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野の花に

予想していたことだけれど、連休明けの仕事は、つらい。
帰宅するとへとへとになって、それでも翌日はまた向かわなければならない。
生きるために働いているのに、働いているせいで生きるのが…と、いつものぐるぐるに巻き込まれそうになる。

仕事がつらいとき、慰めてくれるのは、行き帰りに出会う野の花だ。
時期は終わってしまったけれど、早春に咲くハナニラが、特に好き。
英国では、スプリングスターフラワーというらしい。確かに、小さな星のかたちをしている。
夜、野原一面にハナニラが咲いていると、星空みたいに見える。
はかなげな薄い紫色も素敵。

ハナニラは終わってしまったけれど、今は、たんぽぽやカタバミなど、明るい野の花がたくさん咲いている。
この間、愛用しているミニ図鑑で調べたら、カタバミは夜に葉を折りたたんでいる様子が、片側が食べられたように見えるから、「傍食」(かたばみ)というのだそうだ。
そうなんだ!新しいことを知るのは、いつだって嬉しい。

新緑の季節。
草花に助けられながら、前に進みたい。

雪の朝も風すさまじく吹く夜も働くわれの足下に星
(2024.5.11日経歌壇・穂村弘選)

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