人の記憶に残る人とは―マジカルバナナ論🍌
人の記憶に残る人になる、とは。
みんな人間だから、置かれている状況も、今集中していることも、大切にしている人も、どんどん変わっていく。
その中で、「ずっと1人のことを想っていて、片時も忘れない」なんて、本当にできるのかとわたしは疑ってしまう。
推しがいる友達もゲームをするときは推しのことなど忘れるし、彼氏がいる友達もわたしとパフェを食べているときはパフェに夢中になる。だから、片時も忘れないなんてできないんじゃないかって思う。
では、人の記憶に残る人になる、とは。
わたしが思うに、それは「相手にとって自分がマジカルバナナになるパターンがある人」になることだ。
例えばだけど、わたしが中学生の頃に一緒に部活をしていた男子で、
「俺って野菜に例えると何だと思う?」と唐突に聞いてきた子がいる。
その時わたしが
「ズッキーニ!」
とマイナーな野菜を答えたもんだから、
今でもズッキーニを見ると彼を思い出す。
他にも、
・シュークリームを見れば、「シュークリームが好きです!」と言っていた子を思い出し、
・トマトを見れば、「トマト、ダメゼッタイ。マイエネミー」とトマトを完全拒否していた子を思い出し、
・クリームコロッケを見れば、それを食べている時に友人に「オブリガートちゃん、あの子のこと好きでしょ」と話しかけられた「あの子」を思い出す(事実無根でした)、
といったように、マジカルバナナが続いていく。
(てかよく見たら食べもんばっかりやな)
こういうパターンがあれば、必然的に「ズッキーニ」が登場する度に彼のことを思い出さずにはいられなくなるし、他の場合も同様だ。それが、人の記憶に残るということではないか。
そして、かりんとうと、日焼け止めと、逆上がりと、通知表と、白いパンプスと…と言ったように自分を思い出すワードを相手の中にたくさん忍ばせておけば、自分も相手の記憶に強く残るのだと思う。
だから、仲が良い人や近くにいる人は、ネタがいっぱいあるから思い出しやすいのだろう。
そしてもうひとつ、「何と自分を結びつけるか」ということ。
相手に歩きスマホと自分を結びつけて覚えられるよりは、「礼儀正しい人」と自分を結びつけて覚えられるような、そんな人になりたい。
良いことと自分を結びつけて覚えられるようになりたい。
今日の仕事の昼休み、異動して来て数日のかっこいい女の人が、トイレの洗面台に散っていた水を布巾で拭いているのを見た。わたしの中では、その人は「かっこいい女の人」から「気配りができてかっこいい女の人」になった。