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~我らの時代~『戦国時代と現代の食糧事情について』

こんにちは。 まさざね君です。

今回は、『超時空対談』の第2弾として、食の違いに焦点を絞って書きたいと思います。

戦国時代の食事のシーンは、テレビなどで観ることがありますが、実際はどんなものを食していたのか、現代の食事と比較してどうなのかなどについて興味が湧いたのを対談形式でまとめてみました。

これを読んで「へぇー、そうなんだ。」と少しでも思って貰えたらうれしいです。


超時空対談 第2弾~我らの時代~『戦国と今の食糧事情について』

進行:まさざね君

ゲストは、現代代表(サラリーマン代表)の福山光一さん、戦国時代代表(下級武士代表)の小野源兵衛さんです。


ゲスト2人のプロフィールを紹介します。

現代代表(サラリーマン代表):福山光一さん

・年齢:29歳
・独身(彼女いない歴:6年) 一人暮らし
・職業:医療機器メーカーの営業 役職:主任
・週末はストレス解消を兼ねて、人気店の食べ歩き
 平日は、コンビニ、ファストフード(吉野家等)で済ますことが多い。
 勝負飯:叙々苑の焼肉
 最近、お腹が出てきたのが気になる



戦国時代代表(下級武士代表):小野源兵衛

・年齢:24歳
・既婚(妻:1人 子供:5人)
・職業:陸奥 磐城10万石 岩城道隆の家臣(中級武士) 役職:足軽小頭  
・長柄(槍:やり)足軽から功績を積み重ねて、部下を10人従える足軽小頭となる。
 好物:握り飯、魚(イワシ)の干物
 戦による多数の古傷が痛むが、部下と家族を養うため奮闘している
 夢は侍大将になること。

《対談スタート》

まさざね君
「こんにちは。 進行を担当します、まさざね君です。」

「今回のテーマは、『戦国と今の食糧事情について』です。」

「食(しょく)って、生きていくうえで凄く重要ですね。 現代は飽食、昔は粗食と言われていますが、実際にはどれくらい違いあったのか私も非常に興味があります。」

「今回は、戦国と現代の様々な食糧事情について、色んな話を聞けたらと思いますのでよろしくお願いします。」

現代:福山さん 戦国:小野さん
「よろしくお願いします。」


【戦国時代は1日2食】

まさざね君
「では、早速ですが福山さん。 食事は1日何食ですか?」

現代:福山さん
「私は、朝起きるのが苦手なので、基本的に朝食は食べません。ですので、昼・夜の2食ですね。ただ、夜中にお腹がすいてカップラーメン食べることもあります。(笑)」

まさざね君
「現代は1日3食バランス良く食事をとるように言われていますが、福山さんのように朝食をとらない方って多いですよね。 夜中に夜食(ラーメン)、、、私もわかります。(笑)」

「では、小野さん。 戦国時代の食事は1日何食ですか?」

戦国:小野さん
「戦国時代も福山さんと同じく1日2食です。 ただし、朝食と昼食です。 夕食は基本的にとらないですね。」

現代:福山さん
「夕食とらなくて、朝までお腹空かないですか? もしかして、昼食の時間が遅いとかですか?」

戦国:小野さん
「お腹が空かないこともないですけど、そういう生活に慣れちゃいました。ただ、例外として、夜の見張りなどを任された時は夜食(夜9時頃)が出ることがあります。」

「食事の時間ですが、基本的に朝食が午前8時頃、昼食が午後2時頃です。」

現代:福山さん
「午後2時に食べてから、朝まで食べないのはキツイかも。(笑)」


【一汁一菜】

まさざね君
「では、次は食事の内容について聞いていきたいと思います。」

「小野さん、戦国時代の食事の内容について教えてください。」

戦国:小野さん
「戦国時代の食事内容は、基本的に私たち中・下級武士、戦国大名なども一汁一菜です。」

現代:福山さん
「私の昼食も一汁一菜です。 基本は、牛丼並み、おしんこ、みそ汁なので。(笑)」

戦国:小野さん
「本当ですね。(笑) 食事の量ですが、一回の食事で主食は2.5合(茶碗5杯)と味噌汁などの汁物、おかずは野菜、海藻、漬物、魚など土地によって異なります。」

現代:福山さん
「えっ!! 一食に2.5合?!って、1日に5合も食べるんですか?」

「子供の頃にテレビの再放送で見た[まんが昔ばなし]のご飯の盛りは、本当だったんですね。(笑)」

まさざね君
「1日2食ですが、1回の食事の量が現代と比較すると全然多いので、朝まで大丈夫なのも
納得できますね。」


【戦国時代の主食と副菜】

まさざね君
「主食のご飯は、白米が中心ですか?」

「主食は、福山さんの時代のような白米は高級品なので口にすることは滅多にありません。戦国大名を含め多くの人は、玄米(赤米・黒米)、麦や雑穀(稗、粟)などを混ぜたものを蒸して食べています。」

