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「性食考」読書感想文

なかなかすごい本だった!
食べること、交わること、死ぬことの濃密な繋がり……
ほとんど同じことだと言ってもいいくらい!

極めて本能的な欲望について、いろいろな伝承や風習を紐解いて考えていくのだけれど、どんな符合があっても、本能的・感覚的にどれも、そうかもしれないなぁ……と納得してしまう。

食べる=交わる、というのは、強い生命力を感じる行為なので、すんなり受け入れられる。
この本の中で死を取り上げるとき、それはカニバリズムに結び付く。
死者を食べることで、その生命は食べた者の中で息づくというような…
それならば、死とは、さらに拡張する生=性でもあるような……

何言ってるかわからなくなってきた。

日本神話はもちろん、遠い南の島国に伝わるお話などでも、女神の死体から作物が実っている。
直接死体を食べなくても、死んだ肉体は大地へと還り、土地を豊かにする。
死ぬことと生きることが繋がっていることを実感する。

観念的な思考のループに陥りそうになるのだけれど、「食べちゃいたいほどかわいい」というのは、極めて本能的な肉体の欲求から発せられる言葉なのだというのがわかった。

無邪気に思える子ども向け文学の中には、食べることをテーマにしたものが多くある。
なるほどなぁと嘆息。
面白かった。

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