「動物病院四方山話」31(税務調査1)
私の名前は「みぃ」
動物病院で暮らしている猫
私が経験した動物病院での四方山話を紹介しています
前回の動物病院四方山話はこちら
今回は、獣医さんのお話しとはちょっと毛色が違ったお話しなの。
それは、つい先日9月2日と3日の二日間の出来事。
* * *
8月の後半、いつもお世話になっている会計事務所から電話があった。
「里塚さんの病院に『税務調査』が入ることになりました。」
「2日間かかりますので、都合の良い日があればお聞かせいただけますか?」
なになに?
『税務調査』?
「午前と夕方は診察があるので、昼の時間でしたら、日にちを教えていただいたら予定を入れずに空けておきます。」
一平ちゃんは少しドキドキしながら返事をしていたわ。
「では、会計事務所の代表の税理士も立ち会いますので、税務署と代表の先生との都合が決まりましたら改めてご連絡します。」
だって。
ちょっと一平ちゃん、何悪いことをしたのよ!
・・・えーっ、何にも悪いことなんかしてないよー😥(里塚、心の声)
『税務調査』なんて、開業してから初めての経験。
イメージするのは、
『マルサの女』
「そこから一歩も動くなー!!」
「机の上の物も一切触るなー!!」
根こそぎ書類を持っていかれる???
パソコンも全て押収!
隠していた裏帳簿発見!!
畳まで引っぺがされて家中ガザ入れ!?
隠し金庫まで見つけられ中の金塊が!
庭の土は掘り返され、隠し金を入れた壺まで!
壁も剥がされ、裏に隠していた札束もあえなく発見・・・
足のつかない金に換えようと購入していた高級時計達までもを取り上げられる!?
それでもって、冷蔵庫に隠していた宝くじをまで没収・・・
んっ!?
「ひえー! その宝くじは私の唯一の楽しみなんですっ。」
「お代官様!!、それを持っていくのだけはご勘弁を~!」
あれっ?
何だか話が変な方に行っちゃった。
一平ちゃん、映画やドラマの見過ぎじゃないの!
そんな風に強制捜査で全て没収、というような調査は、
『査察調査』
っていうのよ。
マルサ(丸査)で有名な国税局がする査察調査の事なのね。
今回は、
『税務調査』
任意の検査なので、税務署の職員が来て調査するの。
任意って言っても、半強制だけどね。
あっ、そうでしたか・・・ほっ😅
そうは言っても、調査に非協力的だったら査察調査に変更させられたりすることもあるらしいわよ。
でも何となく分かるわ。
やましいことが無くてもパトカーを見たらなんだかドキドキ・ソワソワするのと同じ感じがするわよねぇ。
本当かウソかは分からないけど、税務署の人って重箱の隅をつっついて何かしらの成果を持って帰るって言うじゃない?
いわゆる追徴課税のネタを!
・・・私もドラマの見過ぎかしら🙄
実際の税務調査は、税理士の先生曰く、
過去3年間について調査される。
その間の経費などの資料を里塚が準備しておく。
税理士の先生も会計関係の資料を持って来られるので、税務署の人と税務関係についてお話しされる。
その他、税務署の人からの要求があれば随時里塚が対応する。
大体こんな感じなんだって。
* * *
いよいよ『税務調査』の当日
まず、いつも担当してくださっている先生が来られ、すぐに事務所の代表の先生も。
ピンポ~ン、ピンポ~ン
税務署の職員さんが到着
「本日税務調査を担当させていただきます○○税務署の○○です。」
身分証明書を提示しながらご挨拶いただく。
あら、思っていたより高圧的でもないし、穏やかそうな感じだわ!
やっぱり二人ともドラマの見過ぎだったみたいね。
一平ちゃんの動物病院は個人経営。
本当にこじんまりした病院なのね。
後で思えば、そういう所ってそんなに多額の経費を計上していないから、経費についてはあまりメインに調べなくても良かったのかもしれない。
どちらかというと、収入をちょろまかしていないかを調べに来たのかな?って感じ。
・・・ちょろまかしてなんかいませんよー!!(by 里塚😤)
それに、獣医って普通の小売業などと違って特殊な業種なので、税務調査の仕方も少し独特だったのかもね。
税務調査開始
税務署の方
「お聞きしないといけないことがありますので、順を追ってお聞きしますね。」
「ハーイ!」(里塚、心の中で良いお返事をしておきました)
で、最初に聞かれたのが、
日々の業務の流れ
・患者さんが来られたら、まずどうするか?
患者さんに受付けしていただくわよね。
「えっ?、そんな当たり前の事から聞くの?」( 里塚、心の声)
・受付されたらどうする?
『受付表』っていうのを作っているので、受付された順番に受付時間とお名前を記入する。
・その後は?
そりゃあ、順番に診察させていただくわよね。
・診察したらどうするの?
どうって言われても・・・
必要に応じて検査したり、治療したり・・・
・診察の記録はどうするの?
もちろん、一平ちゃんがカルテに記入するわよね。
・診察が終わったらどうするの?
『受付ソフト』に診療内容を入力。
(患者さん情報の管理、診療内容の入力、お会計等もできるソフトがあるのです)
そのソフトで診療明細書を印刷します。
その明細書に基づいて、受付で診察料をいただく。
・領収書はどうしてますか?
お渡しした診察明細書が領収書を兼ねていると説明。
別途、領収書を希望される方には手書きで領収書を発行。
何だなんだ!?
「税務関係とは関係ない話ばかりで、一向に『税務調査』が始まらないぞ!」(里塚、心の声)
・・・心の声がやたらと多い・・・
税理士の先生方の出番はここまで全く無し。
先生方も、何だかいつもの流れとち違うなぁ、って顔をしながらこちらを見ておられる。
というのも、税理士の先生は税理関係を事細かく記録した『総勘定元帳』を持って来られているの。
その元帳と照らし合わせながら税理士の先生を交えて話を進めるのが通例なんだって。
しかーし!
この後も税理士の先生の出番がほとんどなかった。
二日間で実質20分も無かったんじゃないかしら?
その代わり、一平ちゃんに怒涛の質問攻撃。
一平ちゃんだけ大忙し。
税理士の先生はずーっと手持無沙汰。
せっかく来ていただいているのに申し訳ないやら気の毒やら💦
はぁ・・・、これからどのような展開になっていくのかしら。
ちなみに、一日目の調査が終わった時に出た里塚の一言は、
「疲れたー」
でした。
この後の話も少し長くなるので、続きは来週にさせていただきます。
つづく
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