腰痛持ち、ピラティスに行く
この秋からピラティスに通っている。
わたしにとっては晴天の霹靂、衝撃的な変化、完璧なまでに予定外の行動だ。
運動音痴で腰痛持ち
元々運動が苦手で、体育はずっと3、下手すると2。持久走ではいつも最下位争いをしていたし、運動会が嫌すぎて友たちと雨乞いの踊りを踊って抵抗したことがある。(ちなみに本当に雨が降ってわたしの出る競技は中止になった)
おまけにわたしはひどい腰痛を抱えていた。
どのくらいひどいかと言えば、動けなくなって他部署の上司に車椅子で運んでもらった後、二人の同僚に付き添ってもらって通院にいったことがあるくらいだ。
本当に本当に、一番ひどかった腰痛のときには、翌朝家族が湿布と痛み止めの薬を持ってきてくれるまでベッドで一晩トイレにも行けずに動けなくなっていたこともある…もう二度と経験したくないくらい痛かった。(人間はあまりにも痛いと半日以上トイレにいかなくても大丈夫らしい)
本当は体を鍛えたほうがいいとはわかっていたけれど、無理に運動をして今以上に腰を痛めて動けなくなってしまうことが怖くなっていた。動けなくなるほどの痛みは、本当に苦しくて、つらくて、怖かったのだ。
そんなわたしが今、人生ではじめて楽しみながら運動をしている、お金を払い、習い事として体を動かしている。
一年前、いや、数か月前の自分が知っても驚くと思う。まさか、こんなに楽しく体を動かす日がくるなんて思わなかった。人生って本当に不思議。
ピラティスに通い始めた理由
ずっと友人に向いているよ!と言われ続けていたのだけれど、腰痛をひどくしてしまうのが怖くて、ずっとのらりくらりと交わしていた。
そんなわたしがピラティスに通い始めたのは、ただ単純に、痩せてきれいになりたかったからだった。前回のnoteの記事にも書いたけれど、わたしは精神科の病院でリハビリの仕事をしている。他人には『健康になりましょうね』と治療を提供しようとしているくせに、自分は健康のためには頑張れなかったのだった…ちょっと恥ずかしい。けれど同時に気づいた、わたしは何かをはじめるとき、まっとうな正しい動機よりもずっと、しょうもない欲求に基づいたときのほうが頑張れるようだった。そう、わたしはきれいになりたかったし、ここ数年ですっかり崩れてしまった体型をもとに戻したいのだった。
ピラティスに通ったきっかけ
大好きなコスメブランドを運営しているヘアメイクさんがパーソナルトレーニングに通っているInstagramの投稿を見たり、ずっと好きなPerfumeのあ~ちゃんがマシンピラティスで体型を変えたというのを知って、ピラティスいいかも、と思った。20年来の友人の言葉よりも、写真を通して知った彼女たちの美しさのほうがわたしを動かした。友人、本当にごめんね…と思ったけれど、人間というのはそんなものかもしれない。(いや、申し訳ない気持ちはある)
とはいえ、急に通うのはリスクが高すぎると思って、まずは家で簡単な筋トレをしていた。数か月間、あすけんのアプリを使って食事の管理をしつつ、Youtubeの動画を見ながら毎日30分ほどの筋トレを続けたところ、ちょっと痩せて、少し筋肉や骨が見えてきた。骨盤の骨とひさしぶりの再会をしたりもしたけれど、やっぱり体型は崩れたままだったので、勢いのまま、ピラティスのスタジオに体験の申し込みをしてみたのだった。
MarinaさんのYoutubeの動画も、上記とは別の友人が勧めてくれたのだけれど、随分とお世話になった。ダイエットの食事の考え方もわかりやすかった。好みはあると思うのだけど、体型管理の導入にはとてもいいと思う。
腰痛持ち、ピラティススタジオに通う
熱烈な友人の紹介もあり、『Rintosull』というピラティススタジオに通っている。ホットヨガで有名な『LAVA』の系列だ。新しくできたばかりのスタジオなのでとてもきれいなのが嬉しい。シャワールームはないけれど、ホットヨガほど汗をかくこともないので不満はなかった。マシン類はもちろん、受付も更衣室もトイレも鏡もぴかぴかだし。(結構こういうのは大事だと思う)
そもそもピラティスってなんだよ?と思っていたのだけど、ドイツ人のピラティスさんというおじさんが考案した健康と幸福を目指したメソッドのことをいうらしい。自分の名前をつける勇気と自信がすごいと思う。(まさか男性の名前だとは思わなかった)マットのみを使用するマットピラティスと、専用器具を使用するマシンピラティスに分けられるそうで、わたしが今通っているのは専用器具を使うマシンピラティスだ。
わたしの通うスタジオには、マシンピラティスに使われる専用器具がスタジオの中にずらっと並べられている。そしてレッスンは基本的に映像を流して行われ、担当のインストラクターが1~2名付き添って、動きの修正をしてくれる。わたしが好きなのは容赦なく細かい角度まで修正してくれたり、容赦なくぐっとお腹や肋骨を押してしんどい動きを促してくれる先生だ。可愛い顔をして、容赦がないところが本当にいい。せっかく通うのだから、そのくらいのほうがやりがいがある。
通い始めて2か月、10回ほどレッスンに通った。
すでに体は変わり始めて、おしりのお肉は少しずつ減り、内腿の間にはほんの少し隙間ができはじめている。膝から下のふくらはぎやすねも、今まで見たことのない形をしている…筋肉がついているのがわかる。ふつうに嬉しい。
レッスンの種類はいくつもあって、30分のものもあれば50分のものもある。わたしは50分のほうを主に選んでいる。そのほうがゆっくりお手本の映像を流してくれるので、初心者であり、運動音痴であるわたしはそのほうがまだレッスンについていける。
