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パスポートを入手する為に

 パスポート取得に必要な戸籍謄本を取りにいった。平日でなければ役所が開いていない為、戸籍謄本を取れなかった為、平日が空く退職後まで待つしかなかったのだが、ようやく動くことができるようになったのである。

 取りに行くに際して、電車で2時間ほどかかる本籍地まで行くしかないかと思っていたのだが、調べると広域取得という制度で、必ずしも本籍地までいかずとも戸籍謄本を取ることはできるらしい。ただでさえ、コンビニ取得に失敗した身であるので、今私が住んでいるところの役所でできるのか不明ではあったが、一日フリーなので行って試すだけならタダだろうし、ダメなら本籍地まで出向けばいいと最寄りの役所に行ったのだが、これが正解だった。

 最初に役所に行って、広域取得と書かれた書類を書こうとしたのだが、どうやら申請には本籍地の戸籍筆頭者の名前、生年月日が必要であるという。おそらく私の親のことであるが、私は親の名前こそもちろん知っているが、生年月日を覚えていない。日付はかろうじてこれじゃないかというのがあるが、年になるとお手上げである。何度聞いてもどういう訳か忘れてしまうので、私は両親が現在では何歳なのかわかっていない。つまり逆算して年を割り出すこともできない。諦めて親にLINEで聞くことにして、一度家に帰った。家までの距離が近いのがありがたいところである。

 帰って洗濯物とベッドのシーツ等を風呂に溜めたお湯にオキシクリーンと共にぶち込んで、漂白がてら洗濯の準備をしていると、返事が返ってきていて、必要な情報を入手できた。言わないと教えてもらえなさそうだったので、海外旅行の為にパスポートを取得しようとしていると言ったのだが、返事の中に海外など行って本当に大丈夫なのかとか、心配だとかの内容があって、若干辟易した。

 相変わらず、私の親は過保護というか、過干渉なところがある。いつまで経っても、私のことを自分の管理下に置きたいのだ。そしてその行動が子供が離れていく理由であることを承知しておいてなお、家族という縁の切れない関係性を盾にして改める気がないときている。なまじ私の兄弟は海外に居るというのに、私にだけこういった物事を言ってくるのだから、どうにも納得ができない。どうにかならないものか。私が二輪の免許を取り、バイクを乗り回していて、一度事故っていると知ったらひっくり返りそうである。

 閑話休題。必要な情報を手に入れたので、改めて申請の為に役所へ向かった。今度こそ書類を書こうとすると、役所の人が食い気味に話しかけてきて、書くべき場所を教えてくれた。勢いがすごかったのでちょっと気後れしたものの、必要事項を書いて提出した。なお、教えてくれた必要事項に本籍筆頭者の生年月日は不要だった。

 役所は何かと待つものというイメージがあって、実際そこそこの人がいたので、まあまあ待つかと思っていたのだが、幸いなことにすぐに呼ばれて、そのまま戸籍謄本を受け取った。運良く人が空いているタイミングを狙えたようである。考えてみれば、戸籍謄本というものは見たことがなかったので、これ幸いとじっくり見てみたのだが、よく分からないというのが本音である。そもそも、戸籍もさることながら、本籍というのがよく分からない。住んでいる場所と関係ないところを指定できるとはどういうことか。実際、私の本籍は私の実家ではなく、なんなら現在私の家系の人が住んでいる場所でもないのだが、それでも指定できるとはどういうことなのか。

 軽く調べてみたところ、戸籍とは、いわば家系図のような血筋を記録したものであり、本籍とは戸籍を置いてある場所であるという。人間が住所に住んでいるように、戸籍も本籍に住んでいるようなイメージである。人間が住む場所を変われば、諸々手続きが生じるし、住民票を移す作業が発生するが、戸籍はデータなので移す必要がない。なので、住所と本籍が変わるという事態が生じるのである。

 さておき、無事戸籍謄本を手に入れたので、これを指定のパスポート発行組織に簡易書留で郵送することになる。既に前職の会社から簡易書留分の切手をパクり、封筒を作成しておいたので、その場で必要書類と戸籍謄本を合わせて封筒に入れ、その足で郵便局へ赴いた。

 戸籍謄本をもらうのに印鑑が必要という情報をネットで見たので、印鑑を持っていったのだが、それが鞄の中で暴れたせいで封筒が一部赤くなったりしていたりとハプニングもあったが、問題なく簡易書留で郵送の手続きを済ませた。結局、戸籍謄本の発行に印鑑は不要だったので、不要な情報、不要な物品をやたらと集めていたことになる。そういう日もあるか。

 ついでに暗証番号の間違いを繰り返した結果、預けることはできても引き出すことができなくなった口座の解除申請をしたりしたものの、当初のパスポートの申請を行う為に戸籍謄本を入手、簡易書留で送るという、平日が空いたら真っ先にやろうと思っていたことができたのは行幸だった。パスポートが受け取れるのはいつになるのかわからないが、早めに受け取れればありがたい。確実に海外へ行くための準備が整っている。どうにかして実現させたいものである。

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