療法士が身近な地域で貢献するために知っておきたいこと(第1回)
はじめまして。田舎の総合病院で作業療法士というリハビリテーションに関わる仕事をしている田舎者です。
2022年9月に京都で開催された日本作業療法学会で、「Twitterみてます」とお声かけくださった若手の方が意外といらっしゃり、こんな自分でも若者に少し貢献できることあるのかと思い・・
こんな企画を調子に乗ってやってみたところ、、意外と投票頂きました(10票も集まれば嬉しいと思っていたので焦っています)
1番人気であった、「地域リハビリテーション活動支援事業や介護予防事業評価事業研究員」に関することについて、何かしら企画をしようと思っているのですが、前知識としてテキストもあったらいいかと思い、こちらに書きなぐっています。よければどおぞ!!
療法士が身近な地域で貢献するために知っておきたいこと
「地域包括ケアシステム」や「地域リハビリテーション活動支援事業」といった単語は,一般の病院等で臨床に従事する我々療法士も一度は耳にしたことがあると思います.ただ,日々多忙な業務の中で,このような政策が我々の仕事にどう影響があるのか,あるいは我々でもより貢献できる部分があるのかといった詳細までは把握しきれない方もいらっしゃるかと思います.
今回は,一般の病院等で勤務する療法士が,身近な地域で貢献するために知っておきたい基本的なことを、前知識としてシリーズで解説していきます.第1回は「地域包括ケアシステム」と「地域共生社会」についてです.
第1回 地域包括ケアシステムと地域共生社会とは?
1)地域包括ケアシステムについて
厚労省は団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に,重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう,住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステム(図1)の構築を提唱しています1).高齢化の進展状況には大きな地域差があり,保険者である市町村や都道府県が,地域の自主性や主体性に基づき,地域の特性に応じて作り上げていくことが必要とされています.その中核的な機関となるのが,地域包括支援センター(図2)です.地域包括支援センターは,地域の高齢者の総合相談,権利擁護や地域の支援体制づくり,介護予防の必要な援助などを行い,高齢者の保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的とし,地域包括ケアシステムの実現に向け各市町村が設置しています2).
2)地域共生社会について
地域包括ケアシステムは主に高齢者に対する施策ですが,近年本邦は,高齢化に加え人口減少が進み,地域・家庭・職場という人々の生活領域における支え合いの基盤が弱まってきています.また,人口減少の波は,多くの地域社会で社会経済の担い手の減少を招き,それを背景に,耕作放棄地や,空き家,商店街の空き店舗など,様々な課題が顕在化しています.地域共生社会(図3)とは、「ニッポン一億総活躍プラン」や,このような社会構造の変化や人々の暮らしの変化を踏まえ,制度・分野ごとの「縦割り」や「支え手」「受け手」という関係を超えて,地域住民や地域の多様な主体が参画し,人と人,人と資源が世代や分野を超えて「丸ごと」つながることで,住民一人ひとりの暮らしと生きがい,地域をともに創っていく社会を目指すものです3).
地域共生社会の実現に向けた改革の骨格は,「①地域課題の解決力の強化」,「②地域丸ごとのつながりの強化」,「③地域を基盤とする包括的支援の強化」,「④専門人材の機能強化・最大活用」の4つがあり,特に③・④は療法士が直接的に関われる部分です.第2回以降では,この二つを中心に深堀しながら,療法士が身近な地域に貢献できるわかりやすい道を解説していきます.
とりあえず導入の導入を書きました。当たり前すぎる内容ですが。研修企画までのつなぎと思っていただけると(笑)。最後までお読みいただきありがとうございました!!
引用
厚生労働省:地域包括ケアシステム・https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/
厚生労働省:地域包括支援センターについて・https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000756893.pdf
厚生労働省:「地域共生社会」の実現に向けて・https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000184346.html
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