書肆侃侃房スタッフさんのおすすめ!初夏の徹夜本フェア
こんにちは、ウェブストアスタッフ・ミケです。じめじめと暑い日が続きますが、皆様体調はいかがでしょうか。
そんな梅雨から初夏にかけて読むのにぴったりな本を、出版社・書肆侃侃房の営業スタッフ・倉本さんが選んでくれました!書肆侃侃房さんは、ミケが短歌のフェアなどでいつもお世話になっている出版社さんです。
出版社の営業スタッフさんならではの手触りのあるコメント付きでご紹介します!
【倉本さんのコメント】
大山文学賞、李箱文学賞などの受賞歴を持つ実力派純文学作家ソン・ボミの長編初邦訳作品です。途中まではぼんやり自分の幼少期の思い出と重ねてみたりしながら読んでいたのですが、突然小さな違和感が重なりはじめて最後には「おお…」と驚きの展開に。家族の物語であり、消えた女性たちの物語であり“私”の物語でもある。橋本智保さんの翻訳の読みやすさもあいまって、とても推進力のある物語です。
【倉本さんのコメント】
バラク・オバマのベストブックリストにも選出された、神話性と楽園的な側面だけではないハワイのざらついた現実が共存する、現代文学の新境地を切り拓くような一冊。ハワイ島で多言語文化のもとに育ち、先人の作家たちからも影響を受けた著者ですが、それだけではなく、多様性や地元の言語学の精神を重んじていることが作中からも感じ取れます。
今ハワイの文学を日本語で読めることもうれしいし、この大切な本を侃侃房から刊行できたこともうれしいです。ぶ厚いけど徹夜本です。
【倉本さんのコメント】
文学フリマなどのイベント出店の際「この本がすごく好きで友人にあげる用に三冊買いました」とか、熱烈な愛を伝えてもらうことの多いタイトルの
ひとつです。神職を志していたハン・ジョンウォンさんの修道院でのエピソード「彼女の歩く姿は美しい(送らない手紙)」という章が特に好きです。読んでいるうちに、心に静寂が訪れるような、詩と散策にまつわるエッセイです。
【倉本さんのコメント】
侃侃房に入社したとき、教科書として配ってほしかった…!と思うほど、短歌とはなんなのか、歌人たちがどうやって歌を作っているのか、短歌のことをどう捉えているのかなど、短歌や歌人についてのことがとてもよく分かる一冊です。それと同時に、 クリエイティブな仕事に関わっている人にとっても強く共感できる内容だと思います。ほんと面白かった。著者のおふたりの歌集もとてもよいのです(起き短を読んでから読むとますます)。
【ミケのコメント】
こちらの本はウェブストアと店舗で、気合を入れた刊行記念フェアを開催していました!(現在は終了)
そもそも平岡さんと我妻さんの短歌が好きな私ですが、おふたりの(文章による)対談がおもしろく「夢」を通じたクリエイターとしての考え方などにも共感できる一冊でした。もちろん入門書としても、連作や評についても学べる興味深い内容です。
一風変わった短歌入門書を読みたい方や、おふたりの短歌が好きな方におすすめです。
【倉本さんのコメント】
最新のテクノロジーを大きな題材として取り扱いながら、あまり説明をしない不親切な文体…なのに主人公・うつヰの人物像が立体的に立ち上がり、読んだあとにはなぜかうつヰのことが好きになっている。とてもあたたかな読後感を得ることができます。タイトルの「プリンセサイザ」のみ架空のゲームなのですが「現実で完成されなかったゲームをここで形にした」と池谷さんが言っていました。小説の可能性って無限なんだよな…と思い出させてくれる素晴らしいデビュー作です。
【ミケのコメント】
こちらの本も先日刊行記念フェアをウェブストアで開催していました!(現在は終了)
不思議でどこかあたたかな読後感を、ぜひ皆様にも体感してほしいです!
【倉本さんのコメント】
“女性性”に正面切って挑むような歌たちが、ボディーブローのようにじわじわ心に効いてくる。きれいごとだけではない言葉の生々しさが潔く、読後には爽快感すら感じることができるお守りみたいな歌集です。毎日仕事にプライベートに(別に戦いたくなんてないのに)戦っているひとの懐に、こっそりしのばせてほしい一冊です。眠れない夜のお供にもどうぞ。
いかがでしたでしょうか。
熱帯夜、読書に没頭して気分をリフレッシュする時間を作ってみませんか。