「このご飯を強飯(こわいい)と呼んでいて、福山さんが食べているようなご飯は姫飯(ひめいい)と呼んでいます。」

「ただ、中下級武士は、満足な量を食べられないので傘増しするために雑炊にして食べることが多いですね。」

まさざね君
「戦国時代は、現代と比較すると日本中が飢餓の時代とも言えたので、この主食についても玄米を食せるのは上の方の身分だったという話も聞いています。」

「多くの民は、当時[大唐米]と呼ばれる赤米の栽培が容易で収穫量が多く安価ということもあって、これなどを中心に雑穀を混ぜて食すことが多かったらしいです。」

現代:福山さん
「そういうの食べたことあります。今健康志向で注目されている雑穀ご飯ですよね。」

まさざね君
「確かにそうですが、現代の雑穀米は白米が中心ですので割と食べやすいかもしれません。」

「福山さんは、食に興味があると聞いてましたので、試しに市販されている雑穀米だけで強飯にしたものと、雑炊にしたものを準備しましたので試食してみて下さい。」

現代:福山さん
「いいんですか! では、いただきます!」

「うわっ! スミマセン、強飯はパサパサしていて全く喉を通りません。雑炊も粒々感に違和感があって一口でギブアップです。」

「小野さんには、大変失礼ですが、私を含めて現代人にはちょっと厳しいですね。」

まさざね君
「福山さん、正直な感想ありがとうございます。」

「私も、対談前に試食してみましたが福山さんと同じ感想です。小野さん、スミマセン。」

戦国:小野さん
「大丈夫ですよ。 まさざね君の言う通り日本中が飢餓状態なので、こういう食事でもしっかり摂らないと体が持たないですから。」

まさざね君
「汁物の味噌汁に関しては、現代と大きな違いはなさそうです。」

「おかずですが、基本的に体を動かすことが多いですから味付けは濃いめが多そうですね。」

戦国:小野さん
「そうですね。汗をかくことが多いので味の濃いおかずが好まれるんです。」

「特に私の集落で人気があるのは、梅干しです。 なぜか梅干しを食べると次の日には体力が回復している感じがするんですよ。」

「私は、梅干しよりも魚の干物が大好物ですけどね。(笑)」


【戦国飯の栄養バランス】

まさざね君
「梅干しには、塩分の他に疲労を回復させる成分も含まれていると言われてますからね。」

「戦国時代の食事って、ご飯の量が多く、おかずが少ないので栄養バランスが悪いというイメージがありますが、実はそんなことはないんです。」

「簡単に説明しますね。玄米は人間が健康を保つため必要とされる栄養素を摂取できる完全栄養食と言われています。」

「赤米も非常に栄養価が高く、雑穀類を合わせて食していたので現代人よりも栄養バランスの良い食事だと言えます。」

「また、発酵食品である味噌についても世界中で注目されている健康食品なので、体に非常に良いものですよね。」


【合戦飯の準備と補給】

まさざね君
「では、小野さん。次は、合戦の食事について教えてもらえますか?」

戦国:小野さん
「はい。 合戦が決まると、大名から家臣たちに大量の白米、味噌、魚などが振舞われます。
白米は、こんな時にしか食べられないから合戦がある時は気合が入ります。」

「そして、私たちは合戦に向けて陣中食(携帯食)を用意します。実は、合戦の3日分の食事は各自で用意することになっているんです。」

「ただし、4日目以降は、大名側から食事が提供されることになっています。」

現代:福山
「合戦が長引いたりしたら補給する量がすごそうですね。」

戦国:小野
「そうですね、食糧調達は大名側にとって合戦で勝つのと同じくらい非常に重要なことです。」

「食糧調達には、いくつかの方法があるんですよ。」

「それは現地調達、押し買い、自領からの補給などです。」

「現地調達は、商人から購入、田畑や民家からの強奪や略奪を指します。押し買いとは、押し売りの逆で武力を使って安値で買いたたくことなんです。」

現代:福山さん
「結構リアルな話ですね。食糧調達が非常に重要というのはわかったけど、現地調達とかの話を聞くと戦国時代なんだなというのを実感します。」


【陣中食(携帯食)】

現代:福山さん
「小野さん、1つ聞いても良いですか。実は、戦国時代の陣中食(携帯食)について興味があったので教えて下さい。」

「現代なら、自衛隊は缶詰やレトルト食品などがあると聞いてます。」

「戦国時代は保存のきく携帯食とかあったんですか?」

戦国:小野さん
「いくつか代表的な物を紹介しますね。」

「1つめは、[干飯]です。これは、玄米などを炊いた後、天日で乾燥させたものです。食べ方は、そのまま食べるだけでなく、水に戻したり、炒めたり茹でたりして食べます。」

