒的に足りない「余裕」が、クラスサイトのおかげで作り出せたのです。

連絡帳メモは必要ない!家で確認できる!

「連絡帳メモは必要ない!家で確認できる!」が広がってほしいと思っています。
先生は「ちゃんとメモしなさい!」だったり、毎日ちゃんと書いているか確認するという業務から解放されます。”メモ指導”自体がありません。
子ども達は毎日毎日「漢字〇ページ、計算ドリル〇番…」とロボットのように同じ内容を連絡帳に書き続けるという苦行から解放されます。タブレットを開けば確認できます。
保護者の方は「なんでちゃんとメモしてこないの!」というお子さんのやり取りから解放されます。子どものタブレットで確認できます。

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