本当に運動が苦手でずっと逃げ続けていたので、わたしはわたしの体を動かすのがへたくそなのだ。昨日もレッスンを受けたけれど、先生の言葉にうまく反応できず、他の生徒さんに比べて先生が修正をしてくれるまで、だいぶ時間がかかってしまった…ごめんなさいと思うものの、ちゃんとできると体が動いて、脳と体がつながる瞬間があり、それは途方もなく気持ちいいのだ。
脳と体を繋げる
きれいな体が欲しいな、と思ってピラティスをはじめたし、それは今も変わらない。でもそれと同じように今は、体と脳をこうやってつなげて、思うように動かせるようになりたいと思っている。
わたしは脳(つまり心)と体の動き、そして言葉がちゃんとつながっているとき、人は健康になるんだと思っている。病気や障害、環境のせいでどうしてもわたしたちはそれをばらばらにしてしまいがちだ。
大きな障害や病気がなくたって、仕事や学業、人間関係のために我慢を続けて、自分の思っていることとやっていることが違ったり、無理な動きを続けて体を酷使していたりする。
そしてわたしは子供の頃からなぜか、努力することは我慢することだと思い込んでいたのだけれど、それは違うと最近気づいた。自分が思ったように行動できるように考え、工夫し、動き続けることが努力するということなのだと今は思っている。これも正しいのかはわからないけれど、一旦このやり方をとろうと、今は思っている。そしてその一環として、健康になるために、体の動きと脳を繋げようとピラティスに通っている。
ピラティスは楽しい
すぐに真面目になるのはよくないとわかっているのに、つい真面目に書いてしまった。
そんな目的を持ちつつ、それでも本当に楽しみながら通っている。
身体を動かすのは単純に気持ちがいいし、体型が変わっていくのを感じるのは嬉しい。…甘いものが好きで食べてしまうので、想定よりもそのスピードは全然遅いのだけれど。
そこまで汗をかかないからか、ピラティスに通うのは美意識の高い人が多いからか、はたまた通っているエリアの問題か…わたしの通うスタジオの生徒さんはきれいでおしゃれな人が多いと思う。アクセサリーはつけたままだし、髪型が可愛い人も多い。レッスン中はそれどころじゃないので見れないけれど、おしゃれな人が多い中通うのは、とても気分がいい。自分も最低限は何とかしようと思い、眉毛だけは描くようにしている。
ピラティスのウェアも、バレエの練習着のようで可愛い。最初はUNIQLOやGUのセール品で間に合わせていたけれど、入会時にもらえたスタジオのポイントを使って新しくウェアも買ってみた。わたしはバレエ漫画を幼少期に読んで育っているので、まったく踊れないくせに、微妙にバレエの知識がある。そして舞台の衣装よりなぜか練習着のレオタード姿のほうがぐっとくるので、なんだか自分もバレエの世界にちょっと近づいたようでうれしくなった。そして最初に買った微妙なウエアはさっさとセカンドハンドに売りに出してしまったので、もうこれを着るしかない。ぴったりのサイズで買ったウェアのみ…つまりは太れないのだった。
そして、先生たちもそれぞれの美しさを磨いているのでお会いするのが楽しい。10歳以上違うだろうな~と思いながら、若いオーラを日々吸わせてもらっている。特にアクセサリーやウェアが可愛い先生がいて、着こなしを日々変えていらっしゃるので、彼女のファッションを見るのも楽しみなのだった。いつか真似しようとこっそり思っている。
小さい頃からずっと繰り返し読んでいるバレエ漫画はこちら🦢
最近の漫画だとこちらもとっても大好き!続編のベネチア国際編が特に!主人公の女の子がのびのび踊る姿に憧れている🩰
とりあえず、続けてみる
パーソナルトレーニングのほうがいいとは思っている。けれど、わたしにはそこまでの余裕が残念ながらない。ピラティススタジオに通うこと自体、悲しいかな、そこそこ負担だ。それでもたぶん、続けたほうがいいと思っている。体が変わるのはゆっくりで、特に20代や30代の前半と比べて、変化のスピードは落ち続けている。けれど、確実に変わっているし、わたしは変わったときのいい感じの体が欲しいのだ。
腰痛がひどすぎて、この10年くらい、いろんなことをあきらめていたように思う。恥ずかしいけれど、ずっと腹巻を愛用しているし、靴下はウールのものを含めて3枚重ねている。靴はニューバランス一択で、ヒールの靴は恐ろしくてもうずっと履いていない。それは身体を冷やさずに、転ばないように、体に負担をかけないようにするためだった。わたしが安心して暮らすために必要なことではあった。
だけれどもう、そうやって不安な気持ちから自分を守るよりも、自分をちょっとずつでも変えて、やりたいことをやれるように努力をしてみたいと思っうようになった。やっと、そう思えるようになったことが今は嬉しい。
そして、きれいな体型、自由な体、わたしが欲しいのはそれだ。
同時に、とても嬉しいことに、ピラティスに通うこと自体がとても楽しい。わたしはずっと結果を欲しがるタイプで、経過自体を楽しむことが苦手だった。だから今こうやってピラティスを好きだと思えることにちょっと驚いている。
可愛いウェアを着ることも、少しずつ体型が変わることも、素敵な先生に会うことも、できないな~と恥ずかしい気持ちを持ちながら体を動かしていることも、全部全部、楽しいになっている。
楽しいがある生活は、とても嬉しくて、幸せだと、心から思っている。