週末に投資アイデアを考える #2 (4/28~5/4)
このコーナーは毎週読んでいただくことで、マーケットの動きを理解する上で、知っておきたい基本的な経済ニュースへのリテラシーが高まると考えています。
株式投資を行う人たちが普段接するニュースの中から、長期投資のアイデアご自身で発見できるようになる方法を身に付けていただくことを目標にしています。
マーケットチェックは、詳細な市場解説は他でもあるので、あえてラフに解説し、どの程度の深度で市場を押さえておけば、長期投資に耐えうるのかを示そうとしています。
注目したニュース記事は、海外のニュース記事も入れていますが、基本的には日経新聞など、どなたでも触れることのできるニュースを基に気付きを得て行こうとしています。
<マーケットチェック>
株価
やや反発気味ですが、為替の動きにやや神経質で、決算もにらみながらの動きとなっています。トレンドは出ておらず、連休中で動きにくい感じでした。
企業決算は本格化してきます。現時点で出ている会社だけでは何とも言えませんが、日本企業の決算は想定よりも弱いですね。特に外需企業が弱いと感じます(特に化学・電気機器が弱い)。各社かなりアグレッシブな設備投資計画を出してきていたので、設備投資の背景に業績の強さを見ていた投資家もいる様なので気になるところです。日経新聞を見ていると最高益更新で好調というように感じるかもしれませんが、この程度の業績は既にコンセンサスとなっており、今期に関してはもっと上を見ていたと考えられます。決算を受けてリビジョンも低下しています。
米国は総じて上振れるのはいつものことなのですが、今回はその中でも強い方です。
ところで、香港ハンセン指数が4/19をボトムに大幅高になっています。年初来パフォーマンスは、すでにTOPIXやS&P500を上回っています。グローバルな投資家は中国に対して総弱気ですが、何が起こっているのか注意してみたいと思います。
金利
金利がさらに上昇する可能性も意識していましたが、今週だけで見ると水準的には高位安定で落ち着ていたという印象です。ただ、日銀金融政策決定会合の内容を考えると、今後は金利上昇の動きが出て来るか注目しておきたいと思います。
為替
今週は何と言っても為替が大きく動きました。先週末の日銀金融政策決定会合を受けて160円前半まで円安が進みましたが、2度にわたる日本政府・日銀による円買い介入観測と米雇用の下振れもあり、3日には一時1ドル=151円台後半まで円が上昇しました。
先日も書きましたが、為替には理論価格というものが存在しないので、需給と思惑によって大きく振れる典型的な動きとなりました。構造論が語られる時、為替は大きく動きやすくなります。
商品
原油価格は中東情勢への懸念が少し後退しているのでやや弱含みです。ただ、金属価格は堅調が続いています。米国の金融政策は、雇用などへの関心も高いですが、根っこには商品市況が強含みインフレが鎮静化しない事があります。この部分は注意深く観察する必要があります。
<注目したニュース記事>
“AL’s Next Big Winners Aren’t Just Tech Companies. Wath These Stocks”
AIは1年以上にわたって投資の中心的テーマだった。AIのハードウェアからソフトウェア企業まで、イノベーションの新しいサイクルに株式市場は注目した。
<例>
AIのソフトウェア関連では、OpenAI、マイクロソフト、アルファベット。
AIのハードウェア関連ではNvidia、AMD、Super Micro Computer、TSMC、インフラを運営するクラウド・コンピューティングの巨人ではアマゾン、マイクロソフト、オラクルなどが。
次にAIから恩恵を受けるのは、AIツールを使ってより効率的&生産的になる企業である。
<例>
エネルギー会社Baker Hughesは、石油フィールドのサービスを最適化。
JPモルガンチェースは、2,000人のAI及び機械学習の専門家在籍。
メタはアプリにAIチャットボットを加えた。
UnitedHealthはクレームの取扱い、医療的なアドバイスにAIを利用。
ウォルマートはサプライチェーンの最適化にAIを使っている。
SNS、エンターテインメント、ゲーミングなど様々なインターネット事業にAIが採用されてきている。
オンライン・スポーツ賭けのDraftKingsは、オッズを設定に、AIを使用。
AIの利用企業に恩恵がなければ、AI開発企業も成長できないだろう。
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