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「ゴジラと戦ったメカゴジラ」を作りたかったオヤジモデラーの物語~「MFS3/3式機龍」制作記①
noteの世界のみなさん、ごぶさたしています。きんぐじょーです。noteって、1カ月近く投稿間隔が空くと「連続投稿が途切れますよ~」ってメッセージがくるんですね。ということで、連続投稿を維持するためにも、最近作り始めたプラモ制作の様子を(相変わらず遅々として進みませんが)、紹介したいと思います。今回のテーマはアオシマさんの「3式機龍」。平成ゴジラシリーズに2度登場した「メカゴジラ」です。いつものレポート風ではなく、ちょいと物語風に書いてみようと思います。いつ完結するかは、制作の進み具合次第。では……「行くよ!機龍」ー。
「もう一度、アイツを作りたい」
男は50歳代半ば。数年前から、子供の頃に楽しんでいたプラモデル作りを再開させた。自分の息子が作っていたガンプラをいじるうちに、プラモ作りの楽しさ、面白さを思い出した。多くはないがそこそこ自由になる金もあり、キットの「大人買い」を重ね、作るうちに、工具や道具類も揃えてきた。同時に通販で次々ほしいキットを入手してきたので、男が作業する部屋には今では「積みプラ」スペースまでできている。
「今度は何を作ろうかな」。先日、ようやく「ヤンマーコンバイン6115」のプラモデルを作り終えた男は、作業部屋に飾った「作品」たちを眺めるうちに、あるプラモに目が止まった。「3式機龍」ー。別名「メカゴジラ」。プラモ作りを再開し始めたころに手がけたキットだ。当時はまだエアブラシなども持っておらず、缶スプレーや筆塗りで仕上げるのが精一杯だったが、目や胸部の武器部分には電飾を施し、それなりに満足のいく出来映えに仕上げたつもりだった。
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「メカゴジラ、かっこいいな、やっぱり」。さまざまな種類のプラモデルが数多ある中で特にメカニカルなものを、男は好んで作ってきた。作業を重ねるうちに、道具も増えたが、それなりにプラモ作りの腕が上がったような気もしている。
「今はエアブラシもあるし、電飾のコツも何となく分かってきた。もう1回、メカゴジラを作るのも悪くないな」。スマホを手に取った男は、通販サイトを開いて「メカゴジラ」のキットを探すことにした。
「機体は自衛隊カラーで…リアルに」
ほどなくして男の手元にキットが届いた。前回作ったのは映画の「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS」に登場した「3式機龍・改」。今回はその前作にあたる「ゴジラ×メカゴジラ」に初登場した「改」のつかない「3式機龍」だ。
さっそく箱を開いてみた。前回同様にパーツの量は多い。ただ、男の手を煩わせるような細かなパーツはそれほどに多くはない。
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まずは機体のカラーリングだ。前回は映画の姿そのままにシルバーの缶スプレーを使ったが「同じ色にするのはつまらないよな」と男は考えていた。キットを注文してからというもの、あれこれと構想を練り、妄想を膨らませてきた。「できるだけ『本当に自衛隊が装備しそうな機体』にしたいなあ。やっぱり自衛隊らしい色なら緑、なんだろうな」。
男は以前に作った、これもまた平成ゴジラシリーズに登場した「スーパーX2」の機体色もイメージしていた。このキットはパーツの成形色の濃い緑色をそのままに、つや消しクリアーを吹き付けただけのものだったが、「自衛隊カラー」のリアル感、実在してもおかしくない姿が気に入っていた。
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さっそく行きつけのホビーショップで、水性ホビーカラーの「濃緑色」を入手した。前回は大量に缶シルバーを使ったことを考えて2瓶を購入。今回も組み立て前のランナーの状態にざっと塗装を施し、細かい部分は作りながら筆塗りしていこうと考えていた。
ただパーツが多いため、ランナーも多い。エアブラシで吹き付けていくと塗料はあっという間に減り、塗り終えた時には1本半以上を消費していた。
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「目をきれいに発光させたいが…」
塗装が乾いた。組立説明書に従い、まずは頭部に手を付ける。前回メカゴジラも「目」に電飾を施したが、このときは100円ショップで購入したインテリア用のLEDライトを使った。頭部の内部に四苦八苦しながら何とか仕込んだが、「口」を開いた状態にすると光が漏れてしまい(それはそれで雰囲気はあるのだが…)、男は「もう少し何とかできなかったかな」と感じていた。
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ただ、これまでのプラモ制作で、極小のLEDライトを使うことも覚えていたし、頭部に空間を作るために内部を楽に削り込める電動リューターも持っている。
「見栄え良く、強く発光させたい」。透明イエローの目部分のパーツに小さなLEDを透明のレジンとUVライトで固定させた。透明パーツにLEDを接触させることで、小さなパーツであれば全体が光を帯びることはこれまでの作業から何となく知っていた。
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頭部の内側を削り込んでLEDライトのコードが通るよう加工し、口先のパーツも取り付ける。頭頂部パーツを組む前に、発光具合をテストしてみた男は満足げに頷いた。「思ったより鮮やかに光るなあ。よしよし」
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続いて頭頂部も取り付ける。
「ツノ」(あるいはトサカ?)部分は差し込み式だが、男は、ここにも細工をしていた。角部分の根元、「額」にあたる部分にドリルで穴を開けて光ファイバーを仕込んでいた。目のクリアパーツの光を使って、額の発光部も、点灯させてみたかったのだ。あの「ウルトラセブン」のように。
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「うむ。光り具合も光の強さも、いいんじゃないか」。男は心の中でそうつぶやきながら、さらに満足げな表情を浮かべた。
「動力パイプもそれっぽく」
次は、頭部につながる「首」部分だ。頭部と首のパーツはポリキャップでつなぎ、表面をモールドのある軟質ゴムパーツで覆うパーツ構成になっている。その回りに取り付ける首回りのプラパーツの内側に、軟質ゴムでできた「動力パイプ」のパーツを取り付けることになる。
ただ、男は、今回のキットでは細部にもこだわりたかった。ゴムパーツの動力パイプを細いスプリングに置き換えて「らしく」することにした。スプリングは以前に模型店で目にした素材だ。「何かに使えるかもな」と購入しておいたものを使うことにした。
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このスプリング、なかなかに扱いづらく取り付けには苦労したが、何とか形にすることができた。表面がなめらかな「ゴム」よりも、「機械」感が増すような気がした。
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「これで良し」
スプリングを使った「動力パイプ」はあまり目立たないが、ほぼ思い描いていたような加工ができたことに男は満足していた。
キットの「顔」である頭部が完成した。だが、まだ最初の工程が一段落しただけだ。首の内部を通って伸びるLEDライトのコードを見て男は思った。
「こいつをどうやって、他の部分と接続していこうか」
まだ明確には決めていなかったが、男はボディ部分やメカゴジラが背負う武器部分など加工が可能な部分はできるだけ、発光させるつもりでいた。
(つづく)
※読んでいただき、ありがとうございました。なお、今回の記事では、工程を「物語」風にご紹介したいので、作業に費やした「日数」や「時間」には敢えてふれません。いつ完成するか私にも分からないもので…ご容赦を。
では、また次回。