【読書】原因を見ずに目先に走る「前進中毒」が止まらない
週に一度、オンラインでの読書会で『心感覚』という本を読んでいる。10人未満の参加者で、実際に会ったことがある人も会ったことがない人も混ざった中で、1時間の読書会は始まる。
前回で一章が読み終わったので、今日は一章を通してのまとめの回だった。一章を通して、自分の中で印象的だったことを二つご紹介したい。
一つ目は、「生まれたときから私にしか見えない世界をずっと見ている」ということ。本の中では、それをわかりやすくするために「VRのヘッドセットをつけている」と表現している。(詳しくは以下の記事を参照してください)
仮に誰かとわかり合えたと思っても、それは全て自分の「思い込み」であり、完全にわかり合えることはないと筆者は言う。
まさか、そんな……。
最初は、ショックだった。本当の意味では誰ともわかり合えないなんて、寂しすぎる。そう思った。
でも、次に安心した。
「人と人とは、本来誰もがわかりあえない。だとしたら、きっとわかってくれるだろうと誰かに期待をしたり、なんでわかってくれないんだと腹を立てたりする必要はなくなる。だって、みんな別々の世界、宇宙を生きていて、わかってもらえるはずがないのだから」
そのことを本書では、「正しい絶望」と表現している。みんなニセモノの絶望に振り回されて傷だらけになっている。すべてのことは私の思い込みなんだという「正しい絶望」に立とうというのだ。
実際、私自身、今日とても気持ちがモヤモヤすることがあった。ある方からのメールで、心が動揺した。
私の気持ちは、「怒り」の反応だった。
咄嗟に思い出した。
これももしかしたら、私の「思い込み」かもしれない。そして、この「怒り」は、私の価値観ならこんなことしないのにどうしてこんなことするんだろう、という相手への「期待」も入っている。
そうだ、人はそもそも分かり合えないんだった。
それを思い出したとき、「じゃあこんな風に返事をしてみたらどうだろう」と気持ちを楽にお返事をすることができた。「怒り」で返す選択肢もあったし、「とぼける」という選択肢もある。
私の見ている世界なのだから、自分で自由に設定してもいいのだ。
二つ目に、「前進中毒」という言葉が印象に残った。
私たちは、何か問題が起きたときに「どうやって解決をしよう」と解決策に一目散になりがちだ。だが、大事なのは「なぜその問題が起こるのか」という根本原因に着目することだと筆者はいう。
「嫌なことがあったけど、愚痴で吐き出して忘れてしまおう」「見なかったこと、無かったことにしよう」「とりあえず寝よう」
そうやって、根本原因を見つけることをせず、つい目先の問題をパパッと解決しようとする。これを「前進中毒」と言う。表面に見える「草」の部分だけを刈り取っても、一時的には綺麗に見えてるけど、時間が経てばまた生えてくる。「根」が残っているからだ。
「前進中毒」にならないためには、勇気を出して「根本原因」に向き合うことが大切だ。そして、時には止まることも、後ろに下がることも大事だと思う。
「早く解決したい」「早くいい状態に持っていきたい」
その裏には、不安や焦りがある。こんな気持ちになったときは、自分の反応を俯瞰してみて「今、私はこういう気持ちなんだな」と観察できるようになりたい。
まだまだできないことも多いけど、何度も練習して少しずつ楽に生きられるようになれたらいいな。
まずは、今日、モヤモヤしたメールに今までとは違う形で返信することができた自分に、拍手!