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テンペスト(2011)
ナポリ王アロンゾー(デヴィッド・ストラザーン)、ミラノ大公アントーニオ(クリス・クーパー)らを乗せた船が嵐に遭い、絶海の孤島に漂着する。その島には12年前弟アントーニオの陰謀で大公の地位を追われ追放されたプロスペロー(ヘレン・ミレン)と娘ミランダ(フェリシティ・ジョーンズ)が暮らしていたが、船を襲った嵐は魔法と学問を研究するプロスペローが手下の妖精エアリエル(ベン・ウィショー)に命じた魔法の力によるものだった。 シネマトゥデイ
凄く好きな映画です!
予告編もいい感じで、何度も見てしまいます。
原作ではプロスペローは男性でしたが、映画では女性となっております。
プロスペローにはヘレン・ミレン、素晴らしい女性ですよね。女性の冷酷な部分や穏やかさを存分に感じます。
ミランダにはフェリシティ・ジョーンズ。ローグ・ワンも良かったですが、こんな可憐な役もよく似合います。 とにかくキュート。
妖精のエアリエルはベン・ウィショー。
何でもできちゃいますね、彼は。
パフューム(映画)が大好きですが、彼の声も好きなのでパディントンも凄くハマり役だったと思います。
この映画では歌声を披露。
低すぎず太すぎない、なのに響くような、イメージとしてはホルンみたいな印象の彼の歌声は映像と重なってとても素敵でした。
ベン・ウィショー七変化な感じでいろんな何かに変身したりしてます。
ストーリーは憎しみと復讐から始まりますが、それだけでは終わらないとても美しいストーリーになっていると思います。
プロスペローの憎しみだけじゃなく、いつにもある陰謀や野心。
粗暴なキャリバンが呟く感傷的な美しさ。
どこを切り取っても絵になる素晴らしい映像。
映画ではあるんですが、演劇や舞台のような印象もあるので好みがあるかもしれません。
原作も読んでいますが、個人的にはとても良い映像化だと思います。
エアリエルの歌やプロスペローのセリフ。
この監督の演出が好みなのかもしれませんが、何度でも観たくなるアートな作品だと思います。
ちなみに、この監督はこの作品の前に【タイタス】というシェイクスピアの作品も映画化しています。
こちらは血で血を洗う復讐劇でとても激しい作品です。
タイタスのほうがいつとも限定されない時代設定のないような演出と舞台感、奇抜なメイクや衣装、そして残酷なストーリーでテンペストより好き嫌いがありそうです。
もちろん、私はこちらも大好きな作品です。
同じ監督、同じ原作者でも全く印象の違う作品で見比べても面白いんじゃないかと思います。