【日記】移動の日 Day 22
今日からまた遠距離介護という名の住み込み家政婦がはじまった。
「遠距離」というからには遠いのであり、北海道から飛行機移動をする。もっと若い頃はなんの苦もなかったが、この頃は乗り物に乗って移動するだけで疲労がどっと押し寄せる。
どういうわけか飛行機は小さい子ども連れの家族が結構いた。話しているのを漏れ聞くとみんな日本人のご家族である。(北海道は観光地なのでけっこう頻繁に外国からご家族、時には一族郎党で旅行中、ってことがある)
なんなんだろう。観光シーズンはもう終わった頃なんだけど。帰省かな? でも帰省シーズンでもないよな。
とにかくたくさんのいとしげなちっちゃい人たちが、行儀良く絵本を見たり、おむつ替えを求めて泣いたり(多分)、旅疲れで風邪でも引いたのかぐずったり、大変にぎやかな機内だった。
ああ、思い出すなあ……
わたしたち夫婦は二人とも北海道外の出身なので、子どもが小さい頃は盆や正月に両方の実家(けっこう離れていて交通の便も悪い)をはしごしたりしたものだった。飛行機は大変だったし、飛行機以外も大変だったし、荷物は多いし(ミルクとかおむつとかおもちゃとか)、本当によくやっていたなあと思う。客室乗務員さんがあやしてくれるのはいいんだけど、本当はその子、もう寝たがって眠いんですけど……と悶々としたこともあった。今だったら乗務員さんに上手にそう言えばいいのに、言えるのに、って思う。
ところで今日、隣に座っていたのは年齢不明の女性だった。大きなマスクをして顔をこちらに向けないようにしているので本当にわからなかった。最初は年配の方かと思ったのだけれど、若い人なのかもしれない。
その人が、ずーっと手帳に何か書いているのである。
飛んでいる間ずーっと。
何を書いているのかは全然わからないのだけれど、とにかく必死で書き付けている、って感じ。なんだったんだろう。
ブログの準備か? noter? もしかして有名ブロガー?
あるいは作家で、構想メモの最中だったかもしれない。
それか、公表するのでなくても日記に命をかけてるのかもしれない。
もしかすると全然違っていて、帰ってからの仕事の手はずを整えるためのメモだったのかもしれない。
不思議でおもしろいなあ。
飛行機を降りてからは街の中を通るついでにちょっと買い物をした。そして初めてのお店に入ってごはんを食べた。ここに行こうと狙っていたのだ。
エリックサウスって有名チェーン店だと思っていたけど、調べたら東京と大阪と名古屋(と岐阜)にしかないんだ。そうかあ。北海道に来ていないだけで全国にあるのかと思っていた。
北海道にない有名店はたくさんある。例えば高島屋はないし(系列はあるかも)、IKEAもないし、Dean&Delugaもないし、成城石井もない(成城石井はローソンなどで一部製品を扱っていることも)。
Costcoはあるけれどあんまり行ったことがない。うち、家族がみんな小食だから。お友だちがいないと一緒に行ってあそこの大量の食料を分配することができないし。
そうだ、お友だちがいないんだよな、わたし。
ネットにはいろいろいるんだけど、身近にいないのよねー何でも言える親しい友人とか、一緒にコストコに行ける人が。
こういうところは、故郷を離れて何十年で、幼なじみとか学校の友人がみんな遠方に住んでると不利だな。あ、大人になってから友だちを作れば良いのだけれど、働いてて気の合う友だちを作るのってけっこう難しくないかな。
その時その時で親しく飲み会に行けるママ友はいたけれど、子どもが卒業して疎遠になるとママたちとも疎遠になってしまった。
そんなことをつらつら考え、電車を乗り換え、最後はバスに乗って実家に来た。老親は相変わらず、見た目は元気そうで身体はあちこちが大変である。
さあ、この金曜も土曜も病院通いの運転手だ。