推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこないあなたにお勧めする本
「『ぼっち・ざ・ろっく!』っていうアニメ、面白いよ!」
今から2年前、2022年の忘年会で友達に僕がアニメ紹介をしたときの言葉だ。
今となっては誰もが知る女子高生バンドアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』であるが、放送当時は友達はこのアニメを知らず、紹介する僕も「面白いよ!」という語彙力のなさでしかこのアニメを伝えられなかった。アニオタなら『ぼっち・ざ・ろっく!』の良さを1から10まで語っているところだろう。
僕を含め、面白い作品を紹介するとき「面白い」や「最高」、「ヤバい」ぐらいでしか作品のことを伝えられないもどかしさ、みなさんにもあるのではないだろうか?
そんなもどかしさを解消する本が、三宅香帆著『「好き」を言語化する技術 推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない』(以降、『「好き」を言語化する技術』)である。この本では、あなたの好きなモノや人を推すときの文章をどう魅力的にするかを解説している。
以前、僕のノートでも紹介したJini著『好きなものを「推す」だけ。共感される文章術』も、推しの文章をうまくする本であるが、両者は推し文章に対するアプローチが異なる。
Jiniさんの本では好きなことを推すときは、推しに対する「情熱」と「理解」を大事にしつつ、18の推しテクニックで文章をブラッシュアップする内容となっている。
対して三宅さんの『「好き」を言語化する技術』では、まずは自分の感じたことや自分の言葉を大事にすることを挙げている。三宅さん曰く、推しのモノや人についての他人の感想を読むと、自分の感想が上書きされてしまうのだそうだ。僕は映画などを観終わった後、他人の感想をSNSでみたり、ラジオや動画で聞いたりするのが好きだったので、確かに他人の感想に左右されてるなあと反省してしまった。
三宅さんはほかにも、文章は一回書ききってしまって、あとから読み直して修正(添削)すればいいと言っている。これについても僕はまた反省していてる。僕は感想をだぁーっと書いたら、もうえいや!でnoteの公開ボタンを押してしまうのだが、確かに読み直してみないと、文章のおかしなところや伝わりづらいところは気づけない。「お前の文章は拙い!書き直し!」はい。おっしゃる通りです…。
『「好き」を言語化する技術』では他にも「自分が好きだと感じた場面などを理由を掘り下げて細分化する」「自分の好きな作家を見つけて文章をまねする(参考にする)」等々、推し文を書くにあたって為になることがたくさん書かれている。ぜひ、ブログやSNSで推しの感想を書きたい!と思ったら本書を手に取ってみるとよいだろう。
それにしても、書評家の三宅さんの本をこのnoteで取り上げるのは2回目になるが、彼女の文章は読書弱者の僕でも読みやすく、理路整然としていて納得もいく。書評家って文章のプロなんだなあと改めて思う。
おわり。
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