「2つめは、[兵糧丸(ひょうろうがん)]です。小麦粉、そば粉、マメ類を球状にして乾燥させたものです。そして、似たようなものに味噌玉があります。味噌玉は、焼いた味噌の中に梅干しやワカメなどを入れて球状にしたもので、お湯に溶かしたりします。」

「3つめは、[芋がら縄]です。里芋の茎を味噌汁で煮て乾燥させ、縄状にしたものです。普段は、これを腰に巻き付けて腰縄として使用しています。食べるときは、直接かじって食べるか、ちぎってお湯に入れて味噌汁として食べたりします。」

現代:福山さん
「小野さん、当時の陣中食(携帯食)ってアイデア豊富だったんですね。恐れ入りました。」

「ところで、、、。 まさざね君、もしかしたら陣中食(携帯食)の試食も用意してありますか?(笑)」

まさざね君
「さすが、福山さん。 ちゃんと用意してありますよ。」

「今回は、干飯、兵糧丸、芋がら縄の3品を用意いたしました。」

現代:福山さん
「まずは、干飯から、、、。 これって、茶碗の端っこに付いたままで乾燥したコメと同じですね。旨いかどうかというより硬くて歯が欠けそうです。(笑)」

「次は、兵糧丸食べてみます。 んっ?! 意外にいけますよ。 今までの戦国飯の中で一番美味しいです。 ただ、口の中の水分がビスケット以上に持っていかれます。(笑)」

「兵糧丸は、お湯に溶いたりしても良いかもしれませんね。」

「では、最後の芋がら縄をいただきます。 まずは、そのまま。 しょっぱーい!このままでは、塩辛い縄をしゃぶってる感じです。」

「今度は、芋がら縄の汁物をいただきます。 これは、芋がらも柔らかくなっているし、これは味噌汁ですね。なかなかイケますよ。(笑)」


【有名大名の食事など】

まさざね君
「ここで、有名な戦国武将の食事について簡単に紹介したいと思います。」

「織田信長は、主食は湯漬け(ご飯にお湯をかけたもの)、味噌汁、おかずは鳥の味噌焼き、大根の煮つけなどで、おかずは塩味の濃いものを好んで食していたらしいです。」

「豊臣秀吉は、豆味噌をかけた麦飯、魚介類(特にタコ、イカ)、大根の煮物などで、
秀吉の頭の回転の速さはタコに含まれるタウリンのおかげかもしれませんね。」

「最後に普段の食事ではないですが、正月に食べる[おせち料理]の原型を作った戦国武将がいたのですが、知っていますか?」

現代:福山さん 戦国:小野さん
「えっ⁈ 誰だろう、、、。 スミマセン、わかりません。」

まさざね君
「それは、伊達政宗です。」

現代:福山さん
「じゃー、伊達巻も伊達政宗が考えたのですか?」

まさざね君
「伊達政宗が魚のすり身と卵を使った卵焼きが好物だったからとか、派手な卵焼きだから伊達巻と名づけたなど諸説あります。(笑)」

現代:福山さん
「なるほど、面白いですね。」


【まとめ(今と昔の食環境について)】

まさざね君
「では、時間となりましたので、今回のテーマについて感想や皆さんにお伝えした言事などありますか?」

戦国:小野さん
「私も対談前に福山さんの好物の牛丼を控室で食べさせてもらいました。 味噌汁もおしんこも凄く美味しかったです! 未来の日本人は、こんなに美味しい食事を何時でも出来るなんて凄く羨ましいと思います。」

「今回、この対談に参加して、未来の人に戦国時代の食事を食べてもらい素直な感想が聞けて良かったです。 ただ、未来の人に知ってほしいのは、昔の食事だから不味いとかではなく、戦などを繰り返していれば、田畑は荒れ果て、あっという間に食糧不足や飢餓状態になります。 だから、未来の人には今の環境の有り難さを知って大切にしてほしいです。」

現代::福山さん
「確かに、今の日本は世界中の料理が食べられるし、美味しい料理も沢山あります。飽食自体は、飢餓状態と比べれば全然悪い事ではないけど、豊富な食事、食品の中から選択してバランスの良い食事をとり、食べ物を残さない。そして、健康のために適度な運動するってことが大事なんだなと、この対談に参加して思いました。」

「逆に現代の日本は、かつてないほど豊かな食環境にあります。これを自分たちが、いかに有効に継続していけるかが大事なのかもしれませんね。」

まさざね君
「今回も楽しい対談が出来ました。 また次回もお楽しみにして下さい。」

「では、さよなら~。」

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