自己紹介〜すべてはalright #7 なったはいいが、足掻き藻掻け続けて
田中弥三郎と申します。ギリ昭和、ゆとり第一世代の男です。鍼灸マッサージ師として働いています。
noteを始めて、日々の学びの大切さと喜びを改めて実感しています。
仕事の日々の中で気付いたことや参考になったようなことを発信して、私も誰かのお役に立てたらと思っています。
そのためにまず、私の経験してきたことをお話しすることで、私のキャリアと知識の棚卸しをしたいと思います。
今回は
『なったはいいが、足掻き藻掻き続けて』
です。
専門学校の3年から現職場のアルバイトに入ります。その後、卒業&資格取得して正式雇用されました。駆け出しのドン底時期から現在までです。
修行開始!!甘くない
専門学校の3年生となり、鍼灸整骨院で働き始めました。これまでにしたアルバイトは蕎麦屋の厨房だけ。接客の経験はありません。
いきなり患者さんを診させてもらえるはずもなく、挨拶と診療補助業務です。
初日からしっかりドヤされて、しっかり落ち込みました。結果的にはそのほうがいいんですが、ヘコみにヘコみました。
診療時間が終われば先輩相手に練習。学校の中ではそこそこ上手いほうだったんですが、なにせ地力が足りないしスタミナもないわけです。加えてコミュ障の上、知識もないし可愛げもない。
あるのは『こんなはずでは、、、』という妙なプライドだけ。
本当に、よくクビにならなかったもんだと思います。
ただ、無断欠勤や遅刻だけはしなかったことと、便所掃除だけはキッチリやってました。
あとは年賀状印刷の雑用です。
戦力外なんだから当然ですが。
どうにも身体が言うことを聞かない。
会社に行こうとしても身体が動かない、みたいなそんな深刻なものではありません。
私の場合は、体力です。朝は全然問題なく起きられます。なんなら早起き好きです。だけど、すぐバテるんです。
学生のときから、
「どうせ寝るなら学校で寝れば、出席付くからオッケー♪」
なんて舐めたことやってたので、1日フルタイムで働けない身体になってしまっていました。
学校の成績はそんなでもどうにかなりましたが、仕事となると話は違います。
仕事中にあくびはでるし集中力は続かない。会話しようにもアタマが回らないから、真剣な話なんてまるでできない。
そもそもがコミュ障こじらせてて、一般レベルよりはるかに低い。
ホントに救いようのない状態でしたね………。
そんな状態ですが国家試験にはどうにか合格し、正式にスタッフとして雇用してもらうことになりました。
1年の修行期間では、自分の無力さを知ることになっただけです。成長なんてまだまだ先の先といった感覚でした。
患者さんに育ててもらえた
どうしようもなかった私でも、気さくに話しかけて下さる患者さんが何人かいて、可愛がってもらえました。そのおかげでどうにかモチベーションを保てていました。有り難いことです。
阪神ファンだったことと、おばあちゃんっ子だったことが幸いしました。
本当に、患者さんに育ててもらえました。
それからはたどたどしくても一生懸命な店員さんなんかを見て、微笑ましく見守れるようになりましたね。
受けた恩は、ちゃんと社会にお返ししていきたいものです。
みんなちゃんと、頑張ってるんだ
技術も知識もないし体力もない。おまけにコミュ障の私ですが、素直に負けを認めることは出来ていたようです。
自分の実力不足ということは、当初から認識していました。
そこで改めて周りを見渡してみて気づきました。
私にないものを持ってる人たちはみんな、それぞれの努力をしてきた結果なのだ。
イヤなことがあっても声を荒らげたりせず上手に会話をしたり
効率が悪いように見えても日々の努力を続け出たり
内容のない話をしてるようで、そこから会話の糸口を探していたり
おべんちゃらを言ってるようで、その後でちゃんと言いにくいことを伝えていたり
自分には出来ていなかったこと。
どんな意図があるのか考えもせず小馬鹿にして、出来ない自分を棚に上げて。
ちゃんと努力してきたから、差がついているんだ。
サボることしか考えていなかった。
努力することから逃げた。
その差に今ごろ気づいただけのことだ。
このことは案外、すんなりと受け入れられました。
自分には何ができるか
自分の実力不足の原因がやっと分かったことで、ある意味で吹っ切れたところがありました。
