#2 「きゃべつ」と「わけぎ」のタイミング
まーちゃは、明るくて愛想がいい。声が大きくておしゃべりが大すき。だからか、いろんな人が来ておみやげとか、採れたてをおすそ分けしてくれる。
タダオサは真逆。人としゃべる時はワントーンあがった声色をだす。畑作業中は、胸ポケットのラジオを聞いていてる。家に戻ってきて、そのままリビングにあがるから、テレビの音とラジオの音が混ざって、音の大渋滞を起こす。それがタダオサ。
いま食べられる「きゃべつ」は、10月に種から植えて、「4月に食べられるきゃべつ」と、タイミングをずらして、11月に植えて5月に食べる「きゃべつ」が畑にある。春きゃべつは年子の兄弟のような関係で育ってる。わが家にとっては、それが食べる日がいちばんおいしくなるように調整してある。
まーちゃは「この時のキャベツはやわらかいから、ロールキャベツにすると、やわかすぎて、巻けない。」とよく言う。なんか毎年、聞く気がする。
なので、そのままサラダで食べたり、やわらかいから鍋の白菜の代わりにちょうどいい。最近の使い道は、餃子と春巻き。
昔からあるきゃべつも、スーパーにドレッシングやトッピングが進化したのが続々と発売されているから飽きない。野菜界の永久欠番。
こないだ春きゃべつを大工さんにあげたら「そのままでおいしかった」って言ってたとまーちゃが言うと、タダオサは、すかさず「おせじも入っているわ」と笑ってた。
春以降に食べるキャベツは、苗を植えて育てる。12月〜2月に食べられるタイミングで買うらしい。いつ植えるんだろ。
「わけぎ」のわけ。
じゃがいもの横に植えてあるネギみたいな格好をしている「わけぎ」。
わけぎは、11月に種から植える(種は、たまねぎが小さくなった球根のようなものらしい)。畑の中の割合も、畝の半分で、1列もない。
わけぎは作るのが簡単で、植えっぱなしOK。その間、肥料を2回ぐらいあげれば、3月の中旬頃から、食べられる。
まーちゃが、なんで、植えているかと聞くと
「ホタルイカとわけぎの酢味噌和えを食べたいから。あと、ナイとさびしいし」そんなわがままな理由と思ったが、まーちゃのお母さんの時代から作っていたみたいで、味だけじゃなく、育てる野菜も受け継がれていた。
100歳になる親戚のおばあちゃんは、わけぎをタマゴ焼きの中にはさんで食べるのが好きらしい。ネギは年中つくれるが、わけぎは春しか作れない。
それは、下の部分がたまねぎみたいに大きくなるかららしいが、それが年中作れない理由なのか、いまは分からない。。
旬であることは間違いないけど。
しゅっしゅっ。と向きながら食べられる部分だけにむしる、まーちゃ。
食べられない部分は肥料とかにするのか?と聞くと、
「ぜんぶ捨てる」と、
期待した言葉は返ってこなかった。。。どて〜。
思惑と希望が混ざりすぎると、ガッカリの大渋滞を起こす。
きょうの、ひとごと。
すき焼きの鍋に入っていたけど、わけぎの存在がない。やっぱすき焼きは肉が主役だ!
きょうの、横屋のおかってんば