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『ゴシックのモテット』あとがきと解説

 小説『ゴシックのモテット』をお読みいただきありがとうございました。
もともとブログ用に記事を執筆していたのですが、内容があまりにも荒唐無稽になってしまったため、ファンタジー小説に変更しました。結果的に、無謀な挑戦となったようです。そのため、解説を加えることにしました。蛇足かもしれませんが、もしよろしければお付き合いいただければ幸いです。

【テーマになった楽曲】Virgo virginum - Quant voi remirant - Hec dies


【アルバムはコチラ】
Motetus: Music in the Days of Notre-Dame in Paris:Clemencic consort

【楽譜:モンペリエ写本より】

Quant voi remirant / D’este la saison,
Quant le bois font retenir / Touz cil jolif oiselons,/ Adonc plour et soupir/ Pour le grant desir/
  C’ai de la belle Marion,/ Qui mon cuer a en sa prison.
Virgo virginum / Lumen luminum,
Restauratrix hominum,/ Que portasti,Dominum;/ Per te, Maria,/ Detur Venia: /
Angelo nunciante Virgo es Past et ante.
Haec dies

【楽譜:現代譜】

写本も、現代譜もMontpellier Codex wikiからpdfでダウンロードできます。

ただし、この現代譜はフランス語の声部がラテン語になっています。これは後に作られたドイツのバンベルク写本 bamberg codx のバージョンであると思われます。

ちなみに、バンベルク写本のラテン語詩はコチラです。

O mitissima Virgo Maria
posce tuum filium
ut nobis auxilium
det et remedium
contra demonum
fallibiles astucias
et horum nequicias.

おお、最も優しい処女マリアよ
あなたの息子に
お願いしてください
私たちに助けと救済を
悪魔たちの狡猾な策略と
邪悪さに対抗できるように
授けてください

【定旋律(テノール声部)Haec diesのネウマ譜】

Gregorian chant notation from the Liber Usualis (1961), p. 778.

聖歌テキスト

Haec dies, quam fecit Dominus:
exsultemus, et laetemur in ea.
Confitemini Domino, quoniam
bonus: quoniam in saeculum
misericordia ejus.

この日こそ、主が創りたまいし日なり:
われら喜び、この日を楽しまん。
主を賛えん、
主は善なる御方にして
永遠なるがゆえに、そのあわれみ

解説は次回に続きます。

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