読了本「20代で得た知見」の話
友人が読んでいた本のタイトルに釣られて、
読みました。
この本を読んで、20代の階段3段目を生きる私が感じたことを、つらつらと書きます。
なんにもしないことを己に許す
まずこの本は、筆者が様々な人に
「二十代の内に知っておいた方が良いこととは
なんですか」と問い、その断片を集めた書籍
です。
第一章では、絶望の世界にいた筆者が感じた
こと、辿り着いた思考。
そこでの言葉ひとつひとつは、私がうつ病に
なってから行き着いた考え方に、近しいもの
ばかりでした。
休職中、「日常生活」へのハードルが爆上がり
していた頃
周りの友人たちは仕事をしていて、恋人とデートなんかしちゃったりして。
それなのに私は、寝て 起きて 食べて SNSを見る
という、生産性のない日々を繰り返している。
その事実が耐えられなくて「何かしなきゃ」と
心だけが焦っていました。
今では、積極的に「何もしない日」を作って
いますが、当時の私に足りなかったのは
なんにもしないことを己に許すことでした。
いつしか自分が見ているものが全てだと
今、それぞれが生きている世界、見えているものはきっと、1%にも満たないはず。
それなのに、いつしかその狭い範囲でしか物事を判断できなくなっていることもあります。
かくいう私も幼稚園教諭時代
(他の先生みたいにできない。私は使えないやつなんだ)
と、強く感じていました。
その幼稚園が、当時の自分にとっては世界の全てだったので、その中で比較して落ち込んで。
知らない世界があることを、知りませんでした。
きっと悩みの殆どは、違う世界を知ることで解決できる、と改めて思わされました。
私たちは勝つために生まれたのではない。
テストの成績、部活の大会、仕事の成果…
幼い頃から競争するのが当たり前の環境で
過ごしてきた私たち。
「評価する手段」だった順位(勝ち負け)が、
「自分自身の価値」にすり変わっている、
と感じています。
できないことがあるとダメなのか?
できない人は無価値なのか?
そもそも勝ち負けの二択しかない世界など、
極わずかです。
様々な勝敗レースの道から抜けることも、
ひとつの手段だと思っています。
ひとりで生きていこうとするのは、もうやめにしませんか。
「人に頼れない」「甘えられない」
そんな風にして、1人で何とかしようとした私は
うつ病になりました。
今思えば、世界中の誰しもが、必ず誰かに助けられながら生きています。
迷惑をかけないことが偉い、という風潮自体
おかしな話なのです。
インドでは「人に迷惑をかけて生きているの
だから、人の迷惑も許しなさい」という教えが
あるとか。
人は、迷惑をかけないことは不可能なので、
その分誰かに手をさしのべられる人間になりたい
と思いました。
人生の伏線を回収する
失敗や挫折をしたとき、それは果たして
「無駄な経験」だったのでしょうか。
その経験がいつかどこかで、役に立ったとき
それは正に「人生の伏線回収」と言える
でしょう。
うつ病になったとき、大怪我をしたとき。
一見マイナスな要素を持つそれらは、間違いなく私の人生の分岐点でした。
うつ病になったから、自分自身と向き合って
思考の軸が生まれた
大怪我をして一時的に車椅子ユーザーになったから、その大変さも肌で感じられた
そして、その2つがあったから書籍出版に
辿り着いた
あまりにも鮮やかな伏線回収でした。
どんな経験も、自分の人生を構成する要素である
この考えがある限り、私はハプニングもきっと
楽しんでいけそうです。
これからも、「伏線回収」の種をたくさん
撒いていこうと思います。
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