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本当の春が到来した!

みなさん、おはようございます。
kindle作家のTAKAYUKIでございます☆彡

過日。僕は玄関のドアを開けた。
「みゃあぁ」
野良猫たちが僕の足元に集まってきた。

「おはよう。まだチンラの時間ではないョ」
「んみゃぁ」

僕は何とか野良猫たちの誘惑に打ち勝ちかった。
「今日は天気がいいから、歩いて行くか。たまには歩こうゼ!」

ってな訳で、春の穏やかな陽気に誘われながら、僕は大好きなスーパーマーケットに向かった。

公園内に咲いている桜も、およそ5分咲きと言ったところ。もう春満開です。

僕は桜を見上げながら、大きく深呼吸をしました。

「嗚呼…気持ちがいい。人間は生きているだけでOKなんだよネ。そうですよね、蒼天よ」

僕は蒼天に問いかけた。わずかに蒼天が表情を崩したように見えた。

「あれっ…ないないない。ないぞ!」

僕は口元を触ったあとで、衣類に付属しているポケット内を全て確認するも、何も入っていない。

そう、マスクを着用するのを忘れてしまったのです。

僕はスギアレルギーの持ち主。いまだスギ花粉野郎が空中で揺曳しているはずだ。

だけれども、ここまで洟も垂れていないし、くしゃみも発生しない。つまり、スギ花粉野郎どもは終焉し、ヒノキに変わったのではないか。

僕はもう一度深呼吸をしました。それも鼻から吸って、鼻から吐くを繰り返します。

やはり洟は垂れてこない。

僕は天高く拳を突き上げました!

「蒼天よ、ついにTAKAYUKIに春が到来しました。万歳、万歳、万々歳🙌」

僕は嬉しさのあまり数年ぶりにスキップをしながら、スーパーマーケットに向かいます。

道中、散歩中のおばさんやウォーキング中のおじさんに白い目で見られるも関係なし。ってか、自分らもスキップをしなよ。春満開なんだからサ。って雰囲気を醸し出しながら、僕はスキップを繰り返していきます。

「嗚呼…つった。ふくらはぎがつった。痛い痛い痛い………」


調子に乗り過ぎた僕ちゃん。その場に座って、ふくらはぎを伸ばします。

いつもならここで凹み、蒼天に向かって罵詈雑言を浴びせるのだけれども、今日は自分に春が訪れた吉日。誰が吉日にマイナスの言葉を発せると言うのか。


ここはひとつ寛大な心で、ガンジーの心で、対処すれば良いのです。


僕はゆっくりと立ち上がると、家に向かって歩き出しました。それも競歩くらいのスピードで。

家に到着すると、僕は野良猫たちの鳴き声をスルーし、愛車に乗った。そしてちょっと離れた所に店を構える、ちょっとお高めのスーパーマーケットに向かった。

ササッと買い物を済ませると、車をうんならかして帰宅。

急いでアテを拵える。
そしてまだ午前11時過ぎだけど、僕はお風呂に入った。

お風呂から出ると、僕は急いで庭に出た。倉庫からキャンプ用のテーブルと椅子を用意。そこに拵えたアテを置いた。

アテはとてもシンプル。豚キムチと蛸のカルパッチョの2品。

「いかんいかん」

僕は室内に戻ると、冷凍庫からルービーを取り出し、グラスを持って再度庭に出た。

野良猫たちの頭を順番に撫でていく………。

椅子に座わると、ルービーをグラスに注いだ。

「蒼天よ…待ち侘びた春が到来しました。改めて御礼申し上げます。乾杯!」

11時35分。僕はグラスに注いだルービーを一気に飲み干しました。


「それでは、いただきまあすぅ」


久しぶりの昼のみ。

単にスギ花粉野郎が去っただけで、このはしゃぎよう。

だけどネ、人間、嬉しいこと、楽しいことがあれば、それは全力で喜び祝うことを忘れてはいけません。だって、人生は1度しかないのですから。

もっと自由に、もっと陽気に、もっと阿保丸出しで生きて良いのです。

「へっ…イクション」

くしゃみが2回でた。だけど洟は垂れてこない。これはスギ花粉野郎の仕業ではなく、誰かがどこかで僕の悪口を言って発生したくしゃみだ。確か、くしゃみが3回がでると、良き噂だと聞いたことがある。


まあ何はともあれ、スギ花粉野郎どもは終焉を迎えたのだ。今日はとことん飲もうではないか。


僕はマスクを着用せず、普通に鼻から空気が吸える事に感謝しつつ、ルービーを飲み続けた。


春っていいよネ! 最高だよネ!



【了】



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