無計画で、書く。

 浮かばない夜もある。打っちゃりたい夜もある。
 今日はそれに該当する日であり、蒙古タンメン中本で、
『味噌卵麺+麺特大+北極煮卵+背脂+ライス』
 あまりに腕白がすぎる夕餉を喰らう。故に満腹であり、風呂に入り、ネットサーフィンでブルーライトを浴び、薄暮な眠気が忍び込んでくくる。
「書くことがない。とは、なにも考えていないということだ」
 五月蠅い。黙れ。私は心の中にいる真面目な自分に睥睨して、憤懣遣る瀬無くなってしまった。
 睥睨(へいげい)とは、
 にらみつけて勢いを示すこと。「天かを――する」
 横目でじろりとにらみつけること。
「眼は限られる暗き壁を――し」〈透谷・楚囚之詩〉
 こんなときは気分が滅入る。
 世界で一番自分が無能に思える。こうして弱音を堂々と吐き、あまつさえ世に放つ愚行を重ねに重ね、吐き気を催す邪悪を感じ、愚図、愚鈍、愚昧でぐぐぐ、ぐえっ、であり暗渠をゆく溝鼠の生命力を分けてもらいたい気分だ。どうにかしてくれ。
「気分を変えよう」
 私は50年代のオシュクシュのカバーオール(78,000円)を着込み、
KIJIMA TAKAYUKIのコバルトグリーンのニット帽を被り、気分は売れっ子文豪気分。アディダスの白黒ハーフパンツ、近所のファミマで買ったサンダルでいなたさを演出。
 ルンルン気分で、自販機で『PEPSI COLA〈生〉』を入手。
 帰る。飲む。
「甘ったるい、健康に悪そうな味がする」
 ありとあらゆる糖類が染みわたってくる。喉を通過する。本稿の方向性がどうしようもなく、途方に暮れる。
『ここで、ブレイク! 突然ですが、代理母出産について思ったことを書くよ! ついてきてね』
 昨日。代理母がトピックに含まれたユーチューブの動画を拝見した。
 私は「代理出産が<カジュアル>になる未来は想像できない」とコメントしたらこのような返信がきた。要約すると、
「アメリカでは四十数年前から行われおり、市場規模は拡大しつづけており、倫理的問題は議論が尽くされている」
 糞が。
 少し調べると、大手の代理出産エージェンシー、CSP(Center for Surrogate Parenting,Inc.)では5つの基本条件を設けている。

1.アメリカの永住権を持ち、アメリカに住んでいること。
2.ノンスモーカー。
3.21歳~37歳まで。
4.経済的に安定していること。
5.一人以上、自分の子供を出産している。

 これらの条件を満たした代理母立候補者は、対話形式と心理テストの適格審査(スクリーニング)が行われる。
 これは、富裕層による貧困層の搾取を予防し、倫理的な問題を少しでも緩和しようということだろう。ちなみに禁止している州も存在する。
 他方、こんなケースもある。
 出産後、赤ん坊に情が湧いて、受け渡し拒否するケースが深刻化しているという。 
 当然だ。十月十日お腹で育て、命がけで産んで、産声をきいたら情が湧くだろう。それを引き離すことに、『倫理的問題』がまったくないと言えるだろうか。受け渡し拒否をしたホストマザーは、悪人なのか?
 そもそも、他人に命がけの行為を代理させることに、抵抗感がある、というのは『古い』『保守的』『時代遅れ』なのか?
 四十年以上の歴史と、議論で『倫理的問題』が消滅するわけではない。
 常に存在しながら、絶え間なく議論をつくし、仕組みやケアを見直し続け、受け渡し拒否や、障害児の引き取り拒否などのトラブル対応も、最善を更新するべきだ。
 すべてケースバイケースであり、歴史があるから、議論を尽くしているから、世界的に拡がりを見せているからなんて、何の問題もないようなことを恥ずかしげもなく発言するとは。
 糞だ。少しも考えていない。人権の観点から、インドとタイは外国人の代理母出産を禁止している。
 人の命と尊厳が関わっている以上、慎重さと誠実さが求められるだろう。

『閑話休題』
 本当に無計画だ。書くことが無いから、代理母出産まで。あまりに無軌道過ぎる。
 今。ゲップと一緒に夕餉の味噌卵麺の辛味が喉を刺激した。テレビでは『ゴーストバスターズ/アフターライフ』、ユーチューブはCody-Lee(李)-『我愛你』が流れている。
 あぁ、家に帰りたい(在宅中)。
 西村賢太の『人もいない春』の「昼寝る」では、風邪気味の彼女に底ぬけの理不尽さでブチ切れている。救えない男だ。スキ。すぐに後悔して平謝りしてる北町貫多、ダ~イ好き。
 もういい。
 明日のネタを考える。真剣にな。それはもうド真面目にな。そして忘れるのさ。「しっかりネタを考えて、構成を思案し、執筆し、推敲を重ねる」という当然の努力。
 そしてまた無計画に奇跡を期待し、文筆の海へ、後悔の海へ航海にでるのだ。高い確率で座礁、難破、沈没すると知りながら。
 私は『面白いかどうか』が、一番大事だと思っている。その他の価値など枝葉末節であり、面白い、という太い幹が一番大事なのだ(偉そう)。
 今日は今日とて、明日は明日で、全力を尽くす。つもり。


 
 
 
 

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