脱力して妄想を書くよ
例えば帰宅したら見知らぬオバサンがいたとして、無視したとします。彼女は虚空を見て、飲食も排泄もせず、眠ることもない。無害なので、関わるのも面倒で「私」は無視です。当然のように。
すると翌日、もう一人増えています。1DKの部屋でその存在は邪魔ですが、今度はおっさんなので、しかも狸の死骸のような禿げ頭、放置で安定です。むしろ家族が増えて嬉しいと思うこととする。スペースをとるだけで、コストはゼロ。無問題。
「ま、いいか」
と、言った翌日。見知らぬ人が四人に増えていた。
(これは警察に通報、なのか?)
私は全身全霊で正常性バイアスを発揮し、無視を決め込む。なぁに、毎日がホームパーティーだと思えば、念願のパリピに進化、僥倖である。
そんなこんなしているうちに、気づけば三十人に増えていた。
津山三十人殺し一回分で掃除が終わる、異様な事態になっている。さすがに台所から人が溢れ、熱気はムンムンで、寝室にも人が入り込んでくる。
ここまで来て、流石に警察に通報しようかと、想定問答を考えてみた。
「家に見知らぬ人が溢れかえってまして――」
信じる筈もない。
そして、対応が面倒である。
しかし、これでは部屋から出るだけで満員電車であって、生活に支障がある。これだけの人がいるのだから、有効活用しなくては。
そこでネット上にて、ある募集をかけることにする。
『人間の引き取り募集。活用法は自由。一体十万円から』
さっそく注文が入る。中古のライトバンを購入し、寝袋に一体づつ詰めて、注文通り五体、シートを倒し詰め込んでいく。場所はとある県の山奥の今は使われていない工場。
客はいかにも反社会的勢力なお兄さんたち。ブツを見せて金を受け取り、
帰途につく。帰りの高速道路を走行中も次々と注文がはいる。
なーに、在庫はいくらでも増えていく。こうして倉庫を丸々借り受け、そこに次々と人間を在庫していく。あっという間に一億円を売上げて、仕事も止めて、悠々自適。人身売買、最高である。そもそも突然、自然発生したのだから、「彼ら」が人間であるかも怪しいもの。戸籍がなければ、存在していないのだ。犯罪ではない。
と、
妄想してみた。小説ならば、このあとの展開は、近未来的な(透明、銀色、幾何学模様)格好をした女を登場させよう。あの、大量発生した人間たちは、未来の技術でつくりだされた模擬人体で、何かの手違いで送り込まれつづけてしまったと。
そしてご都合主義。
模擬人体は緊急時、溶けて消えるように設計されており、ボタン一つですべて「溶解」する。ついでにこちらの記憶まで消されて、また、元の生活に。
はい。オチがクソです。弱いです。とってつけた感、丸出しです。
『ある日突然、食事と排泄をしない人間が、無限定に増殖していく』
この発想自体をもっと考えてみれば、よいオチがつくれるかもしれない。
ショートショートは難しい。そして楽しい。
そろそろしっかり座学をやらないと、埒が明かない。
手始めに『作家の旅 神話で読み解く物語の構造』で学んでみようと思う。物語は「構成」らしいので、素直に従います。はい。
それにしても、場当たり的に即興で、よくショートショート書いていたなと。そのやり方が完全に間違いとは思わないが、進歩が少ないのは確かで、そろそろ停滞も限界です。飽きました。
やっぱ、巧くならないと楽しくないからね。
石噛む思いで勉強します。
多分。
いや、やりますとも。そんなことを書いていたら、お腹が空いてきた。今日は土曜日。一週間に一度の酒盛りである。
腹の虫も、夜空の雷も鳴っている。これは酒盛りのサイン。土曜日の投稿には高確率、または100%で「酒盛り」について書いている。それだけ早く終わらせたいとの思いが強いのだ。由々しき問題だが、致し方ない。
そこまで悪くない妄想が書けたので、そろそろ終わりにしよう。
「それにしても今日の投稿は、思考の吐瀉物だな」
ゲロまみれですいません。明日は頑張ります。