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謎の円盤UFO

 はい。あの音楽と共に記憶がよみがえる方も多いのではと思うのだが、かって放送されたTVドラマ『謎の円盤UFO』はノベライズされていた。ロバート・マイアル作でハヤカワ文庫より出版されていた。現在となっては少々入手困難かもしれないが、数年前にCSで放送されていたのを機にネットで古本を購入した。

 TV版ではストレイカーが主人公だが、小説ではフォスターが主人公なのでフォスター目線で話が進む。ただ設定はTV版と同じで、地球防衛組織SHADOは表面上は映画会社であり、月面基地ムーンベースもありそこでもエピソードも存在する。当然ながらUFOだの宇宙人だのという存在は極秘事項である。また人種問題も取り扱っており作中の5年前に撤廃された事になっている。まだややこしい時代でもあったのだろう。

 宇宙人から地球を守ると言えば聞こえはいいが、実際のところ宇宙人の目的は全くの謎であり、やって来る以上は撃滅するというのが基本的方針のため、ラストではひょっとしたらと思わせるような宇宙人も倒さなければならなかった。目的が分からない以上は攻撃。議論はその後で、宇宙人から平和を求めるコンタクトがない限りは戦い続けなければならないというある意味で皮肉めいた決意で話は終わる。

 テレビ同様の面白さと同時に、早川書房にはこの作品の電子書籍としての復刊を一日も早く実現するように求めたい。最初に独占翻訳権があると明記している上に、かって電子化復刊投票を大々的にやったにもかかわらず、話はほぼソレきりで終わっている。ロバート・マイアル『謎の円盤UFO 1・2』の復刊を心から待っている。

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