わしがルールじゃい!
マネジメントの内容に戻って、
チームの各メンバーの業務担当状況と
課題が見えてきたら、
ここから、マネジメント的リーダーシップを発揮していく。
先ずは
・重複業務をなくし、担当を決める
これは、実際に経験した、当時の
管轄部署で起こっていたこと。
一つ目は、業務の重複。
部署内でまとめる報告資料やデータの集計など、
皆が同じ書式のものを使う必要があって
それを誰かが作成しなければならない時、
誰が、どこまで何をしているか、共有していないため
「良かれ」と思って、そういった書式作成業務を
複数のメンバーが各々行っていることがあった。
二つ目は、担当が曖昧。
営業チーム皆が必要とする情報をまとめる時、
担当が明確に決まっていないため、仕事が早い人、
もしくは若手が担うことが多くなっている業務があった。
他にもたくさんあったが、これら業務の重複や
譲り合い、押し付け合いによる
時間的ロス、余計な摩擦は、本当に無駄でもったいない。
だからここでローカルルールを定める。
「部署内で使用する集計資料などの共通書式は、全てこちらで作成する。
今後はそれを共有するので、使用してもらう。
集計や部署でまとめるものも、こちらで行う。
ただ、場合によっては、指名者に作成してもらう。
また余裕がある方には、自ら買って出てもらう。」
ことにした。
いずれにしても、担当者の決定権をこちらで握る形にした。
これで、業務担当者が明確になる。
ただ、ここで気を付けなければいけないのは
ゆくゆくは「誰かにやってもらう」という表現で伝えること。
管理職による業務の抱え込みはキケン。
本来、管理職はチーム全体の舵取りもしなければいけないので、
冷静な判断ができるよう、負担は軽めにしておいた方がいい。
また緊急時には、他のサポートにまわれるくらいの余裕がほしい。
チームのメンバーひとりのパフォーマンスの低下と
マネージャーのパフォーマンスの低下は、
全体に与える影響が違う。
だから、そういった作業は追々、
チームのメンバーにやってもらうようにする。
どこかの時点で当番制、持ち回り制にすると、公平性も保たれる。
そして、その次
業務の標準化
に取り掛かる。
これは、わたしがいた、昭和の古い体質の会社で
かつ、何十年も異動がなかったメンバーであったから、
という特殊な事情かもしれないが、
当時の部署内はとにかく、
使用している言語から始まって、
さらに言葉の解釈、仕事の進め方、
報告系統まで、とにもかくにも
独立独歩、唯我独尊で
一人ひとりが点でバラバラなやり方になっていた。
これでは、統制は取れない。
同じ方向など目指せない。
仮に目指せているように見えても、間違いなく表面的。
どこかで綻びが出てくる。
そこで、共通言語を使うことにし、不明瞭な場合は
都度確認をするようにした。
言葉の意味も、コレはこういう意味、アレはああいう意味と
定義づけた。
ひとつ、例に挙げると、
当時、営業の「売上」には
小売店に納品して売上計上する買取条件の卸と
小売店に出庫して店頭で販売してから売上計上する消化条件(売上仕入)と
大きく分けて2つの「売上」が混在していた。
更に、卸売業なので、店頭の販売価格がそのまま卸の売上にはならない。
だから、余計にわかりにくい。
社内で話をしている際、単に「売上」と表現すると、
どの売上金額のことを指しているのか、全くわからない。
そこで、「売上」の前に必ず修飾語を入れるよう徹底した。
・店頭で販売した金額「店頭上代売上」
・店頭で消化販売した卸金額「消化売上」
・卸の売上総額「総売上」
・卸の売上から返品や値引を差し引いた金額「純売上」
このように、前提条件を揃えることで「誤解」を減らし、
意思疎通が図れるように地ならしする。
それから、標準化へ向かう。
何をするかと言うと、
ある程度、皆が共通して個々で行う業務について、
それぞれ個別のやり方を聞き取り、いいとこ取りをして
最も効率的な方法を全体で共有し、同じやり方で
取り組むようにする。
これは、特にルーティンワークの
事務仕事は効率的にこなせるようになる。
ミスも減るし、作業時間も短縮されるし、いいことしかない。
また、手法を統一することで、不在時の相互補完も
しやすくなる。
こういった、ルールの整備は
さすがにマネージャー権限を持った者の
リーダーシップでしか、進められない。
だから、マネージャーが行う必要がある。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
マネジメントでお悩みの方、
管理職になって日が浅い方、
上司の考えに「?」と思っている方、
カッチカチに古い体制の会社に疑問を持たれている方、
などなど。
お仕事でそんなお悩みを持たれている方に向けて
発信していきたいと思います。
きのした