睡眠

 その日は疲れていた。ベッドにはいると、あっという間に眠りに落ちた。
 朧げで判然としない夢の後で、朝はやってきた。
 どこか浮遊感があり、いつも通りの朝の準備を整え家を出ると、次の瞬間満員電車の中だった。
 疲れているのか、まるで時間をスキップされたような感覚に陥る。気をとりなおし出勤すると、今度は、上司や同僚の顔がぼやけてしまい、仕事に集中できない。頬をつねろうとした瞬間、夜の電車内で意識が戻る。
「なんだこの夢は」
 そう零した直後、ベッドで目を覚ました。
 大汗をかき頭を抱える。
 どこか浮遊感があり、いつも通りの朝の準備を整え家を出ると、次の瞬間満員電車の中だった。
 疲れているのか、まるで時間をスキップされたような感覚に陥る。気をとりなおし出勤すると、今度は、上司や同僚の顔がぼやけてしまい、仕事に集中できない。頬をつねろうとした瞬間、夜の電車内で意識が戻る。
「なんだこの夢は。繰り返してるのか」
 その、
 認識が、
 はじけた。
 そこは、
 研究室のようだった。
 そこには、無数の配線に繋がれた機械人形が立っていた。
 博士はディスプレイを見ながら言った。
「記憶が繰り返してる。故障だ」
 博士をため息を吐き、椅子に腰かけ、資料を渉猟し目を通す。それでも考えはまとまらず、微動だにしない機械人形を一瞥する。
 不意に欠伸をかく。
 目をこすり、天井を見上げた。
「寝て起きたら、修理されていたらいいのにな」
 博士は眠りに落ちた。
 しばらくして、
 頭痛とともに目覚めた。
‥‥‥鉄の塊は、壊れたままだった。
‥‥‥眠ったからといって事態が好転することなく、頭がさっぱりすることもなく、ただ、故障の原因を地道に探るほかなかった。
 

 
 
 




いいなと思ったら応援しよう!