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【病気】デオドラントという最終兵器

ウバといいます。
訪ねていただきありがとうございます。



病気にはなりたくないですね。風邪すらなりたくないですし、大病なんて勘弁です。
病気になると皆が優しくしてくれますので、それはちょっと嬉しいですけどね。

昔から病は気からなんて聞きます。つまりは病気なんて気合いで治せ!ってことですね。
ちょっと違う気もしますが、つまりは病気なんて気持ち次第で良くも悪くもなるということです。

体調が悪い時は気持ちも沈んでしまいます。すると、なおる病気も治りません。相手の思うツボです。気をしっかり持って病気と闘えば、意外とすぐ治ったりするものです。

病は気から。これをわたしに教えてくれたのは義理の父でした。彼は病を気合いで治してきた男だったのです。男の中の漢、それが義父なのです。



その日、わたしは首から肩にかけての痛みに悩まされていました(後に大病の仕業と判明)。
とにかく痛い。整骨院で貰った湿布を貼ってますが、こんなのは気休めでしかありません。

そして、その日の夜は嫁さんの実家でご飯を御馳走になってました。義母の手料理は最高です。義父とのお酒も好きなので、わたしは痛みも忘れて飲み食いに夢中でした。

「なんやあ、首の痛かとや?どがんしたね?」と義父。湿布に気付いたようです。わたしは最近首の痛みと戦ってることを告げます。

痛みってのは、意識したら痛みだしますね。飲み食いで忘れてた痛みが襲ってきます。病は気からです。わたしは再び現れた痛みに屈しそうでした。

「おお、それなら良か薬のあるぞ。市販薬やけど、そいば塗ってから腰の調子のよかけんね」と義父は言い、その市販薬とやらを取りに行きます。

戻ってきた義父の手には黒いスティックタイプの市販薬とやらが握られてました。
ほえぇ、最近の塗り薬はスタイリッシュだなあと感心しました。

渡されたソレを、わたしは塗る以外の選択肢をもってません。せっかく義父が持ってきてくれたのです。しかも、義父はその市販薬がバツグンに効くのだと言っております。

でもなあ……

あ、いや、わかってるんです。コレを塗って、しばらくしてから「あーなんか気持ちいいっすねえ」と言うのが、息子としての百点の行動なのです。

でもなあ……

でも、書いてあるんだよなあ……ギャツビー・デオドラントってさ。

コレ、アレだ。脇に塗るやつだ。汗のニオイとかと戦う奴や。痛みとちゃう、ニオイと戦う奴や。効かん、絶対に効かん……。効かん奴や。

わたしは悩みました。だってデオドラントだもん。でも塗るしかない。蓋を開けるとボールがみえます。ほらあ、脇に塗る奴やん。コレ、首に塗るの?

でもなあ……。

わたしは正直者です。嘘はいけません。ここで指摘しないと、お義父さんが何処かで恥をかく可能性があります。

心を鬼にします。伝えないと!

「お義父さん、あのですね、コレですね、デオドラントですねん……。脇のニオイ抑えるやつですねん。スミマセン、コレ、イタミニキカナイミタイデス」

最後は緊張でカチカチです。それでも伝えました。

暫しの沈黙………………爆笑!!

怒られることなく難を逃れました。義父は今まで、腰を少しだけいい匂いにしただけで腰痛を治してたことになります。

病は気からです。わたしはそのことを知っています。腰痛なんてデオドラントで一発なのですから。

注)体調不良のときは、迷わず病院へ行きましょう。現実は、気合いじゃ病気は治りません。香りで腰痛が治るのは稀です。



ここまで読んでいただきありがとうございます。
病気なんて気合いで治れば良いのになあ



それでは、佐世保の隅っこからウバでした。

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