
〇第44回議論「1学期17時間で日本の政治学習、国際政治学習を!」(「公共」研究チーム)
第44回は公「共研」究チームから、1学期17時間しかない中で政経の授業をどんなふうに行ったかご発表をいただきました。
1学期は「現代の政治」を扱いながら「現代社会の諸課題」を盛り込んでいく方法で、時間数が少ない中、判例を紹介しながら憲法を学んだり、ジェンダー問題やウクライナ問題を扱ったり、模擬投票を行ったりと多くの実践をされたそうです。
先生が出した問を生徒たちが調べて発表という授業を行い、中間考査を迎えたところ平均40点。
意味もわからず( )に語句を入れるのではなく、理解して答えるという目的を伝えていくと、今までの勉強方法では通用しないことに戸惑っていた生徒たちもその重要性や面白さを実感してきたようです。
発表の後、この授業の内容がどうなのか、パフォーマンス課題のテーマはこれでよいのか、点が取れるではなく「わかって」「つかえる」授業の困難性にどう向き合うのかについて議論しました。
【以下、議論】
・すぐ答えをほしがる生徒たちに対して→大人しくて聞いてるだけに慣れてしまっている生徒たちが多い。難しいが学校としてこの問題に取り組むのが理想。
・1年で歴史総合・地理総合、2年で公共が理想か?→公民学習に歴史、地理的思考は必要。それが理想ではないか
・客観的には憲法違反に見えても政治を行う上では行われているというところも解きほぐしていく必要があるのではないか→立憲主義をしっかり理解してほしいということから理想に重きが置かれた
・パフォーマンス課題について、立場を入れることによって評価の観点が明確になる、多面的に見られるようになる
・こんな授業できたらいいよねというのが率直な感想。若手の先生と組んでここまでできるというのを感じてもらいたい。
・この授業を受ける生徒は大変。でもびっしりの文字、情報量に圧倒されてしまうことも。ただ文章を読む力を1年間かけてつけていける。わからない生徒のために、ここだけは!という箇所をつくって段階的にステップアップしてもよい。
・暗記を嫌がる生徒は多いけど、思考力を問う問題はもっと嫌がる。授業、考査の在り方に反省。
・主権者教育の出前授業で高校生に困ったことを挙げさせると、何かは出てくる。身近な気づきを広げて繋げていく。
・パフォーマンス課題「大学教授が高校生に憲法を教える」よりも「小学生に憲法を教えよう!」という問題の方が当事者意識をもてる。
・ルーブリック評価で「当事者意識をもって」でAかBか評価されてしまう。判断できるのか?違う言葉に変えたほうがよいかもしれない
・立憲主義を学びながらわかりやすい判例をだし、実生活と距離を詰める工夫がされている。
・憲法前文(力によらない平和の構築)と9条をつなぐと国際政治と日本の政治学をつなげることができる。
参加者23名