「壁に向かってスクワット」とデッドは同じですよ
こんばんは。アウトドアクライマーもとい、リハビリ中のKinnyです。
最近、アキレス腱断裂から1年半たったので、もうそろそろ、いいだろう、とジム通いを再スタートしたのですが…驚いたことに
デッドができない…。
デッドと言うのは、飛びつくタイプのクライミングムーブです。
デッドができないというより、デッドに入る前のスクワット体制で落ちる。
そもそも、深くスクワットできません。なるほど、アキレス腱を切ると、人の体はこうなるのか。
ホールドを掴んで、フットスタンスに乗った後、グンと腰を下げ、腕はピンと伸ばす体制になりますが…、後傾して落ちる。あれえ?お尻から墜落してしまいます。
何回か、やっているうちに体が思い出してきて、だいぶリーチは伸びましたが…それでも、スクワットのところ…力を貯めるところ、で深くスクワットできないのです。
■ ”壁に向かってスクワット”しましょう…
で、なぜだろう? その謎、解明されました。
最近、行き始めた、パーソナルトレーニングのトレーナーさんが、スキー出身で秀逸。
なんと、3年の怪我の連続の間に、
ハムストリングスの弱化
により、壁に、そもそも、貼り付けなくなっていたのです。
”壁に向かってスクワット”
は、ハムストリングスの強度をアップさせるエクササイズです。
■ 胸椎の柔軟性も必要
しっかりかがむには、
胸椎の伸展
も必要になります。
■ まとめ
ハムス&胸椎の伸展
の2点が十分できないと、壁に張り付くこと自体ができなくなるのです。
ムーブを起こす以前の体制ができない、ってことです。
■ 感想
だから、デッドが出てこないリードクライミングのほうが、年配の人に人気があるのかもですね。老化で最初に失うのがそのあたりの筋肉ですし、普通にロープクライミングでリードしているときに、デッドのような深いスクワットって、ほとんど必要なく、出てこないです。
ちなみに外ボルダーはデッド祭りです。デッドかランジです。
まぁ、これらは若さの専売特許的な感じはしますね。で、できる人はなんてことなくできるので、なぜできないか?は、きっとわからないのではないでしょうかね?
■ 運動連鎖について研究されていないクライミング業界
たぶん、スポーツの分野で後進であるクライミング業界では、こうした運動連鎖の研究が、だいぶ
他のスポーツと比べて遅れているのではないか
と思います。
できるか、できないか?で人を区別し、相手を貶めるというコミュニケーションが主流のような気がする。
つまり、クライミングを教える側からの、「えー、こんなんもできないの?」という相手への非難とも思える言葉で、終わるだけ。
どうしたらできるようになるのか?という提案が一切ない、ということです。
出来る人は、何か特別な才能がある人ってことで、崇拝の対象になっているような気がしますが…、良く動作分解したらハムスが強い人なんですよ。ほかのスポーツでもハムスが使えることは必須の能力だと思いますが。
クライミング界で変なのは、そうした能力差が、内輪とそれ以外を作り、排他的関係性を作る点です。平たく言えば、小学校時代のスクールカーストみたいなノリなんですけど…。
”できる”or”できない”は、単なる身体機能の話。そこに、”クライマーだったら、〇〇くらい出来て当然、的な”根性論は関係ないよ。
なんでできないの?と相手を責める方向に行くのがクライミング業界なんだよなぁ…
ふつーにちゃんと、なぜAさんはできるが、Bさんはできないのか?何が具体的にどう違うのだろうか?
と、ちゃんとスポーツ解剖学的に研究しっかりしてほしいですね…
ま、クライミングはできないから楽しいのであって、壁に向かってスクワットをしてハムスを鍛えるよりは、クライミングウォールで鍛えたほうが楽しい、ということは言えます。やっているうちにハムスが強化されれば、できるようになるでしょう。
楽しい努力という意味でおすすめですが、ジムの内輪のノリは、いただけませんね。