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 忘れられない母の言葉

小学校低学年くらいの時に母に言われた言葉がある。

”赤ちゃんの時にあんたの首に手をかけたことがある。
 お父さんが部屋に入ってきたからやり損ねた。”

言われた当初は、”そうか、私は要らなかったんだ”とだけ
漠然と思ったことを覚えている。

この言葉をずっと意識していた訳ではない。
母はこの様な事をよく私に言ってきていたから
子供だったこともあり慣れていたのかもしれない。

思い出す様になったのは私が母親になって
赤ん坊の我が子と接する時だ。
こんなにも愛おしくて儚くて
何があっても守りたいと思える存在に
私の母は手をかけたのだと。
(因みに父は寡黙だけど愛情溢れる人だ。)

本当に母が私を無くそうとしたのかはわからない。
よく、私を傷つけたり脅したりする人だったから
その為の嘘だったのかもしれない。
(私が中学生になり両親が離婚し母と暮らす様になるまで
 母はこれらの行為を父にバレない様に行なっていた。)

それでもその言葉は私には効いた。
我が子を抱きしめながら、
赤ん坊だった頃の自分を想って
涙が止まらなくなる時がある。
本来なら我が子を見て幸せと愛情で溢れる心に
ヒビが入って黒いものが流れ込んでくる様で
胸が痛くなる。
そして鬱状態になってしまう。

母親にとってそれはとてもしんどい事だ。
抱きしめたいし何より育児をしなければいけない。
負のサイクルみたいになってしまう時がある。

それでもその黒いものや涙を払いのけて
私は我が子を抱きしめるし愛を伝える。
私が感じる様な胸の痛みを2人には絶対させたくない。

私は母の様にはならない。


次男くんが寝たので洗濯しなきゃ nina



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