気持ち的にドン底に落ちましたが、うまくいかなかった理由がはっきりしました。
結局、腐らず誠実に頑張るしかないのです。
ものは考えようで、腐らず誠実に頑張ればまだ成長の目はある、改善の余地はあるのだと思うことにしました。
スネてひねくれて文句言うだけじゃ、カッコ悪いですからね。
ちゃんと腑に落ちたことで、モチベーションも自然と上がったように思います。
仕事を初めて数年が経っていたことで、治療の技術や知識は少しずつ身についてきました。
それに加えて、ジョギングをしてみたり宅トレをしてみたり、自分なりに変わろう変わりたいと藻掻いていました。
『誠実に頑張るしかないのだ』と納得できてからは、少しずつ変化が始まったように思います。
自分に起こってきた変化
少しずつですが治療の技術は向上してきました。もともと自分が好きで始めた仕事なので、それなりに考え勉強は続けていたつもりです。
少しずつ、本当に少しずつですが実になろうとしていたタイミングだったのかも知れません。
そしてようやく、患者さんとの会話にもやっとこさ慣れてきました。
話題作りも兼ねてドラマを見てみたら、人物の心の動きが見えて勉強になりました。それまではドラマを見ること自体に興味が持てず、見ても冷めてしまってたのです。
そんな些細なことも勉強になっていくことに気付いた頃から、映画やドラマで涙が出ることが増えてきました。それまでは笑うことはあっても、涙がでる経験はなかったんですが。
芝居や歌舞伎にも行くようになりました。
義経千本桜『すし屋』、片岡愛之助さんの権太には泣かされました…
変化を話してみる
それまで患者さんとの会話では、ほとんど自分のオフのことは話していませんでした。
それこそ甲子園に観戦に行っても、聞かれない限りこちらからは決して言いませんでした。身体の不自由な方にお出かけの話なんか、自慢してるみたいで嫌だったのです。
気分を害されたら申し訳ないと。
でも、甲子園や芝居や映画、食べたものや作った料理、そんな話をしても気分を害される方など居ませんでした。
それも、患者さんから
「行ったら聞かせてね」
と言ってもらえて初めて話せたことです。
お話をすると、皆さん喜んでくださいました。
「目に浮かぶみたいで楽しい」
なんて言ってくれたりして、救われる思いでした。
それからは自分のことも話題にするし、患者さんから聞いたことになるべく飛びついて試してみるようにしています。
自分の世界が広がって深まっていくことが楽しいです。
着物を着るようになったのは、患者さんの影響が強いですね。着物を手に取ったことなどなかったのですが、干してあるのを見せてもらって生地の面白さに一発でヤラれました(笑)
もう怖くない。まだちょっと不安だけど
治療の技術も少しはマシになって、ある程度は話もできるようになってきた。
これが実感できたのは、前よりも結果が付いてきたからです。
以前は必死でやってもうまく行かず、変な空気になってしまったり。嘘偽りなくやってるのに、意図しない方向に受け取られてしまったり。
気が付いたら、私のことを信頼してくれる患者さんが付いてきてくれるようになっていました。
自然に対応するだけで、ちゃんとした関係を築けることが増えていました。
以前は『人間性を磨きなさい』なんて言われてもサッパリでしたが、少し腑に落ちたように思います。
年齢と症状だけみたいな事前情報でも、
「どんな人だろう」
「お役に立てるといいな」
と思えるようになりました。
以前の私なら、
「難しい人だったら嫌だな」
「怒られたりしないだろうか」
のような気持ちで臨んでいました。
大きな変化です。やっと社会人としてスタートラインに立てたような感じでしょうか。
ひとの気持ちに触れられる仕事だったから、私も成長できたように思います。もしこれがモノやコトを相手にするような仕事であれば、ひねくれたままでいたでしょう。
変わるきっかけをくれたことに感謝するとともに、何かの形で自分も世の中のお役に立ちたいと思うに至りました。
真面目に働くことって大事ですし、貴いことですね。
本当にどうしようもなかった私でも、どうにかここまでやってこれました。
日々、精進を続けたいと思います。
後はもう少しだけ、自分のことを書きます。
そしてその後、自分の思いや気付きを発信していくようにしたいと思います。
皆さまのお役に立てますように。