ホームホスピスで夜を過ごした
晩年をここで暮らし彼女と出会えた人達は幸せだったろうなと思った夜
17年ぶりの夜勤
寝ないと夜って長いものだな
こうして夜を守ってくれてる介護職がいるんだって改めて
お陰様
呼吸機も気切も胃瘻の人も
看るのは介護さん
寝息と痰の音に耳をすませながら
掃除や経管栄養の準備をこなす
長い夜
お年寄り大好きの30歳女子
吸引とか介護技術とかここの人たちにさせてもらって身に着いたからありがたいって
楽しく仕事したいし楽しくできてるって
こうだからこうするって根拠を持って教えてくれる
そこらの看護師よりもよく看てよく考えてしっかりしてる
とっても優しい独身女子
あの情の深さは母性ではないかと感じる
是非ともその愛情を自分の子にも注いでほしいとおばちゃんは思うのでした
看取った人の事 家族の事 彼氏の事
お互いよく喋った長い夜
さながら女子会
若いけどしっかりしてるのは
やっぱり命みつめてるからかなあ
終わりを何度も看てきてるから
何度もみんなで看てきてるから
みんな優しいし繋がりが深い
長い夜をことなく終えて次にバトンを渡してく
そしてまた次の夜に朝に
その繰り返し
それが介護の仕事
胃瘻や気切の人は一般的に見る機会がなくて
ここにこんな人が住んでることを
近所の人は知らない目にしない
見せ物晒し者にするわけじゃないけど
本人の意思はわからないけど
ここに住んでるこの人達が
もっと人の目にふれてもいい
ある日突然気切になって声が出なくて泣くよりも
元気な時から知って考えておける方がいい
そのためにも寝ている人が老いが死が
開かれてる場があればいい
そんなホームホスピスにしたいな
こんなに優しい介護職の姿も
日の目を見れたらってそう思う
きれいなことばかり書いたけど
女子会だから
愚痴もこぼして
それが人間
あー楽しい夜でした
ありがとう