大人になって選べるようになったコミュニティと一方的な好意に苦しむ方々の話

だらだらと大人の人間関係について綴る。
大人になって子どもの時よりコミュニティを選べるようになったか否かの話を踏まえた上で、
誰かから好意を持たれることが嫌で苦しんでいたとしても、それを大っぴらに愚痴ることもできずにさらに苦しいと思う人は結構いるのではという話。
(斜め上の着地点すぎる)

①わたしと松子の議論

わたしと松子ちゃん(仮名)がLINEで議論をしていた。
「大人になったら、自分の好きなコミュニティを選べるようになるか」
という話。

簡単に言うと、「コミュニティ選べる」派のわたしは、「大人になると職場も自分で選べる。嫌な友達は付き合わなければいい。もし嫌なことがあっても過去の中学や高校や大学の友達に頼ることができる。でも小学生のような子どもは、基本的に学校すら選べないし、過去積み上げてきた友達すらいない。子どもはコミュニティ選択の自由があまりない」という意見。

「コミュニティ選べない」派の松子ちゃんは、「子どもでも転校という選択肢を取ることもできる。また、子どもでも習い事などで学校外に友達がいるのならそちらに頼ることもできる。それを踏まえると、大人と子どもでコミュニティの選べる度はさして変わらないのではないか」という意見。

②竹子の見解

この議論が面白くて、松子と共通の友達の竹子ちゃんに「松子とこういう話をしたんだけど、竹子はどう思う?」と尋ねた。
竹子ちゃんは
「大人は自由と引き換えに責任がある。子どもは自由もあるけど、責任を担保しているのは親だから制限された自由になる。」としたうえで、
「オブリガートも松子も同じだけの自由を大人になった今持っている。でも、
比較的制限された自由しか与えられていなかったオブリガートにとっては、大人の自由度は大きく見える。
逆に、子どもながらに転校の選択肢や校外の友達との接点を与えられていた松子にとっては、大人の自由度はさして大きく見えない。」
との回答をくれた。さすがっす竹子ちゃん。

けど、竹子ちゃんはまた別のことを言っていた。
大人になっても、しがらみって切れなくない…?
 例えば、好きではない人に好意を寄せられて、すぐ逃げられるわけじゃなくない…?

とりあえず、わたしはその話はよく分からなかったので一旦置いといた。


③梅子の悩み

また別の日、松子と共通の友達の梅子ちゃんに「松子ちゃんとどんなLINEするの?」と聞かれたので、先ほどの議論の内容を話したうえで、「梅子はどう思う?」と尋ねてみた。すると。

「大人になっても、選べないこともあるんじゃない?」
ん?どっかで聞いた話?
「梅子、どうした?」
「うーん、厚意と好意を見分けるのって難しいなと思って。厚意だと思っていたことが好意だった場合、自分(=彼氏のいる梅子)はそれを断らないといけなくなる。でもこっちは好意が欲しいわけじゃないし、断って気まずくなるのも嫌だし、変な関係性になるから考えないといけないことが増えるし。」
…梅子…お前もか…
「で連絡がたくさん来たりすることもあるだろうし、仕事や部署が離れたからといって縁をすぐに切れるとは限らないし。大人になっても切れないしがらみってきっとあるよ。」

「切りたい縁は切ればいい」と思っていたサバサバ松子とサバサバわたしには分からない世界があったようです(笑)
わたしも(多分松子ちゃんも)誰かに好意を寄せられて困ったことなんてないから、それかもしれないけど。


④一方的な好意はしんどいということ

ただ、竹子ちゃんと梅子ちゃんの話を聞いて分かったことが一つだけある。
「一方的な好意はしんどい」である。
自分にその気がないなら好意を断らなければならないこと。
その時の申し訳なさ。
断った後も気まずい関係がしばらく続くであろうこと。
周りも気を遣わなければならないこと。
これは「簡単に切れる」縁ではないだろう。盲点だった。

そして何が一番つらいって、人にあまり愚痴れないことだよね。
宿題終わらない、仕事終わらない、あの人のここが苦手、っていう話題は比較的愚痴りやすいけど、
この人に好意を寄せられて嫌です、っていう話題は聞き手によっては自慢に聞こえる場合もあるだろう。
だからみんな言わないし、竹子ちゃんも梅子ちゃんもわたしと仲が良くて信頼してるからこそ言ってくれたのであって。
わたしの周りには「男子と仲良くした時に、いつも純粋な友人になれなくて告白されてしまう」と嘆いていた友人もいるし、逆に「あの子のモテる自慢が嫌だ」と嘆いていた友人もいる。
誰かにとっての羨ましいは、誰かにとっての苦しいなんだけどね。

好意を抱かれることが辛いと簡単に話せる世界になってほしいと思うと同時に、大人になって完全にコミュニティが選べるようになって万事解決するほど世界は上手くできてないなと痛感させられた話でした。