モーニング・ルーティン

 自虐を禁止し、この趣旨で書くことの難易度をご存知か。私は知らない。
ひとつ言えることは、自虐ネタに走りがちな自分を、律するために今日は、自虐を禁止して書くこととする。と、言ったそばから自虐しそうになってしまった。脳内の洗浄が必要だ。前提はこれくらいにして、本題にいく。

「平日、勤務日」
 歯を磨き、洗顔、洗髪、排便、パソコンを開き、めざましテレビで占いをチェック。ネットサーフィン、閲覧履歴と不要ファイルの削除、排尿からの身支度、出勤。朝食と昼食をローソン100で購入。おにぎり2個と、野菜総菜とパン2個、烏龍茶。駅のホームで朝食を済ませる。

「日曜日(休日)」
 朝6時、起床。排便。庭の枝と草刈り。トイレと、自室の掃除。朝食は食べず、洗顔、洗髪。布団を干す。パソコンを開き、閲覧履歴と不要ファイルの削除、ネットサーフィン、栄光ナイン。

 ほら。端的だね。淡泊だね。自虐を排除したら、味気なくなったね。ほれみたことか。しかし、「自虐」が持ち味なんて認めたくない。何故なら自虐は安易なためだ。安易だからこそ、頼ってしまう。と、ストイックな体で書いているが、自虐したくてたまらない。あぁ、本題の「モーニングルーティン」が疎かになってしまった。これはいけない。本題に戻そう。

 洒落た、丁寧な、行き届いた、ある種の生活感を欠いた、そんなモーニングルーティンは憧れない。実現のために、各種物品を購入し、工程や所作を参考にして、苦労をし何となる。無理をしてつくった、ワンプレートはヴィーガンか、グルテンフリーか。何にせよ、自然体が一番である。朝からストレスを感じながら動いていては、一日が思いやられる。まして、人に良く思われようと、誇張しだしたら始末におけない。
 ま、ただ楽したいだけ。男のひとり暮らしなんて、こんなもの。手間は人のためにある。自分だけなら、ズボラになるのも仕方ない。ここまで書いてきて難だが、致命的に「モーニングルーティン」という趣旨が、私に向いていない。これは、金があって、意識がたかくて、複数の美容液を使い分ける人間に許されるものだ。
 本稿の失敗は、「モーニングルーティン」と「自虐を禁止する」という、二つの趣旨がこんがらがったことで起きたと推察する。事前にしっかり構成を組み立てる。という自戒を無視した結果だ。早く終わらせたい、締切から解放されたい、今日の夕食は寿司。自分の心の弱さが憎たらしい。
 

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