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「動物病院四方山話」11(お馬さんの心電図)
私の名前は「みぃ」
動物病院で暮らしている猫
私が経験した動物病院での四方山話を紹介しています
今回は私が直接体験した話ではないんだけどね
前回の動物病院四方山話はこちら
今回は、一平ちゃんが学生時代のお話しね。
30年くらい前の話みたいなので、私は直接見てないんだけどね・・・
競馬で走る競走馬のサラブレッドは有名よね。
JRAの競馬で走っている馬達ね。
![](https://assets.st-note.com/img/1696730534377-sYoZxnO1ku.jpg?width=1200)
JRAのHPより
サラブレッドってね、父方の血筋をたどっていくと3頭の馬に集約されるそうなの。
里塚先生が大学の先生に教えてもらった話では、
そのうちの一頭に、生まれつき心臓の病気の遺伝子を持つ馬がいたらしいのね。
だから、現在のサラブレッドも心臓に先天的異常がある子がたまにいるんだって。
どうしてこんな話をしたかというと、里塚先生の研究室の教授が大学の附属動物病院の院長で、馬や牛さん達の心電図の研究もされていたの。
大学が北海道にあった関係で、サラブレッドの心電図検査もしていたそうなのね。
北海道と言えば、サラブレッドを育てる牧場がいっぱいあるものね。
引退した有名馬もたくさんいたそうよ。
新冠(にいかっぷ)町の優駿スタリオンステーションっていう牧場に、引退したオグリキャップって馬が余生を過ごしていたの。
里塚青年(当時は青年だったはず!?)も、友達と見に行ったそうよ。
オグリキャップって言っても若い人には分からないかもしれないわね。
当時はすっごく強くて、超有名だったの。
競馬に詳しい人じゃなくても知ってたくらいだもの。
この子はね、芦毛(あしげ)っていって、黒っぽい肌に白い毛が生えるのが特徴だったの。
珍しい毛色だったという事もあって、とても印象的だったそうよ。
![](https://assets.st-note.com/img/1696730810958-8E4BJ1BKJQ.jpg?width=1200)
現役の頃のオグリキャップ
実物は写真よりも、白い毛色が目立っていたと思います
ところで、競馬って国が管理する「中央競馬」と、地方自治体が管理する「地方競馬」があるのね。
その地方競馬の中でも、北海道の帯広で行われている特殊な競馬があるのをご存知かしら?
「ばんえい競馬」って言うの。
実は、ばんえい競馬が開催されているのは世界で唯一、北海道の帯広だけなのよ!
ばん馬っていう大きな馬が、すごく重いソリを引いてレースをするの。
ばん馬はサラブレッドの倍くらいの体重があるのよ。
1トン越えよ!
![](https://assets.st-note.com/img/1696645766556-lNlMJMTGjD.jpg?width=1200)
かっこいい~
たてがみがきれいに編み込まれています
ご覧のように、ナイターも開催されています
ばんえい競馬は、
昭和24年に道営競馬として
旭川、帯広、北見、岩見沢
の4ヵ所の競馬場で開催されたの。
昭和48年には売り上げが百億円もあったらしいわ。
すごーい!
地方競馬でもトップクラスの売り上げだったそうよ。
でも、バブル崩壊から売り上げが落ちていったみたい。
一時は4ヵ所全ての競馬場が閉鎖されそうになったんだって。
「ばんえい競馬を失くすわけにはいかない!!」
って、一部の有志や関係者の努力で、帯広の1ヵ所だけは何とか存続させたんだって。
バブルって怖いわねぇ・・・
あっ、話を戻すわね。
一平ちゃんがうら若き(?)学生時代は、まだ4ヵ所のばんえい競馬場が健在だったんだって。
そんなある日、里塚青年は教授のお供でばん馬の心電図検査をするために岩見沢の競馬場に同行したんだって。
その時、ばん馬を一目見た時の感想は、
で、デカっ!
だったんだって。その後は、
かっこいい!!
そして、
おとなしい!
で、
可愛い!!
だったんですって。
すごくかわいい目をしてるの。
それに、たてがみがきれいに編み込まれていて、体はツヤツヤで、筋肉モリモリだったんだって。
![](https://assets.st-note.com/img/1696645959871-W4QRlRQbmK.jpg)
すごい大きいですよね
普段はとてもおだやかな性格の子が多いそうですよ
心電図って、体に電極をぺたぺた張り付けるじゃない?
それで心臓が動く時の、ごく微量の電気信号を検知してグラフにするのね。
そして、そのグラフの波形で正常か異常を診断するわけ。
![](https://assets.st-note.com/img/1697693756079-fxuV3xXYUp.jpg?width=1200)
でもね、電気信号って体の筋肉が動く時にも出るのよ。
だから心電図を取っている時に動くと、筋肉からの電気信号も検知してしまうのね。
そうすると心電図の波形がぐちゃぐちゃになっちゃって、正確に診断できないのよ。
人間だと「動かないでください」って言われるから、じっとしているけどね。
でもね、動物たちはそうはいかないのよ。
だって、そもそも何をされているのか分からないから、動くなって言われても・・・って感じよね。
でもね、そのばん馬さんは検査中微動だにしなかったの。
すごくない?
調教師さんとの信頼関係なのね、きっと。
![](https://assets.st-note.com/img/1696647225812-n82PF5Kye0.jpg?width=1200)
白いたてがみの子もいるんですね
ばんえい競馬は、大雪で中止の時もあるそうなんだけど、基本的に一年中開催されているそうよ。
(基本的には、土、日、月曜日に開催)
![](https://assets.st-note.com/img/1696647306211-JvuaGr99po.jpg?width=1200)
この子のたてがみも編み込まれていますね
かっこい~
* * *
里塚が学生の頃も、ばんえい競馬の経営が決して楽ではないという話は聞こえてきていました。
世界で唯一のばんえい競馬、今後も存続してもらいたいものです。
なんといっても、ばん馬達はとてもカッコ良く、可愛いですので。
観光で十勝に行かれる時は、時間があれば是非ばん馬達を見に行ってあげてください。
ばんえい競馬に少しでも興味を持っていただけたら、こちらも覗いてみて下さい。
かっこいいですよー
ばんえい競馬場の公式ホームページはこちらです
帯広市のばんえい競馬のホームページはこちらです
2023年11月26日に加筆させていただきました
コメントにもいただいたように、動物愛護団体から2021年にばんえい競馬廃止の要望書が帯広市長に提出されています。
競技中、一部の騎手によるにあってはならない虐待行為がなされたり、ソリを引きながら山を越えることへの負担などからです。
虐待行為はもっての他ですし、極限まで負担を強いるようなことが無いようなルール改正なども考えていただきたいと思います。
その上で、ばん馬に過度な負担をかけず、騎手の倫理観の徹底などを行ったうえで、楽しくワクワクするばんえい競馬が運営されることを願っています。
何の対策も無く、ばん馬達に過度な負担を強いながらの運営を続けられるのであれば、廃止も真剣に話し合わないといけない時期が来ているのでしょう。
おわり