鼻声はお客さまとのコミュニケーション
私の仕事は、一般事務職。電話で、担当のお客様と毎日オーダーのやり取りをしている。最低30人は、毎日同じお客様とやり取りしている。
先日、風邪を引き、ごっつい鼻づまりの日々が一週間ほど続いた。
誰もが心配して、忙しい中でも声をかけていただけた。
「大丈夫?」
「満タンにつまっておりますわ!」
「花粉症?風邪?コロナ?」
「花粉と風邪とコロナのミックス菌ですわ。」
「ええ薬知りませんか?」
「はちみつなめとき~」
などなど、普段のオーダーのやり取り以外の会話で愛情パワーをもらえた。一番印象に残ったのは、いつもクールで不愛想な男性のお客様・M様とのやり取り。
私の声を聞くなり、
「ふふふふっ」
と、かすかな笑い声が受話器から聞こえてきた。
「すごいつまってますね。」
まさかM様が私の声で笑うとは、思いもよらなかった。
M様の反応に嬉しすぎて返答に困ってしまい、「そうなんです・・・」しか言えず、そのあとの会話はいつも通り淡々とした仕事の会話になってしまい勿体ないことをした気分になった。
電話を切った後も興奮はさめず、隣りにいた同僚に「M様に反応してもらえた!」と喜びを伝えて余韻に浸っていた。M様に恋心があるわけではないのに、普段聞けない笑い声に、私の心はめちゃくちゃ動揺してしまった。
お客様やM様との会話は、しんどかったけど休まず出社したご褒美みたいにどれもが聞こえた。淡々とした仕事の中でも、ひと声掛け合うコミュニティーが私は好きやから事務職続けてるんかな。
たまには鼻声も悪くないな。