トマス・ピンチョン全小説/コンプリート
書店巡り日和、からっと晴れた日曜日の朝。
本棚の掃除(週一で埃とり)、庭の草と枝刈り、トイレと自室の掃除。
それらをパッパのトットで済ませ、昨日着たチャンピオンの黒のパーカー、アヴィレックスの黒のチノパンを履き、家をでる。
本日の目標はここ約1カ月間、
「トマス・ピンチョン全小説コンプリート計画」を遂行し、残り一冊。
『逆光』の上巻。
山手線を回遊、総武線を往来し、あっちこっちと探し回った。
以下、これまでに周った大型書店。
・丸善・丸の内本店
・丸善・津田沼店
・三省堂書店・神保町本店(小川町仮店舗)
・三省堂書店・池袋本店
・ジュンク堂書店・池袋本店
・ジュンク堂書店・南船橋店
・ブックファースト新宿店
・紀伊國屋書店・新宿本店
都内の大型書店は粗方周ったと言ってよい。
本日赴く予定の書店は、
・ブックファースト中野店
・ジュンク堂書店・吉祥寺店
・ジュンク堂書店・立川高島屋店
・オリオン書房・ノルテ店
・丸善・多摩センター店
多摩センターは行きたくない、そう祈っていた。
多摩モノレールで往復1時間かかり、運賃は往復820円かかるからだ。
「吉祥寺ぐらいで見つかるといいなぁ、最悪、立川駅前までで‥‥‥」
祈りを、文学の神様に捧げながら、総武線・中野行きに乗り込む。
ほどなく到着。
閉館し、跡地がマンションやオフィスなどが入る高さ262メートルの超高層ビルと、最大7000人収容できる多目的ホールが併設される計画が停止中の、中野サンプラザを通り過ぎ、中野サンクォーレの1・2階にはいる「ブックファースト中野店」に入店。
雑貨、カフェなどが混在し分かり難い。苛々しながら、アメリカ文学のコーナ―へ。あったのは『重力の虹』上下巻のみ。トマス・ピンチョン作品がゼロよりマシだが、中野に用ががない限り来ることはないだろうと思いながら退店する。
次は吉祥寺。
その前にやや早めのランチ。
松屋でいいや。
おろしポン酢でいいや。
美味いもマズいもなく、中野駅、総武線・三鷹行きに乗り込んだ。
徐々に都心というより、最強格の郊外的ムードがたちこめてくる。低層の建物が増え、同時に、親しみが湧く風景に変化していく。
人生初の吉祥寺に到着し、アーケードを通り、ジュンク堂書店・吉祥寺店の入る、コスピ吉祥寺へ早歩き。急がなくてもよいのに、B館の6・7階へ向かう。
「はぁ、はぁ、アメリカ文学っと‥‥‥ATD(逆光の英語タイトルの略)、ATDっと‥‥‥あった。上巻は‥‥‥あ、あ、あった。なんか、透明カバーで包装されてるけど、あったどーーーーーーー!!!!!!!!」
心で叫んだ。
あった。
吉祥寺で。
心弾ませながら、会計を済ませる。
やったぜ。
これで―――
「トマス・ピンチョン全小説、コンプリート計画完遂!」
「都内の、どの大型書店よりトマス・ピンチョン全小説が揃っている!」
「見る人が見たら、トマス・ピンチョン全部あるんだ、と、なる!」
「計画から解放され、予算も削減される!」
「やべぇよ、揃っちゃったよ、半端ねぇよ‥‥‥」
用が済んだら、紀伊國屋書店・新宿本店へ向かう。
勝手知ったる我がホーム書店、電車を降りれば実家のような安心感、すでにトマス・ピンチョン全小説は片付いたので、意気揚々、まだ午前11時代、時間はある。あせらず選書、至福のとき。
詳しい購入内容は明日の『週刊 我がヂレンマ』で紹介するとして、帰る時点でまだ12時過ぎ。
帰ろう。空は青く、澄み渡って、私を祝福しているようだった。
それは気のせいだ。調子のるな、あほんだら。
そして現在【15:35】で、noteを書いている。
余裕過ぎて、換気扇も回るってもんです。
テレビで「JLPGAツワーチャンピオンシップ リコーカップ2024 最終日」もやってて、いたって平和。ホント、日曜日の午後ってムードが心地いい。
結果的に、
「トマス・ピンチョン全小説/コンプリート計画」において、最も実店舗で入手困難だったのは、『スロー・ラーナー』だった。
何せ、蔵書数50万冊~100万冊オーバーの大型書店を10店舗周って、丸善・丸の内本店にしかなかったのだから。
とはいえ、『逆光』があった5店舗のうち4店舗が、上巻が欠けていた。これは実に不可解である。本来であれば、上下巻揃っているか、無いかのはず。上下巻で一つの作品であり、下巻を買わない選択肢はないはずだ。
かといって「試しに上巻を読んで面白かったら下巻を買う」なんてするはずがない。そもそもトマス・ピンチョン自体、ノーベル文学賞・候補常連の世界的巨匠とはいえ、文学好き以外存在さえ知らない。その作品に手をだすとしたら、そんな中途半端なことはしないだろう。他方、書店が下巻のみ注文する可能性はゼロ。益々、謎は深まるばかり。
そして、
私は「ミイラ取りがミイラ」となった。
現時点でジュンク堂書店・吉祥寺店の『逆光』は下巻しかない。
気持ち悪く、幾ばくかの罪悪感もあるが私の責任ではない。
そして、
本棚を見るとトマス・ピンチョン全小説がズラリとコンプリートしている。誇らしく、今後の「素敵トマピ生活」に向けて意気揚々、鼻高々である。こうして2連休の後半も終盤に向かう。
換気扇を止め、
記事も終わりを迎える。
「それはそうと来月、駒込の[BOOKS青いカバ〕へ行く。ついでに前回無視した六義園で茶をしばく。古書を携えて(戦前は高額、おそらく戦後の)」
そう心に決めて、
「もういいや」で「また明日」