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「ゴジラと戦ったメカゴジラ」を作りたかったオヤジモデラーの物語~「MFS3/3式機龍」制作記②
noteの世界のみなさん、こんにちは。きんぐじょーです。今回のテーマはアオシマさんの「3式機龍」(平成ゴジラシリーズに2度登場した「メカゴジラ」)です。物語風記事の2回目になります。前回は頭部を作り終えたところまででした。電飾工程の「その後」はどうなったのか-。それでは、さっそく…「行くよ!機龍」ー。
「バーニア」噴射口にLEDを仕込む
機龍の頭部部分から垂れ下がるLEDライトのコード。ひとまず頭部の眼光の点灯はテストで確認できた。
「さて、この後どうするかな」
男はメカゴジラが背負う、バックパックに装備された各種兵器にも点灯部分を設けようと考えていた。ボディそのものに点灯させたい部分はそれほど多くない。だが、「兵器」であるバックパックは別だ。メカゴジラの機動性を高める「バーニア」はもちろん、ミサイルランチャーという武器には点灯する部分があってもいいのではないか-。
さらに、このキットはメカゴジラ本体の「背びれ」を外した穴を使ってバックパックの着脱が可能だ。取り外しが可能なままバックパックの電飾部分が点灯する仕組みにするつもりでいた。
パーツ加工作業に取りかかった。まずはバーニア噴射口にLEDを仕込む。
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バーニアのパーツにドリルで穴を開け、接着面に透明プラバンを丸くくり抜いて貼り付けた。表面はやんわりとサンドペーパーをかけて曇らせる。
裏側に、組み込む予定のLEDをあてて、点灯具合をテストしてみた。
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光り具合は上々だ。今度はバックパック本体側にLEDを仮に仕込んで、さらにチェック。こちらも問題なく収まるようだ。
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「レーザー照準器」があってもいいだろ?
バーニア以外の点灯場所は、左右のミサイルランチャーの上部に突き出た部分に設け、ここは光ファイバーを使うことにした。
「ミサイル用のレーザー照準器があってもいいはずだ。いや、きっと必要だろう」
ただし、光ファイバーをバックパックの狭い内部で無理に取り回すと、折れてしまって光の伝導が鈍くなる、あるいは最悪点灯しなくなる可能性がある。
何らかの工夫が必要だ。
パーツのボリュームや形状を考え、ランチャーの後ろから光ファイバーをいったん外に出し、内部に仕込んだLEDの発光部分につなげることにした。点灯する光ファイバーの先端は、いつもやっているようにライターの火で軽くあぶってレンズ状に丸めた。
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もっとも、光ファイバーをそのまま露出させるわけにはいかない。そこで男は頭部を作ったときに「動力パイプ」に見立てて首部分に使ったスプリングを使い、その中に光ファイバーを通すことを思いついた。
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着脱式バックパックに「動力パイプ」
問題は、着脱式のバックパックを取り付けた時に、違和感のない外観を保ちつつ電飾部分を点灯させられるかどうかだった。
まず男は、バックパック側のLEDのコードをまとめた。バーニア部分に仕込んだLED2個のそれぞれのコードを、「レーザー照準器」の光ファイバーを点灯させるLEDのコードにハンダ付けした。
男は手持ちの電飾用パーツ入れに使っている道具箱から、2ピンのオス・メスがセットの接続コネクタケーブルを一組取り出した。メスコネクタはメカゴジラ本体の背中にぴったり合うように穴を開けて差し込み、裏側からパテでがっちり固定した。
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オスコネクタはそのコードを太めのスプリングに通してバックパック側のコードにハンダ付けしてつなぐ。先端のコネクタ部分は、こちらはエポキシパテでスプリングに固定した。
コードを通した太いスプリングは「メカゴジラにバックパックを装着したときに、パワーを供給するための動力パイプ」という設定だ。
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メスコネクタからのコードに電池をつないで試した点灯テストにも問題はなく、男は安堵の表情を浮かべた。
細工が一段落するたびに各部に施した塗装にも満足していた。バックパック本体はメカゴジラ本体の濃緑色に合うようガンメタリックに。バーニアは少し目立つよう赤銅色に〝設定〟していた。
〝本物〟のメカゴジラにはない「動力パイプ」や「レーザー照準器」の設定を追加した、着脱かつ点灯可能な〝オリジナル〟のバックパックは組み上がった。以前に観ていたテレビドラマ「量産型リコ」に登場していたプラモ屋のオヤジが言っていた言葉が男の頭をよぎる。
「プラモは自由だ」
(つづく)
※読んでいただき、ありがとうございました。ではまた次回…。