無限の中心
アブストラクト~ざっくり要約、抽象的、と言う一見無関係な2つ意味があります。この2つを考えますと抽象的で芸術的な何かを一発で要約した図形として円や球があげられます。そしてそれが単なる「まんまる」ではないのでしょう。「球体は次元を旅する」
「無限の中心」
彼女は目を閉じ、静かに耳をすませた。そこには音もなく、形もなく、ただ無限に広がる空間があった。その空間は、言葉では語り尽くせない、どこまでも続く円のようだった。
意識は浮遊し、彼女は自分自身を失った。
だが、その中心には何かがあった。
それは粒子のように点として存在し、同時に波として全方位に広がっていた。見る角度によって、それは異なる姿を現し、意味を変えた。
「すべては一つであり、同時にすべては多様なのだ」と、彼女は呟いた。
無限の中心に向かう旅を続ける彼女にとって、世界は定義できるものではなかった。円や球のように、終わりも始まりもない。
彼女はその中心に引き寄せられるたびに、解放される感覚を味わった。
そこには自由があった。何かに縛られることなく、固定された解釈を超えてすべてが揺れ動く。
ある日、彼女は光の糸を感じた。
それは遥か遠くの星から来たかのように、柔らかく彼女の心を包んだ。彼女はその糸を掴み、さらなる深みへと誘われる。
その先には、何もない暗闇が広がっていたが、同時に無限の可能性がそこに眠っていると彼女は直感した。
「私は自由だ」と彼女は呟く。
目の前には、一つの球が静かに浮かんでいた。それは完全な対称性を持ち、完璧な形で存在していたが、同時に無限に広がる可能性を秘めていた。
彼女はその球に手を伸ばすと、球は波のように揺らめき、やがて彼女を包み込んだ。
世界は再び形を変えた。中心も周囲もない場所で、彼女はただ無限の広がりの中に身を委ね、固定された一つの答えが存在しない自由の中で、安らかな笑みを浮かべた。