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「動物病院四方山話」37(猫って強い!)
私の名前は「みぃ」
動物病院で暮らしている猫
私が経験した動物病院での四方山話を紹介しています
前回の動物病院四方山話はこちら
レントゲン装置が古くなったので、新しいものにしなくちゃいけなくなったんだって。
そういう時は、私たちの出番なの。
何をするかって?
『試し撮り』っていったら変だけど、ちゃんと撮れるかどうかのテストが必要なのよ。
もちろん私も協力したわ。
したというか、強制的に協力させられたんだけどね。
私のレントゲンは・・・
乙女のレントゲン写真を皆様にお見せするなんて恥かしいじゃない?
だから見せない!
もちろん私だけじゃないわよ、息子のケンタやクロちゃんも協力したわ。
クロちゃんって、
『「動物病院四方山話」07(木の上から黒猫)』の回で出てきた子ね。
黒猫だから「クロ」って一平ちゃんのネーミングセンスは相変らず進歩しないんだけど・・・。
そこで、撮られたクロちゃんのレントゲン写真がこれ。
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レントゲン写真ってこんな感じなの。
ちょっとずんぐりむっくりな体形なのがレントゲン写真からでも分かる気がする・・・
本人の写真がこれ
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実物のお腹もポッコリ
そんな話はどうでも良くて、実はこの時レントゲンを撮ったことによって衝撃の事実が判明したのよ!
皆さん、分かります?
既に気付いた人はスゴイ洞察力ですね。
ここに注目してもう一度レントゲン写真を見てみて!
アップにするわね。
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レントゲン写真って、向かって右側がクロちゃんの左側なの。
そう、左足(向かって右側)の大腿骨(太ももの骨)に注目!
変でしょ!
真っ直ぐじゃないでしょ!
そう、曲がっているのよ!
これって、骨折して治った跡なのよ!
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曲がっていますよね、骨折が治った跡です。
ちなみに、
『骨折して治ったら骨が強くなる』
って噂があるんだけど、この説はガセネタらしいわ。
骨折すると治る時に一時的に骨が太くなったりするからそう言われてたんだけど、しっかり治すとちゃんと元の太さに戻るんだって。
クロちゃんの場合は自力で治したので、骨も少し曲がってくっついちゃたのね。
クロちゃんはね、生後8ヶ月位で里塚家に引き取られたんだけど、それまでは外ネコさんだったの。
里塚家に来た時には既に歩き方が少しガニ股だったのよ。
黒くて分かりにくいけど、足をアップにすると、ガニ股が分かるかな?
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この事実が判明するまでは、可哀そうに
「クロちゃんって、変な歩き方だねぇ」
なーんて言われてたのよ。
気の毒でしょ。
里塚家に来てから骨折したんだったら絶対分かるんだけど、
(分からなかったら獣医失格です💦)
そんな事実はないから、里塚家に来る前に骨折して自力で治した、ってことのなのよ。
すごくない?
他にも保護ネコさんのレントゲン検査をした時に、偶然骨折して治った跡がある子って時々いたんだけど、こんな身近にいたなんて・・・。
本当に外猫さん達って、強い!
その一言に尽きるわ。
外の子たちは、喧嘩をしてケガをしても自力で治すしかない事がほとんどだものね。
だから少々痛くても我慢しないと生き抜いていけないのよ。
一昔前は、喧嘩で耳を怪我して耳の形が変形している子も多かったのよ。
外ネコさんを保護してくださった方がその子たちを病院へ連れて来られた時に、体にいっぱい傷跡があったりしたこともよくあったしね。
そんな外猫さん達からの質問が届いております!?
『ニンゲンの皆さんってなんでそんなに痛がりなのですか?』
だって。
大怪我をされた時は本当に痛いと思うんだけど、
そうではなく、些細な事でも、
「痛い、痛い!」
って騒ぐじゃないですか?
「そんなに大袈裟に痛がっていたら、自然界では生き抜いていけないと思うんですよね~。」
だって。
そう言う意味では、ネコさん達が強いのではなくて、『ニンゲン』が弱いのかもしれませんね🙄
あっ、本当に痛い思いをした人にはこんな事を言って、ごめんなさいね(by みぃ)
* * *
番外編
『クロちゃんのしっぽ』
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このカギシッポ、中身はどうなっているのでしょうか?
中身は、こうなっています ↓ ↓ ↓
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「く」の字になっている部分がカギシッポの中身(骨)です
カギシッポは遺伝なのかもしれないわね。
だって、私(みぃ)と息子のケンタもクロちゃんほどではないけど、しっぽが短いもの。
ちなみに、クロちゃんとは血縁関係はないわよ。
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おわり